未来少年コナン インダストリア兵の当たらない銃撃が何回命中したか調べてみた
当たらない事に定評があるインダストリア兵の射撃能力。
天空の城ラピュタに登場する政府軍の銃の腕前もなかなかのポンコツですが、未来少年コナンのインダストリア兵は、全26話およそ752分(ラピュタの6倍)もの銃撃の機会を与えられながらむざむざと躱され続け、ついには世界征服の野望を阻止されるに至ります。
宮崎アニメにおいて敵が所持する銃は、主人公をピンチに追いやり、活躍を引き立てる為の小道具として使用されています。
銃弾が命中したら物語がそこで終わるのでめったに当たりませんし、当たってもせいぜい頬をかすめる程度で、薄皮1枚を持っていくのがやっと。
では実際どれくらい当たらないのか?
参考までに、射撃訓練を積んだプロであるニューヨーク市警の、ミドルレンジ(2.7~6.4m)からの対人・対動物の命中率はおよそ17%です。
ロングレンジだと10%以下になります。
なるほど、インダストリア兵がこれを上回る事が出来れば面目躍如といった所でしょうか。
何でもかんでも記録する癖を持つ私。
実は宮崎アニメの表現の研究の一環として、インダストリア兵による銃撃(ついでに砲撃)が命中した回数を数えた事があります。
今回はそれを記事に纏めました。
第1話 のこされ島
のこされ島に漂着した女の子・ラナを探しに、インダストリア行政局のモンスリーとその部下のクズゥが、コナンの住む家にやってきます。
ロケットランチャーを持ち出して追い返すコナンのおじいに、クズゥが振り向きざまに機関銃を乱射し、ランチャーの砲身にヒット(1/1回)。
なんと第1話にして見事命中しましたが、至近距離であれだけ撃ってむしろ体に命中させられなかった事を凄いと言うべきか。
これが原因でランチャーの中の砲弾が腔発し、おじいは落命します。
第2話 旅立ち
ラナを連れ去る飛行艇ファルコの左翼を銛で突き壊そうとしたコナンに向かって、モンスリーが銃眼越しに発砲。
ラナが横から制止し、銃弾は上へと逸れます(1/2回)。
モンスリーに続いて飛行艇のパイロット・ドゥケが操縦席から発砲。
弾はコナンの体の左30cm横を通り過ぎ、コナンが投げた銛で逆に拳銃を弾き飛ばされ、2射目を撃てませんでした(1/3回)。
銃撃は当たらないのに投銛は当たる、あるよねー。
第5話 インダストリア
機帆船バラグーダ号に拾われ、ラナを追いかけてインダストリアに乗り込んだコナンに対し、身柄の引き渡しを命じたインダストリア兵2人が30m後方から追撃。
トロッコに飛び乗るコナンの足もとを数発チュインチュインし、緊迫感を煽るだけでした(1/4回)。
ジムシィは船上からコナンに銛を投げ渡したのに…。
トロッコに乗ってインダストリア内のプラスチック工場に忍び込んだコナンを、武装した工場の職員が取り囲んで銃撃しますが、閉まる直前の防護扉の下に間一髪で飛び込み、難を逃れます(1/5回)。
扉の先に逃げ込んだのも束の間、すぐに駆け付けた追手が、食堂に続く通気窓から逃げるコナンに向かって機関銃を5秒間乱射、狭い空洞の中で銃弾が10数度も体をかすめるも、1度も当たりません(1/6回)。
ちなみにインダストリア編ではこれが最大の機会でした。
ここは前半の山場なので詳しく見てみましょう。
空洞の出入口の高さはコナンの身長とほぼ同じ(およそ150cm)で、映像を見る限り3分の1ほど(50cm)は土砂で埋まっており、横幅は高さの半分以下(70cm)です。
空洞内の長さはおよそ10mあり、中は多少広くなっている(最大で200cm×100cm)とは言え、出入口の片側から機関銃をぶっ放せば、99%は仕留められそうな狭い空間です。
兵士ではない一般局員とは言え、普通は壁に跳ね返った弾くらいは命中させられるんじゃないかと思いますが、ここで1発でも当てておけば、レプカ様の野望が阻止される事も無かったのではないでしょうか。
第6話 ダイスの反乱
三角塔の最上階に監禁されているラナを、塔の外壁をよじ登って救出しにきたコナンでしたが、ラナの部屋を見回りに来たクズゥと鉢合わせ。
クズゥは外の様子を怪しみ、窓を開けてコナンに威嚇射撃を行います。
銃弾はコナンが隠れる窓の上縁をハチの巣にしますが、ラナが機関銃に組みかかって弾倉を取り上げ、結局当たらず(1/7回)。
第7話 追跡
インダストリア行政局長のレプカにコナンは捕らわれますが、その隙にバラグーダ号の船長・ダイスがラナを奪って逃走。
出港しようとする船に向かって局員総出で発砲するも拳銃では届かず、まんまと逃げおおせます(1/8回)。
第8話 逃亡
バラグーダ号を追ってきたインダストリアの軍艦ガンボートが、威嚇目的で数回砲撃(外す意図が明らかであるため回数にカウントしません)。
バラクーダから作業船を発艦させ逃亡するラナとコナンを、今度は撃沈目的で20回以上も砲撃、そのうち1発が命中し船は沈没します(2/9回)。
命中率で言えば5%以下ですが当たりは当たり。
2人はインダストリア近くの砂漠に流れ着き、ラナは人生2度目の漂着です。
第11話 脱出
砂漠のサルベージ船でラオ博士と合流し、フライングマシンで脱出を図った所に、モンスリーが搭乗する飛空艇ファルコと遭遇。
クズゥが空挺用機関銃でフライングマシンの動力エンジンを狙います。
「確かに何発か当たっているのに、平気で動いてるわ!」
えっ当たってたの?
命中したか定かではないので次のシーンを確認しましょう。
さらに近付いて2度目の攻撃、今度は命中しているのがはっきりと確認できました(3/10回)。
生身には当てられないのに乗り物にはガンガン当ててくる。
これぞインダストリア兵の実力!
天井のハッチからファルコの左翼に飛び乗り銛を突き刺したコナンに、モンスリーが機関銃で応戦。
野生児の運動神経を前にあっさり躱されます(3/11回)。
モンスリーに続いてクズゥが下から追撃。
これまたコナンに避けられた上に、銃弾が飛空艇の翼を貫通し折れて炎上してしまいます(3/12回)。
「殺してやる!」と逆上したモンスリーが鬼の形相で乱射。
全弾なぜかコナンの足もとに集まると、コナンは足踏みで楽々と躱してフライングマシンのハッチに戻り、「そんな馬鹿な!」と言い残してモンスリーらは砂漠に墜落します(3/13回)。
馬鹿なじゃねーよ体を狙えよ。
ラオ博士の一行はインダストリアに一旦戻ってフライングマシンの修理に取り掛かり、その間にコナンはジムシィとバラクーダ号の乗員を救出します。
インダストリア兵と銃撃戦になりますが、ロボノイドで破壊した牢屋の壁を盾にしてやりすごします(3/14回)。
この間に使用された弾数は不明ですが全て1回としてカウント、1発も当たらなかった事は確かです。
第12話 コアブロック
フライングマシンの修理に使う集積回路を取りに来たラオ博士を、武装した行政局員が取り囲み、ライフル銃で後ろから狙撃。
博士は転倒しながらも回避しますが、結局捕まります(3/15回)。
博士に当たってたら太陽エネルギーの在処を聞き出せなくなるんじゃなかったの?
ロープで捕縛され上層階に引き上げられるラオ博士を、修理したフライングマシンで救出に向かうコナン達。
「撃て!撃ち落とせ!」とレプカの号令で斉射を行いますが、当たらない上にそもそも空挺用機関銃にも耐えた装甲ですけど(3/16回)。
ロープを切って博士を救出しますが、上層階の穴から機関銃の攻撃が。
博士をハッチに乗せて辛くも退避すると、下に居たレプカら行政局員の集団に銃弾の雨が降り注ぎます(3/17回)。
この状況でも誰1人被弾しないのおかしくない?
第13話 ハイハーバー
ハイハーバーの爆薬製造おじさん・ガルが、戻ったバラクーダ号を敵だと勘違いし、ダイス船長の帽子を散弾銃でハチの巣に(インダストリア兵ではないのでノーカウント)。
どこの国でも銃弾は人に当たらない模様です。
第17話 戦闘
ハイハーバーを占領しに来たインダストリア軍を、オーロ率いる島の不良少年が馬に乗って迎え撃ちますが、モンスリーの合図で軍艦から集中砲火。
直撃こそ免れているものの、爆風で地面ごと吹き飛ばされ少年らは散り散りに、なんと全弾命中です(4/18回)!
逃げるオーロの妹・テラも、上陸したインダストリア兵に今回初登場のロケット砲で追撃され、あえなく落馬します(5/19回)。
銃撃は当たらずとも砲撃なら当たる模様。
近くで様子を見ていたコナンとジムシィがテラを救出し離脱。
崖を駆け上がる2人に機関銃が浴びせられますが、銃撃なので当たりません(5/20回)。
崖の上にダイス船長の姿を確認すると、再びロケット砲に持ち替え攻撃。
ダイスはロボノイドで岩を放り投げ砲弾を撃ち落とし、爆風で怯んだ隙に「あばよ!」と逃走します(5/21回)。
捕らわれの身となったオーロと密かに通じたインダストリア軍は、夜明けを待ってオーロ達を解放、峠の防衛ラインを挟んで銃撃戦になります(陽動作戦であるためカウントしません)。
陽動作戦を見破り、ガルおじさんと共に浜辺から上陸してくる敵に備えて舟を出したコナンでしたが、その行動も筒抜けで、軍艦からの砲撃を受け舟を沈められてしまいます(6/22回)。
やはり砲撃による命中率は高い…!
ハイハーバーの村はその間に、開放されたオーロ達によって制圧されます。
コナンの危機を感じ取り外へと駆け出したラナが、威嚇砲撃に巻き込まれて意識を失い(これもノーカウントとします)、浜から侵攻したインダストリア軍が倒れているラナを発見。
そこへ危機を脱していたコナンが駆け付け、ラナを囲んでいた兵士を投銛で追い払った所で次回へ続く。
銃撃より精度の高い投銛、安定です。
第18話 ガンボート
正面から突撃してくるコナンに、インダストリア兵3人で斉射、コナンがジャンプ一番で回避するまでのおよそ2秒間の銃撃の機会を、全弾外します(6/23回)。
まんまと接近を許した上に、白兵戦でも野生児のパワーにぼこぼこにされてラナを取り返され、のっけから踏んだり蹴ったり。
ラナを抱えてこの場から離れ、後続が第2撃を放った頃には、既に10m以上の距離が開いていました(6/24回)。
追うインダストリア兵、前回活躍したロケット砲で追撃を試みます。
なんとこれが見事にヒット、地面に突き刺さった弾が2人を巻き込んで吹き飛ばし、着地を決めたコナンの頭に落石が当たって足を止める事に成功します(7/25回)。
ラナは気絶したコナンを麦畑の砲撃痕の中に埋めて隠し、自分が囮になってコナンを救うのでした。
その夜に目覚めたコナンは、村の裏切り者・オーロに投銛で警告。
「オーロ! 今の銛は、わざと外したんだ! 村の人に何かしたら、僕の銛は、どこまでもお前を追いかけていくからな!」
これまでの投銛の精度からいって何という説得力でしょうか、警告を発したコナンに合計13秒間の銃撃が浴びせられましたが、もちろん1発も当たりません(7/26回)。
海に飛び込んで逃げるコナンに、モンスリーは無線でガンボートでの警戒を指示、ついに野生児1人に軍艦一隻が出動します。
ラナがガンボート内に捕らえられている事を知ったコナンは、座礁したバラクーダ号のマストから艦内に飛び乗り侵入。
警戒に当たっていたインダストリア兵がこれを見つけ、拳銃で応戦するも躱されます(7/27回)。
甲板の上で大捕物を繰り広げるコナンに、2mの距離から機関銃を発砲。
第1話から通算して512分45秒、ついにやりました!
インダストリア兵の銃撃がコナンの左肩に命中します(8/28回)!
えっ…左肩?
コナンに対して右側面から撃ってるのに?
つまり撃った弾は当たらず跳弾が当たったって事?
嘘でしょ…?
こんだけ至近距離から撃っといて。
モンスリーの指示で射殺はせず、生け捕りにして暴行を加えた後、親切にもラナの隣の部屋に押し込めるインダストリア兵の皆さん。
ほんま慈悲深い皆様やでえ。
ちなみにこの判断が誤りであった事を、5分20秒後に思い知らされます。
コナンがガルおじさんから託され事前に仕掛けておいた爆弾が爆発し、ガンボートは沈没、コナンを射殺しなかった失敗の代償を、軍艦一隻と引き換えに支払うのでした。
沈みゆく艦からラナを救出し、2人はガルのもとへ帰還します。
第19話 大津波
庭園でくつろぎながら過去を思い出していたモンスリー。
警戒を解いていた所に現れたコナンと会話した後、「でも、手加減はしないわ」と拳銃を至近距離から8回発砲、全て躱されます(8/29回)。
インダストリア軍が沈められたガンボートの代わりに使うバラクーダ号の修理に当たっていた所、ラナが海の異変を察知し、浜辺に集められた村の人々に伝えようと走ります。
そこにコナンの居場所を聞き出そうとオーロ達3人がやってきて道を塞ぎますが、ダイス船長の働きで窮地を脱し、3人組は拳銃を発砲しながら追走(インダストリア兵ではないのでカウントしません)。
その頃、ガルと共にバラクーダ号を破壊すべく既に船内に居たコナンは、「海を見て」とテレパシーで伝えてきたラナの声を聞き、一目散にマストに上ります。
コナンを発見したインダストリア兵が申し訳程度にライフルを1発(8/30回)、しかし眼前には大津波が迫っていたのでした。
マストの上から津波の到来を知らせるコナンに対し、浜に集められていた兵が一斉に発砲、弾丸が髪の毛に2度ほどかすりますが無傷です(8/31回)。
モンスリーがこれを制止し、コナンとの対話に応じます。
コナンは高台への避難を指示、軍も村人も入り混じって浜辺から逃げ出しますが、そこにラナとダイス船長を追うオーロ達が(どうせノーカンなので数えません)。
津波は浜辺一帯を飲み込み、頼みの綱だったバラクーダ号も丘の上へ、帰りの船を失ったこの事態に、インダストリア軍は降伏を宣言します。
第20話 再びインダストリアへ
津波の原因をインダストリアで起こった地震だと踏んだコナンは、ラナ、ジムシィ、モンスリー、ダイスを連れ、ラオ博士の残した飛行艇でインダストリアの様子を見に行きます。
ラナ達3人が先に陸に降りた所で巡回中のファルコに見つかり、航空機銃の攻撃を受けますが、無防備で立っている的にも当てられず(8/32回)。
モンスリーがコナンを乗せ飛行艇を再発進させると、ファルコもそれを追尾してきて機体右部に被弾、炎上して墜落します(9/33回)。
人には当たらずとも機体には当ててくる法則が発動しました。
第21話 地下の住民たち
コナン達とはぐれたラナ、ジムシィ、ダイスの3人は、先に地下通路からインダストリア内部へ潜入。
警戒中だった行政局員が発見し、トロッコに乗って逃走する3人に銃撃を浴びせますが、弾丸より逃げる足の方が速かった(9/34回)。
一方、三角塔で捕らわれの身となっていたコナンは、レプカを裏切ったモンスリーに解放され共にラオ博士の救出に向かいます。
しかし脱出の際、モンスリーが背後から拳銃で撃たれ負傷(10/35回)。
今度こそ初めてちゃんと命中しました!
なんと背中からの出血も確認、劇中で血が流れるのも初です。
「インダストリアの弾も、当たる事があるのね…ッ。」
自虐的発言わろた。
かすれ声で精一杯に絞り出したモンスリーさんのこの台詞、未来少年コナンにおいて1番の名言かも知れません。
負傷したモンスリーを置いて塔の窓から逃げるコナンに、追手が上から拳銃と機関銃を斉射(10/36回)。
主人公補正で全弾回避した所で次回へと続きます。
第22話 救出
追手が塔から脱出したコナンを追い詰めると、第6話では使用されなかった三角塔のレーザー砲がその全貌を表し、発射されます。
初見殺しとも思えるこの攻撃でしたが、そこは数々の危機を脱してきた野生児コナン、なんとレーザー光線を目視で回避(10/37回)。
続けざまに反対側からも照射されますが、その場でジャンプして左右2方向からの攻撃を同時に避けます(10/38回)。
ニュータイプなの?
そりゃ実弾なんて当たりませんわ…。
ラナが地下の住民と接触した事を知ったレプカは、地下通路を爆破し住民を水攻めにしてラナをおびき出します。
地下の住民の安全と引き換えに捕らえられたラナでしたが、レプカはその約束を守らず、階段にごったがえす人々に機関銃を浴びせます(命中したかどうかの描写が無いため除外します)。
レプカの地下の水攻めを盗み聞きしたコナンは下層へと進み、住民の協力を得てジムシィとダイスと合流。
3人は水没した地下通路を潜水で渡り地上に出て、処刑されようとしていたモンスリーを救出すると、地下のシャッターを開けて住民を解放します。
暴徒と化した住民に対し、機関銃を手にした行政局員が沈めようとしますが止まりません、と言うか当たってません(10/39回)。
いや、当たってるのかも知れないけど効いてる様子がありませんから、BB弾でも撃ってたんでしょう。
第23話 太陽塔
三角塔に捕らえられたラナを救うべく塔をよじ登ってくるコナンに、前回に続きレーザー砲を照射。
コナンは砲台に張り付いて落ちた振りをし、行政局員が下の様子を見ている間に三角塔内部に侵入します(10/40回)。
レプカはラナを人質に取り、屋上からフライングマシンに乗って逃走しますが、コナンは塔内の支柱をもぎ取って投げつけこれを撃墜、墜落する機体からラナを救出します。
えーと確かこのマシンって、空挺用機関銃にも耐えた装甲でしたよね?
いや、支柱をもぎ取る所からおかしいのか、それとも柱を投げて撃墜する精度がおかしいのか。
第24話 ギガント
墜落したフライングマシンから逃げ延びていたレプカ。
ラオ博士は地殻変動で沈みゆくインダストリアから住民を避難させるため、太陽エネルギーシステムを復活させますが、レプカは密かにこれを奪還しようと企み、地下格納庫に眠っていた巨大爆撃機・ギガントに太陽塔から盗み取ったエネルギーを注入します。
行政局員の1人がレプカに異論を唱えますが、レプカは無言で射殺(撃った相手が敵ではないため命中回数に含みません)。
太陽塔のコントロール室を制圧したレプカは、塔に出入りする者を全て射殺するよう指示、塔内に残っていたモンスリーとラナをレプカの残党が発見し、機関銃で後ろから不意打ちします。
弾丸が振り返ったラナの髪をかすめますが、すんでの所で通路の角に逃げ込みます(10/41回)。
ラナ達は緊急用シューターを使ってこの場から脱出。
追ってきた局員がシューターの中をめがけて乱射しますが、狭い空間でも当たらないのは証明済みでしたね(10/42回)。
ラナ達から急報を受けたインダストリアの住民と、レプカの残党が銃撃戦を繰り広げます(10/43回)。
第11話と同様に全て1回としてカウント。
エネルギーの注入が終わり、ついに大空へ飛び立ったギガントとレプカ。
世界征服のデモンストレーションとばかりに、用済みとなった太陽塔を巨大レーザー砲で吹き飛ばし、その威力を見せつけます(11/44回)。
ラピュタでも見た事あるぞ…この世界の為政者は力を手にしたら、試し撃ちがしたくなるのでしょうか。
この間にコナン達と共にファルコに乗ってギガントを追いかけていたモンスリーが攻撃をしかけますが、ギガントも100個あるという航空機銃で応戦。
インダストリアのNo.2にしてスーパーエリート兵であるモンスリーさん、アクロバット飛行を披露して全弾回避し、ギガントに機体を突っ込ませて銃塔の1つを破壊、そこから内部への侵入を試みます(11/45回)。
第25話 インダストリアの最期
ギガント内部の警備が固く、一旦外に出て翼上を走って操縦室へと接近するコナンでしたが、ギガント自慢の航空機銃が四方から取り囲んで掃射。
第22話でニュータイプに覚醒したコナンに実弾が今さら当たる訳もなく、緊迫感を煽った後に攻撃が止みます(11/46回)。
続けて第2射が飛んできますが、巨大な垂直尾翼の陰に隠れてこれを回避、左翼の砲塔を乗っ取ったダイスとジムシィの援護射撃で尾翼左部に穴を開けます(11/47回)。
見かねたレプカが自ら機銃を操作し、乗っ取られた左翼の砲塔へ集中砲火を浴びせますが当たってる様子はない上に、反撃に出たダイスはたった1発でレプカを撃退(11/48回)。
精神コマンドで命中補正でもかかっていたのでしょうか。
怒り心頭のレプカ、今度は機体に格納されていた大砲の操作室へと走り、ダイス達の居る砲塔めがけて発射、見事に破壊します(12/49回)。
ダイスとジムシィの窮地に、尾翼の陰に隠れていたコナンが砲台の窓に張り付いて次の発射を妨害。
レプカは砲台を左右に激しく動かしてコナンを振り落とそうとしますが、横に居た砲台の操作員がバランスを崩して、誤ってギガント向けて大砲を放ってしまい機体の一部が炎上(これはノーカウント)。
鎮火作業で砲撃が止んだの見計らって、コナン達3人は尾翼に開いた穴から再びギガント内部へと侵入します。
機体後尾の機関部へ潜り込んだ3人は、ギガントのメインエンジンを破壊、レプカはすぐさまエンジンを切り離しますが、今度はコナンが単独で燃料コントロール室をめちゃくちゃに。
局員がそこに駆け付け銃をぶっ放すも、すぐに扉を閉めて破壊を続けます(12/50回)。
ジムシィとダイスは尾翼砲台に上り、機体へ向けて砲撃を開始。
ギガントは激しく炎上し墜落し始めますが、レプカは尾翼を切り離し、ジムシィ達2人は砲台に取り残されたまま海へと落下していきます。
コナンはレプカを追いかけて機首の脱出ポッドへと向かいますが、取っ組み合いの末にレプカはポッドから炎上する機体に転落、海底に沈みゆくギガントと運命を共にしました。
以上が、未来少年コナンの銃撃および砲撃シーンです。
それでは集計に移りましょう。
集計結果
こちらがインダストリア兵による銃撃・砲撃シーンの回数を集計したものになります。
途中でシーンが切り替わり、使用された武器や弾数が定かではない箇所もありますので、攻撃機会が与えられたシーンを1回と数え、それを基に命中した回数を出しています。
銃撃・砲撃を合わせた攻撃回数は合計で50回。
そのうち12回が命中しています。
命中率は24.0%、ニューヨーク市警がおよそ17%だったので、インダストリア兵の射撃能力は優秀かのように思えますが、このデータにはやたらよく当たっていた砲撃の回数を含むため、銃撃と切り分けて見てみましょう。
銃撃シーンの内訳です。
命中回数は5/39回、命中率は12.8%と一気に下がりました。
このうち、フライングマシンへの攻撃が1/2回、飛行艇が1/1回、ファルコが0/1回と、乗り物への攻撃がそれぞれ含まれますので、対人に絞った命中回数は3/35回、命中率は8.6%となります。
ニューヨーク市警のおよそ半分!
銃撃による負傷者は、第1話のおじい、18話のコナン、21話のモンスリーの3人で、24話の射殺された行政局員はこれに含みません。
正確にはおじいの負傷はロケットランチャーの砲身内の腔発によるもので、クズゥの撃った弾は命中していないのですが、直接の原因にはなっているので良しとしましょう。
インダストリア兵さんはむしろ、野生児コナンを相手によく戦いました…。
レーザー光線を目視で避けるような相手ではなかったら、もう少し命中率は上がっていたかも知れません。
続いて砲撃シーンの内訳です。
レーザー砲を含む命中回数は7/11回、命中率は63.7%です。
このうち実弾の命中回数が6/7回(85.7%)で、レーザー光線の命中回数が1/4回(25.0%)となっています。
といってもレーザー砲が当たったのはギガントのデモンストレーション時だけで、コナンに撃ったのは全て躱されてますけどね。
恐るべきはインダストリア兵の砲撃命中率の高さ、第17話でダイス船長がランチャーの弾をロボノイドで岩を投げて撃ち落とした以外は、なんと全て命中しています!
インダストリア軍は当たらない銃の代わりに、ロケット砲を装備した方がいいんじゃないでしょうか。
所感・考察
未来少年コナンでは、インダストリアを機械文明の象徴(industry=工業)とし、第25話では人々が機械を捨て、自然や大地と共に暮らす事を選択する、反戦主義の宮崎駿監督の強いメッセージが描かれています。
インダストリアの射撃能力について纏めた感想としては、「そもそも宮崎監督は戦争で人を殺す気が無いのではないか」という事です。
未来少年コナンの劇中での戦闘行為による戦死者は、第24話の行政局員を除けば、第1話のおじいと、25話のレプカとギガントの乗組員だけです。
そのレプカですら、コナンは手を差し伸べて助けようとしています。
第22話では暴動を起こした地下の住民が至近距離から明らかに銃弾を受けていたのに、倒れた人が誰も居ません。
あれだけの人数を相手に銃弾を外したとも思えません。
それゆえに、当たらない銃弾が当たるのには必ず意味があり、いずれも主人公の絶体絶命の状況を作り、後に逆転する時に限られます。
レプカのご先祖様・天空の城ラピュタのムスカも、シータのお下げを正確に撃ち抜く射撃技術を持っていました。
つまり当てようと思えば当てられるのに、ヒロインを追い込む小道具としてしか使用していない、射殺する意図がこれらの描写にはありません。
裏を返せば、登場するキャラクターを殺傷する意図がなく、なおかつ生命を脅かすほどのピンチに追いやる際に使用される武器として銃はぴったりだという事で、未来少年コナンではその役をモンスリーが担った訳です。
この記事の最後は、モンスリーさんの名言で締めましょう。
「インダストリアの弾も、当たる事があるのね…ッ。」
ありました!!
終わり