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トビラプロジェクトの活動を通して~人との関わりの大切さ~

今回は新潟大学経済科学部地域リーダープログラム2年の日山実優さんに学生生活の中で行っている活動についてインタビューを行いました。インタビューを行う中で、授業以外に行っている活動や学外での活動を通して学んだことを知ることができました。

人物紹介:日山実優さん  
新潟大学経済科学部地域リーダープログラム2年生(掲載当時)

新潟県長岡市出身の日山さんは、地元である新潟大学に入学し、1年生のころから行っていたダブルホームの活動が楽しくてもっと地域とかかわるような活動がしたい、と地域リーダープログラムを希望したそう。ダブルホームやトビラプロジェクトなど様々な活動に積極的に取り組んでいます。

※ダブルホームとは…
ダブルホームとは、地域や仲間の思いを大切にしながら、正解のない地域課題に学生・教員・職員によるチームで取り組む新潟大学のプログラムです。学生が自分の専門分野を越えて地域プロジェクトに取り組んでいます。

 
今回の記事では日山さんが行っている「トビラプロジェクト」の活動についてインタビューしました。
 
「トビラプロジェクト」とは…
地域の団体と関わりあいながら、地域と学生でともに取り組むプロジェクトのことです。このプロジェクトは2019年にスタートし、学生たちの地域での活動は多岐にわたります。

 

トビラプロジェクト中之口エリア学生メンバー (学年は掲載当時)
左から
・川上円さん(国際情報大学3年生)
・松村萌音さん(新潟大学経済科学部3年生)
・山田竜太朗さん(新潟大学経済科学部2年生)
・日山実優さん(新潟大学経済科学部2年生)

〇日山さんのトビラプロジェクトでの活動①(佐潟での朝市)
:まず、このプロジェクトを始めたきっかけってなんですか。
 
日山実優さん(以下日山さん):そもそも知ったのが、ダブルホーム経由でこの存在を知りました。各地域で活動しているって書いてあって、去年の事例も見たら楽しそうだと感じて興味を持ちました。もともとダブルホームやっていて、それが楽しいから、地域で活動するものを何かしたいと考えていたので始めました。
 
:なるほど。そうなのですね。
 
日山さん:トビラプロジェクトの中でも4つぐらい活動しているフィールドがあって、古町や亀田などもありました。私はその中で中之口地域を選びました。
 
 
「トビラプロジェクト通い型2024」は以下の4つがあったそうです。
1.【中之口地域/YAKKOTE】地域密着型マルシェ
2.【小須戸地域/町屋ラボ】歴史ある町屋でアートを活かす
3.【しもまち地域/古町セッション】五軒長屋を活かしたシェアハウスづくり
4.【亀田地域/タウンウォークかめだ】若者視点のアーカイブプロジェクト
 
 
:中之口地域を選んだ理由は何ですか?
 
日山さん:紹介されているところにマルシェの運営や企画とかで、西蒲区を盛り上げる活動していると書いてあって、1番楽しそうだと感じたからです。あまり深くは考えずに決めちゃいました。

:具体的にはどのような活動をしていますか?
 
日山さん:YAKKOTE(やっこて)さんという西蒲区中之口を拠点に活動している団体の皆さんと一緒に活動しています。この時期には佐潟での朝市を開催のお手伝いをしています。佐潟がラムサール条約に登録されて、新潟市を挙げて、これから活動していくそうです。その最初の取りかかりとして、まず朝市をやっています。地元であるこの辺の地域で作られている野菜売ったり、近くのパン屋さんである「ナミナテ」さんのパンとかを売ったりしています。佐潟での朝市をやることで地元が盛り上がる1つのきっかけになればいいな。
 
※YAKKOTE(やっこて)さんとは…
「やっこて」の由来
→方言で「やるでしょ」という意味
「やりたい人が、やりたいときに、やりたい人たちと、やりたいことを」をモットーとして、中之口地域を中心にメンバー発意の様々な企画を実現するため活動している団体。世代間交流や地域への誇りを醸成させるべく、分野は定めずに様々な活動を行っています。
詳細はホームページをご覧ください↓

 
今回、私は2024年11月16日の土曜日に行われた佐潟での朝市に実際にお邪魔してきました。そこでは朝7時にもかかわらず、子どもから高齢の方まで多くの人で賑わっていました。佐潟に集まる白鳥を見ながら地元だからこそ出店している人ともお話しでき、朝から充実した時間を過ごすことができる空間だと感じました。

実際の佐潟の朝市の様子です。 地元の野菜などはすぐに完売していました!
里芋の販売を手伝う日山実優さん(写真左)

私もそこで売られている地元のさつまいもを使用した焼き芋を食べましたが、とても甘くて美味しかったです。出店している方ともお話しし、交流することもできました。

実際に売られていた焼き芋

〇日山さんのとびらプロジェクトの活動②(にしかんマルシェ)
:佐潟の朝市以外にもなにか活動を行っていますか?
 
日山さん:10月5日には新潟市岩室観光施設、「いわむろや」で「にしかんマルシェ」というイベントをYAKKOTE(やっこて)さんが運営していて、そこで同じトビラプロジェクトの学生4人で一から企画、運営して出店しました。
 
 
※「にしかんマルシェ」とは…
新潟市西蒲区を巡回しながら、開催地や西蒲エリアの魅力や情報を発信するローカルマルシェのこと。2024年10月5日は4回目の開催だったそうです。

 
 
:どんなものを出店しましたか?
 
日山さん:ちょうどハロウィンの時期だったので、ハロウィンにちなんだものを出店したいと思い、子どもが楽しめるような工作ブースを出店しました。工作の種類や難易度などを工夫しながら買い出しから全て学生だけで準備しました。
 
実際にはトイレットペーパーの芯を活用した動くおもちゃを作ったそうです。工作のほかにもお菓子の詰め合わせも用意して、ハロウィン感を出したと言います。

子どもに工作を教える日山実優さん

:1番大変だったことは何ですか?
 
日山さん:1番は準備時間が短かったことです。学生4人のスケジュールが合わなくて、1ヶ月ないくらいの期間で準備を行いました。
あとは、お客さんの対象が分からなかったので工作の難易度を決めるのが大変でした。実際に出店してみたら、私たちが想定していたよりも小さい年代で、幼稚園から小学校低学年の年齢層がメインでした。だから親と一緒にやるとか、難易度をもう少し下げるとかの工夫が必要だったなと思いました。
 
 
〇このプロジェクトの活動を通して
:これからの活動について聞きたいと思います。この活動は1年で終わるのですか?
 
日山さん:最終報告会が1月にあって、トビラプロジェクトのメンバーとしては、1月で終わりです。でも、これからも朝市やマルシェとかはあるし、その手伝いをしながら個人的には関わる感じかな。最終報告会で、私たちの方針としては、これから話し合って、西蒲区を舞台に何ができるか、どんな活動をしていくのか、という話をする予定です。今はまだ全然決まっていませんが、1月までにその方向性を固めて、4人で新しいプロジェクトを始める予定です。
 
:なるほど。トビラプロジェクトに入って良かったことってありますか?
 
日山さん:地域を盛り上げたいという熱量をすごく持っている人たちにいっぱい出会ったことです。ダブルホームでもそうだけど、盛り上げていきたいという気持ちの人たちと関わりや繋がりも広がったからそれはすごく良かったですね。
 
:周りの環境や関わる人って大事ですよね。

日山さん:そうですね。地域でのイベントは楽しいけど、その分難しいこととかも多くて。自分たちで企画するっていうのは難しいと感じました。1からの企画や運営っていうのが大変だけど、その分楽しかったですね。
 
:なるほど。やっぱりイベントとかを開催すると何もないより盛り上がりますよね。
 
日山さん:そうですね。地域の人同士の関わりも作れるし、今回も朝市に出店してくれた地元の農家さんとかかわることができて繋がりも作ることができました。
 
:人との関わりができることってすごく素敵ですよね。最後に活動を通して学んだことや変わったことはありますか?
 
日山さん:今は人口が少なくなってくのはしょうがないことで、もう決まっていることだから、いかに少ない人数で地域を盛り上げるかということが大切だということです。
 
:なるほど。
 
日山さん:人口減少していく中でどう活動のシフトをしていくか。どう人を増やすかじやなくて、減ることを前提に、どうしていくかっていうか、大事だと思います。その中で突破していきたいという考え方の人たちと一緒に活動できています。
 
:素敵なお話ありがとうございました。
 
 
日山さんはこのプロジェクトをきっかけにして新たな交流の輪が広がったり、繋がりができたり、多くの学びがあったと言います。1から企画や運営をする難しさを痛感しながらも地域で活動をする楽しさや達成感を味わうことができたと笑顔で語っていました。ここで取り上げたイベント以外にも様々な活動を行っており、充実した活動を行っていることが見て取れました。トビラプロジェクトのメンバーとしての活動自体は今年度で終了してしまいますが、日山さん自身は、彼女の好奇心とこの活動で得た経験と知識で今後も幅広い分野で活躍してくれることでしょう。

文:近藤凜羽
新潟大学経済科学部地域リーダープログラム2年(掲載当時)
作成日:2025.1.27