台湾の玉山登山について
2023年9月8日に台湾最高峰の玉山(主峰)に日帰りで登ってきました。これから登ろうとする人のために、ちょっとした備忘録を残します
参考資料
まず下記の2つを見てください。この方のブログがすべての基礎になります。
①実際の登山内容
②交通情報などの詳細情報
方針を決める
上の方は、玉山の登山道にある排雲山荘に泊まるパターンでした。この山小屋に泊まって、1泊2日で玉山主峰に登るのが標準的な登山のようです。
もう一つのパターンは、登山口から玉山まで日帰りでピストンするパターンです。標準タイムで12時間程度かかるため、健脚者向けです。
体力がない場合は排雲山荘ルート一択になりますが、標高が3400m近くあります。就寝時の高山病に気を付けてください。私は富士山の頂上小屋に泊まった時、翌朝の吐き気と頭痛がすごかったので、3400mでの宿泊をするつもりはありませんでした。
また宿泊予約を取るまでに、計画的な準備が必要です。外国人枠として申し込む場合には宿泊日の4カ月-35日まえに申請し、1カ月まえの抽選に当選する必要があります。枠は24人だけあります。また一般枠として申し込むには、5日前でも大丈夫ですが、台湾の人も含めた抽選になります。枠は全体で116人になります。
日帰りピストンする場合には、2600mから3952mまで行って帰れる体力が必要です。時間制限もあります。排雲山荘に朝10時時点でたどり着いていないと、主峰まで通してくれません。
日帰りの枠は60人あり、5日前までの申請で問題ありません。ただし、3000m以上の登山経験があることを前提にしています。「富士山に登れたから次は玉山」という感覚ではお勧めできないです。日本アルプスの稜線で、一人で体温管理できるレベルが求められます。
申請時には、玉山主峰!であることを確認してください。玉山にはたくさんの峰があり、それぞれで申請が異なります。異なる申請では、主峰に登ることはできません。
Webにあってほしい情報
水場
登山道には水分を得られる箇所は2か所あります。
①登山を開始してすぐの登山服務中心
②排雲山荘
①では水と沸騰したお湯をもらえます。服務中心が閉まっていても、大丈夫です。外に給湯器のようなものがあります。②では、ぬるいお湯をもらえます。山荘のなかでお湯を貯めるタンクからもらいます。もしかしたらタンクにお湯を入れたばかりだと高温かもしれないです。
それ以外には飲めそうな水はありません。とくに夏場の高温下の登りでは、水分計画に気を付けてください。
登山道
大きく①3500mまでと、②3500mから頂上までに分かれます。全体としてしっかり整備されています。
①3500mまで
黒部の日電歩道のような、崖をくりぬいた個所があります。基本的には樹林帯か、山が風をさえぎるので、低体温を心配する必要はありません。高温下だと大変そうな印象があります。
②3500mから頂上まで
気温は低く、風も通り抜けやすく(特に最後の500m)、天気も変わりやすく、空気も薄く、足元はザレているか岩場です。人が集まる箇所なので、渋滞やすれ違い待ちも発生します。低体温や転倒に気を付ける必要があります。とくに天候不順の場合、変わりやすい状況をコントロールできる技術が求められます。
重い荷物は排雲山荘にデポできます。
YAMAPに地図があるので、ダウンロードすると便利です。
開山情報
実際に山に入れるかどうかも気にしてください。
台風や整備などで、登山が禁じられている可能性があります。開山情報はかならず「中文」のニュースを確認してください。日本語や英語では、情報がない可能性があります。私の場合は、日本語と英語では大丈夫でしたが、中文だと禁止情報が載っていて宿の人から「閉山中だよ」と言われました。
下記のアナウンスが正式なものです
天候
下記で玉山の天気を確認できます。
前泊地
排雲山荘に泊まる人は、阿里山が前泊地になると思います。割愛します。
日帰り登山の人は、東埔山荘がお勧めです。
宿泊予約はWebからできます。日本人ですと連絡欄に書いておけば、英語や日本語での案内もされます。通常はOnLineで支払うようですが、外国人なので当日に現金で払うように言われます。Lineでつながって日本語で会話してくれるなど、優しいです。宿の人は英語も通じます。
当日は15時半からしか中に入れませんが、宿の外に給湯器があるので、カップラーメンなどを食べて待つことができます。
登山日には荷物を置いて登山できます。事前に宿の人に言ってください。登山が終わったら、Lineで連絡すれば15時半より前でも荷物を受け取れます。
阿里山までの送迎タクシーも手配してくれます。2023年9月時点では、1200元でした。
シャワー(時間制限あり)やコンセントもあります。トイレットペーパーは持ち込んでください。携帯の電波は通じます。
登山計画
日帰りの人向けの情報です。
上に書いたように、下記に注意した準備をしてください。体力が十分であること、登山道に水分が乏しいこと。3500m以上の環境変化に対処できること。朝10時までに排雲山荘を通過できること。
登山開始時刻に気を付けてください。原則として日帰りで朝5時スタートと言われていますが、実際には多くの人は深夜1時すぎにスタートしているとのWeb情報があります。ヘッドライトさえあれば、深夜の登山道で怖い箇所はありません。深夜は気温が低いので、水分対策にもなりました。早い時間に登頂できると、ガスらない可能性も高くなります。
なお距離にして20kmほど歩くので、杖は持っていたほうが便利です。身体を安定できます。また稀に登山道の谷側が切れ落ちていて、しかし草がそれを覆い隠しているときがありました。杖で足を置いてはいけないところがわかって便利でした。私は阿里山のサービスセンターで竹の杖を買って、登山で使いました。
登山時の入り口で警察署に入山許可書を投函すること、登山中に入山許可書と入園許可書とパスポートを携帯すること、登山後にはWebで退園したことを登録することを忘れないでください。
終わりに
私が知りたかった情報は以上です。初の海外登山でしたが、なかなか面白い経験になりました。
次に登る人の参考になれば。
ここから下は、制限なしでは書けない情報になります。もし玉山を登山している最中に、書類がアレしていることに気づいたら見ると助けになるかもしれません。ならないかもしれません。計画的で準備万端の人は絶対に買わないでください。
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サポート金額よりも、サポートメッセージがありがたいんだと気づきました。 読んでいただいて、ありがとうございました。