【後編/地域リーダーへのインタビュー⑤】にいがたイナカレッジ:井上有紀さん ~楽しむ力・話を聞く力が人を惹きつける~
【後編】
7.地域の課題解決に興味を持つ学生に向けてのアドバイス
――地域の課題や問題に興味を持つ学生に対して、アドバイスがあれば教えてください。
井上さん:
まず、地域に興味を持っているだけで素晴らしいです。
地域はいろいろなテーマの課題が絡まりあっている。逆に言うと、横断的にいろいろなテーマのことに関われる。だから興味が多い人や社会の仕組みを知りたいと思う人には、一つの地域を突き詰めるだけでもいろいろなことが分かると思います。
アドバイスとしては、一人で動き出すことを大事にすることですね。
にいがたイナカレッジのプログラムも、基本は自分で手を挙げて一人で応募してもらうものが多い。自分が興味を持って一人で行ったという経験が大事だし、地域側も一人で手を挙げてきてくれたということがすごくうれしい。大きな一歩なので、一人で行けるということは大事にしてほしいです。
あとは、自分なりの言語化の癖をつけてほしいと思っています。
授業で聞いた話だけでなく、地域に行ってみたときに違和感を覚えたこと、いいなと思ったことを言語化しておくと振り返りができ、コミュニケーションが深くとれるようになる。学生時代に癖づけておくといいと思います。
8.インタビューを通して考えた理想の地域リーダーとは
井上さんとのインタビューを通して、私は「人の話をよく聞ける人」だと考えました。
人の話をよく聞くことで様々な価値観を身に着けることができ、その話の要点をまとめることができれば人々の需要が分かる。需要が分かることは、解決すべき課題を見つけることにつながります。
また、自分の話を理解してくれる人に、人は惹きつけられると考えられます。相手の話をよく聞き、相手の言いたいことを理解することができれば、人を率いることができると思い、リーダーに必要な力はこれなのではないかと考えました。
9.インタビュアーをしてみての気づき
今回のインタビューから、インタビューをする際の質問の順番でも引き出すことのできる話が違うこと、相手の一貫した考えを見つけ出してそれに沿った質問をすることの大切さ、自分で言葉をまとめすぎずに要点を抜き出すことの難しさに気づくことができました。
相手には一貫した考えがあるため、質問をしていく中でも回答の中に共通した考え方を見出すことができ、最初の質問の要素が最後の質問に共通していることもあります。そういったときに、もっと質問の順番を答えによって変化させたり、内容を少し変えたりすることができれば、より引き出せたお話もあったのではないかと思います。
また、自分の言葉でまとめすぎてしまうと、本来お相手の伝えたかった言葉を違う意味で広めてしまうかもしれないので、逐一インタビュー内容を見返し、思い込みのままにまとめてしまわないように努力しました。
10.今後の自分に生かしたいこと
井上さんのお話から、一つの価値軸にとらわれず多様な価値観に触れることの大切さ、言語化の大切さを学ぶことができました。
私は将来のことについてまだ具体的に決めることができてはいませんが、その時期だからこそ多様な価値観に触れ、考えを狭い範囲で固定させないように注意したい、また、言語化を通して経験を自分のものにしたり、自己分析に生かしたりして、就職に役立てていきたいと思っています。
また、インタビューの経験を通して、話を聞き、質問をして話をどんどん深めていくことで新たな発見があることに気づくことができたので、これから経験する研究や発表の際にも、疑問点を掘り進めていくことを意識していきたいです。
■編集・執筆:齋藤 可奈【2年(掲載時)】
■インタビュー:齋藤 可奈、遠山 颯土【3年(掲載時)】
(2名とも新潟大学経済科学部地域リーダープログラム所属)
(記事の前編・中編はこちら!)
【前編】
1.今までの活動を通して実感したこと
2.自分を動かす原動力
3.就職する決断のきっかけ
【中編】
4.経験から得られた考え方
5.学生が持つ力とは
6.井上さんが考える地域リーダーとは
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