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【前編/地域リーダーへのインタビュー②】(株)K-walk:永山光夫さん ~挑戦する大切さ~

■編集・執筆:佐藤 翔太【3年(掲載時)】        
■インタビュー:佐藤 翔太、金子 悠璃【2年(掲載時)】
(2名とも新潟大学経済科学部地域リーダープログラム所属)

こんにちは。初めまして。新潟大学経済科学部総合経済学科地域リーダープログラムの佐藤です。ゼミの学習で、新潟県内の“地域リーダー”の方へのインタビューを通して“地域リーダー”像について考えることを目的に、本記事を書かせていただきました。
インタビューの対象は、新潟県加茂市で活躍されている、株式会社K-walk 代表取締役/加茂川に鯉のぼりを泳がせる会代表の永山光夫さんです。


永山 光夫さん
静岡県出身。大学卒業後、新潟県内の企業に就職。
その後不動産、営業職などを経て2021年2月に株式会社K-walkを設立。
現在は「加茂川に鯉のぼりを泳がせる会」の代表も務めている。


【前編】


1.株式会社K-walkとは

“人口減少時代の地方に明るい未来を創る”という理念のもと、加茂市の健康プロジェクトをIT技術でサポートするようなアプリ・ウェブサイト開発などを行っています。

市民の健康が将来的に自治体の医療費増加を抑えられるのではないかと考え、健康プロジェクトを立ち上げに参画したのは良いものの、健康意識の高い人だけしかそういったプロジェクトに参加してくれないという課題がありました。そこで目を付けたのが「ポケモンGO」です。
「ポケモンGO」は、ウィキペディアのまとめで「スマートフォン向け位置情報ゲームアプリであり、GPS機能を使用しながら移動することで、ポケモンというキャラクターを捕獲・育成・交換し、バトルなどを画面上でプレイする」といったゲーム。
このポケモンGOのように、楽しく活動していたら健康を実現したという人を増やそうと考え加茂市に提案したものの、財政面と体制構築面から難しかったそうです。

そこで、自分たちで株式会社K-walkを立ち上げました。
最初に書いたようなシステム開発のみならず、地域のコミュニティづくりにも携わっています。また最近では、「Chimaki」というインターネットへ接続せずに使える生成AIシステムを開発しました。完全クローズド環境で使用できるシステムのため、情報漏洩リスク軽減やコスト削減につながることが期待できます(Chimaki公式サイトより)。


2.「これからの未来は明るいか」

唐突に永山さんから逆質問が飛んできました。私は「明るくはないと思う」と答えました。
永山さんは学生や経営者の方にも同じような質問を講演会やセミナーの時にするそうで、だいたい8割は「暗い」と答えるそうです(←悲しい…けれどしょうがない…)。

その要因はやはり人口減少。日本全体ではもちろん、加茂市は全国平均のピークアウト前からすでに減少が始まっていました。人口減少による不安要素は、行政の財政難や企業の存続などの目に見えるものがある一方で、「これからの生活はどうなる?子育てできる?」などの過疎感といった目に見えないものもあります。
このような不安も内需(経済)が高まれば変えられるという考えが、いわば永山さんの原動力の一つです。そしてその内需拡大のために目を付けたのが交流人口の経済効果です。

株式会社JTB総合研究所による引用をまとめると「交流人口とはその地域に訪れる人のことで、定住人口と対になる概念」です。交流人口が増えれば、市の人口は減ってもその地域の経済は落ち込まないかもしれません。
つまり、
人口減少≠地方の衰退 なのです。

交流人口を増やすために行った企画の一つが「月1回のポケモンGO企画」で、ゲーム内のイベントに合わせて、商店街の商品の割引を行うといったユニークな活動をポケモンGOのヘビーユーザーと一緒に行いました。その結果、ゲーム性としては絶対に都会のほうが有利であるにもかかわらず、多くのポケモンGOユーザーが全国から集まるようになりました。

この他にも様々なイベントを行ってきました。特に新潟大学の学生が企画したイベントは1月だったにもかかわらず、約150人の商店街全体で新規顧客の開拓に成功しました。
他にもここには書ききれないほど、K-walk設立からたくさんのイベントを企画・運営されたそうです。
また大学の授業のゼミに携わったり、大手の求人サイトに載らないような中小企業と学生との連携をはかったりなど、交流人口の増加手段の1つとして大学生とのかかわり促進・支援なども行ったそうです。


3.加茂川に鯉のぼりを泳がせる会

加茂川に鯉のぼりを泳がせる会のイベントの様子


1989年に始まった加茂川を泳ぐ鯉のぼりのイベント。
毎年4月中旬から5月の下旬にかけて実施されています。500匹を超える鯉のぼりが加茂川の上空を泳ぐ様はテレビなどで見たことがある人もいるのではないでしょうか。

このイベントでは集客効果があるものの、経済効果はほとんどありませんでした。そこで永山さんが代表を務める「加茂川に鯉のぼりを泳がせる会」では、2023年から「かもこいマルシェ」と題し、売上の10%を出店料として商店街の店舗やキッチンカーなどの出店を行いました。

2023年の全体売上は180万円だったのに対して、2024年はなんと480万円でした(←インタビュー中驚きました笑)。2023年の出店から、来場者のニーズに合わせた商品やサービスを提供するように出展者さん達が工夫したことで実現できたそうです。


(記事は後編へ続きます!)
【後編】
4.なぜ短期間にたくさんの活動ができたのか
5.“地域リーダー”像についての考察
6.インタビュアーをやってみての気づき
7.今後の自分に活かしたいこと


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