10000字を超える誹謗中傷を行ったライターを名誉毀損で訴えた話
※この記事は、『鬼滅の刃』の最終話までのネタバレを含みます。
少し前に、私が出くわした事件についてお話します。
2020年11月7日、リアルサウンドブック様に寄稿した『鬼滅の刃』の記事が公開されたすぐ後、隼瀬茅渟(@tinu_hayase)というライター様より「トンチキだ」という旨の反論記事を頂きました。
こちらのトンチキ記事では、
ツイート画像をスクリーンショットし、(複製権侵害)
noteに無断転載した後、(公衆送信権侵害)
10000字を超え計27回に及ぶ誹謗中傷を行い、(名誉毀損、侮辱罪)
それを100円で販売する(特定商取引法違反、著作権侵害)
と、どこから突っ込んでいいのか分からない数え役満状態で、なおかつそれを業務用のメインアカウントで行うという詰みっぷり。
しかも隼瀬氏は11月8日のツイートで「ワイをブロックした後 怒涛の勢いで言い訳をしている」と主張しているのですが、その言い訳というのは隼瀬氏をブロックする前の11月7日の「専門外」発言の事。
発言の時系列が異なり、虚偽をもって人の信用を毀損し業務を妨害する偽計業務妨害のおまけ付きです。
私こと「井上郁」はライター用のサブアカウントであり、本体は別の場所で、比較文化・比較言語に携わる堅いお仕事をしております。
比較文化という事は当然ながら、日本の文化、日本語の語源にも精通しているという事でして、隼瀬氏は私がフォロワー様に謙遜して行った「専門外」発言を真に受けて、このような愚行に及んだのでしょう。
特に、一番最後の「100円で販売」が致命的でした。
11月9日にトンチキ記事を公開後、18日にも別の100円記事を更新している為、特定商取引法の「営利の意思をもって、反復継続して取引を行う」販売業者の定義に該当すると見られます。
noteが2014年にサービス開始した時に、サービス利用者の間で特商法表記について騒動が起きた事を知らなかったんでしょうか。
なお、隼瀬氏は販売者開示請求を拒否。
プロバイダであるnote株式会社への発信者情報開示請求も拒否した為、名誉毀損裁判を起こす手続きに入りました。
隼瀬氏の周辺も脇の甘い方が多く、
こちらの隼瀬氏の知人の編集者様も、大変言い難いのですが、
ネタバレに配慮して結論部分を全削除した記事に対し、
作中に見られる初歩的な神話のコードを見落とした挙句、
と畳みかけたのはとても良くなかったですし、口を挟むなら最低でも、引用部分である『山の人生』の冒頭が『山人考』の文末とリンクしている(炭焼きの男は鬼である)くらい、知っておいて欲しかったと思います。
ちなみに『鬼滅の刃』の神話のコードについては、こちらにネタバレ記事をご用意しましたので、後でご覧になって下さい。
どうせ次は何としてもこの記事をこき下ろそうとするのでしょうが、三重県の学芸員の方からの協力を得て執筆していますので、その点にご留意を願います。
記号論は論理学であり、ライターだろうが編集者だろうが、本職の小説家だろうが研究者だろうが、出来ない人は全く出来ない類のものです。
プログラミングのコードが読めない人と全く同じ理屈です。
お二人には読み書きの才能があるのでしょうが、コードの読み書きには別の習熟が必要ですから、そこを勘違いして一線を踏み越えてきた事に、率直に言って不快感を覚えます。
Twitterで話題になったはてな記事の「予言」のまんま。
『鬼滅の刃』のストーリーの根幹に関わる結論部分を削った事で、結論を書かなきゃ分からない人達が、私のもとに大挙して押しかけたというのが、今回の事件のあらましになります。
なお、お二人の発言は取り下げなくて結構ですので、隼瀬氏に対する訴訟をもって手打ちとしたいと思います。
【追記】
知人の編集者様にツイート引用の連絡を取った所、
こちらも事前連絡無しに名指しで批判された事を伝えると、
noteに貼った細かすぎての記事を、
記事の内容が著名な方に既に本に纏められている事を伝えると、
ご自分の発言に筋を通される気が無さそうでした。
私がブロックした後は案の定、「証拠保存」と称して削除した私のツイートを無断でアップし直し、立場を悪くされるご様子。
事前に連絡するのが一般的な常識では無かったのでしょうか。
また、こちらの編集者様からは、
というご忠告を頂きましたが、ネタバレが人に伝わるように書く努力とは何なのか、是非ともご教授頂きたく思います。
ネタバレに配慮し結論部分を全削除した事は本文に書きましたし、結論部分とは「炭治郎の鬼化」の事ですので、それを伝えるように書いていいのなら、どこのライター様でもそうしているでしょう。
後から書いたネタバレ記事を見せて、「神話のコードとはヒノカミ様が日の神、火の神とも受け取れる両義性の事です」という旨の内容を伝えても、ご自分の主張を曲げられる事が一切無かった為、あちらが多忙を切り出された所で話を打ち切り、Twitterでのやりとりを終えました。
前述の通り、発言は撤回されなくて結構です。
私がツイートを削除したのは、画像を無断でアップさせて「一般的な常識」を問う口実を得る為でしたし、それに引っかかって私に反論の余地を与えた事は、批判する側のネットリテラシーを問う記事を締めくくるにはぴったりだったと思います。
【追記の追記】
ライター様からもお返事を頂きましたので、回答しておきます。
名誉毀損に関わる裁判は2回起こす必要があり、1回目となる発信者情報開示請求の裁判の相手はプロバイダであるnote株式会社です。
この手続きを短縮しようというのが、2021年の通常国会で提出される予定のプロバイダ責任制限法改正案の中身であり、昨年12月には裁判所が開示の適否を判断・決定する非訟手続の創設が決定しています。
隼瀬氏のもとにnote株式会社から情報開示のメールが届いたのは、27回に及ぶ誹謗中傷を行ったトンチキ記事がnote運営に規約違反だと判断されたからであって、私の判断ではありませんし、メールが2回とも届いたのであればそれは失敗ではなく、note運営が法的解決に向けたこちらの主張を認め、積極的に動いてくれたという事です。
隼瀬氏が情報開示請求を拒否しなかったら、1回目の裁判は必要が無かった訳でして、そんなに訴えて欲しいのなら初めから拒否するなよというのが私からの異議申し立てになります。
ちなみに、裁判の手続きには年単位の時間がかかりますので、申し訳ないですがご自分の責任だと思って私にお付き合い下さい。