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【人と人とがつながれる場所に】

 皆さん、新潟市中央区入船町にある、『地域と若者がつながる場“ふち”』というコミュニティハウスをご存じですか?
 今回は、そんなコミュニティハウスで運営に携わっている、経済科学部経済学プログラム2年の齋藤健太さんに実際に『ふちの家』の中にお邪魔させていただき、インタビューをさせていただきました。
 『ふちの家』について、活動について、そして齋藤さん自身について、ぜひ、知っていってください。

齋藤健太さん

インタビュイー 齋藤健太 経済科学部経済学プログラム2年
        新潟市北区出身
        調理師専門学校卒業
        写真サークルFOCUS所属
        新大マイプロ、AIチャレンジラボ、次世代BASEにも挑戦
        イベント出店「蜜とチュロス」
インタビュアー 峯田彩羽 経済科学部地域リーダープログラム2年


1. ふちについて

はじめに、『ふちの家』について、ざっくりとどんなところなのか、齋藤さんはどのように関わっているのか、聞いてみました。
 
齋藤さん「『ふちの家』は、地域と若者がつながる場所。イメージ的には、”ふち”っていうコミュニティみたいなのがあってその中の拠点の一つです。
ここに集まる人は、割と年齢層が幅広めですが基本的には若者が多くて、そういった人たちが主体的に運営しているコミュニティという感じです。
1階部分は基本的に色んな人が使える共有スペースみたいな感じで、2階が居住スペースでシェアハウスになっています」。

『ふちの家』玄関の様子

峯田「齋藤さんは、ここの運営をしているんですか?」
齋藤さん「はい、もう1人、もともとこの家のオーナーである方と運営しています」。
峯田「齋藤さんは、運営として普段どんなことをしているんですか?」
齋藤さん「普段は、月に一回のイベント、ふちのホームパーティーの企画と運営だったりイベントをやりたい人とか初めての人にイベントの運営の仕方をある程度教えたり、自主企画のイベントをここでやったりしてます。他には、内覧希望の人との連絡とか、ふちのSNSの運用とか、オーナーが東京にいるので新潟で必要なことがあった時にやっています」。

『ふちの家』でのイベント

峯田「なるほど、結構やることの幅が広めなんですね。どうして、運営にかかわることになったんですか?」
齋藤さん「きっかけは、ちょっと長くなるんですけど、大学に入学する前に調理師の専門学校に通ってて、夏休み期間に暇だったので元々興味があった商売に挑戦したいと思って、間借り営業でハンバーガー屋をしようと思いました。そこで、ハンバーガー屋をやるならハンバーガー屋さんに話を聞くのが一番早いかなって思って、駅前にあるハンバーガー屋さんに相談しに行きました。話を聞いてもらって、そこにたまたまいた方に『snap』っていう起業家支援コミュニティを教えてもらいました。そのコミュニティで、佐渡で飲食の事業をしようとしている開志専門職大学の人に出会って、佐渡で食のイベントがあることを知って、主催者の方に出たいですって連絡を取ってもらいました。そのイベントでハンバーガーを販売して、様子をSNSで発信する中でここ、『ふちの家』のオーナーの方が見てくれました。その方が古民家をリノベーションした家を新潟で展開しようと思っていて、食に関する事業をやってる自分たちと一回話してみたいって感じで声かけてもらいました。初めて来たときには何もなくて、話していく中で、古民家っていう空間を活用する事業の一貫で〔人が集まる場所にしたい〕って言っていたことに対し、自分の興味がある部分が重なってたこともあって、一緒にやろうってなったことが、運営に携わったきっかけです」。
峯田「なるほど、つまり新しいチャレンジをしたときに、いろんな方に出会っていく中で自分の興味のある新たなことに出会ったという感じなんですね」。

齋藤さん「自分の興味についても、ただ古民家をリノベーションして、そこの運営をしてくれみたいな感じだったら、やりたいと思わなかったです」。
峯田「そうなんですか?齋藤さんの興味がある部分というのは?」
齋藤さん「大学受験を通して、もし大学に入れたら人と人とがつながれる場所を作りたいなという思いがありました。経済科学部の総合型選抜であるグループディスカッションの受験対策で人と会い続けることと、たくさんの目上の人と話すことをしました。カウンター接客の居酒屋で働いて、何百人という人と話して時には経営者の人や、社会人の人、学生のコミュニティで話す中で、どんな伝え方であっても、上手な日本語なんて必要なくて、自分の思いをちゃんと伝えることが大事だなって思いました。
だから、【自分はコミュニティの大切さ】と、【人と会って話すことの大切さ】を感じています。それによって、【自ら動いて環境を変えることで、最終的に自分がどういう人間なのか】ということや、【自分の思いを相手に伝えるにはどうしたらいいのか】という大切なことに気づけたりしました。
そんな風に自分は、人と出会うことで考えが変わったり、挑戦したりすることができたので、そういう場所があったらいいなと思っていて、オーナーの、『ここをただのシェアハウスにしたくない』という思いと繋がり、第三の居場所のような、そういう人と人とがつながれる場所にしていこうと関わり始めました 」。
峯田「第三の居場所、素敵ですね」。

大学や学部、学年の輪を超えた交流の様子

 齋藤さんの語ってくれた自分の経験から抱いた思いについて知ることができました。
 お話を通してふちに携わるに至った際の思いや熱意、それを実現していこうとする努力を感じました。


2.齋藤さんの大学での学び

 次に新潟大学の学生としての生活について聞いてみました。
峯田「齋藤さんは、経済科学部の経済学プログラムですが、学習面でどんなことに興味があるんですか?」
齋藤さん「興味があるのは、俯瞰的に経済を見るための方法とか、マクロ経済とか。あと、いま興味があるのはマーケティング、経営の戦略、組織運営とかですね。自分が今やっている活動の中に活かせることとかに興味があります」。
峯田「なるほど、経済学プログラムだけど、経営系の勉強も興味あるっていう感じなんですね。実践的な経験が多くしていると思うんですが、なにか大学の学びが活かせた経験とかあったら教えてほしいです」。
齋藤さん「なんだろう、伊藤先生の授業のアントレプレナーシップ入門とか、マーケティング論とかの授業は役立ったりしましたね。マーケティング論のSWOT分析とか、現状を分析するための手法みたいな、活用してます」。
峯田「確かに。齋藤さん分析力高いなって感じますね」。
齋藤さん「逆のパターンも多いですよね。日常で感じていることを授業の中で聞くと、頭に入ってきやすいなと感じます。ジブンゴトとして学問を学べている感じがするんですよね」。
峯田「なるほど、確かに理解がしやすくなるっていう感じですよね。
色んな活動をしている齋藤さん的に活動とかでどんなことを意識していますか?」
齋藤さん暇な時間を作ることですかね」。
峯田「意外と、なんか逆に、って感じます。忙しそうなイメージだから」。
齋藤さん「何かに熱中しているとそれ以外見えなくなってしまうんです。いい側面もあるんだけど、視野の狭い状態と客観的にみる自分とを交互に行き来する自分とがいないと危険だなって思うので、そういう意味で何もない時間を作ったり、今の自分を考える時間を作ったりしてます」。
峯田「すごく共感できる話だと思います。私も視野を広く持つことって理解していても難しいなって感じます」。
齋藤さん「自分は、手助けしてくれるツールとしてAIをすごく活用してて、時短になるようにしています。なので、自分がほかの大学生と違う部分があるとするなら、忙しそうに見えて実は時間がある人みたいなところですね」。
峯田「なるほど、効率的ですね」。
 
 齋藤さんの大学生活について聞いていく中で、自分の学びの軸と活かしたい部分がはっきりしている点、重要性を取捨選択して効率的に学習や活動に取り組んでいる点、とても参考にしたいと感じました。
 

3. 今後やっていきたいことについて

 齋藤さんは『ふちの家』で生まれたつながりを活かし、学生のやりたいを形にするオンラインコミュニティ『次世代BASE』なども行っており、今後の諸活動の展望について聞いていきました。
 
齋藤さん「この『ふちの家』と学生主体のコミュニティをうまく活かせないかなと思っています。学生ブランドって最強かもと思っていて、何かに挑戦して、失敗してもプラスに働かせられると思っていて、学生がもっと挑戦できるような、人と物と情報が行き交いやすい地方都市にできたらっていう『次世代BASE』の拠点みたいな形で『ふちの家』を活かせないかなって思います。
どういうやり方かは決まってないけど何かに挑戦したい若者が集まって、ここでの熱量みたいなのがどんどん高まっていく場所で、同時に、集まった人たちがここでいろんなことに挑戦したり、背中押してもらえたり、賑わいのある場所にしていきたいなと考えていて、もっとここに学生が集まるような仕組みだったりを作っていけたらなって思ってます」。

峯田「ぜひ、そんな場所ができて学生の挑戦が促進されたらいいなと思います。長時間お話いただきありがとうございました」。

『ふちの家』の方と対話する齋藤さん

 『ふちの家』という活動をはじめ、齋藤さんの学びや思い、これからの展望など知ることができました。齋藤さんが携わっている『ふちの家』や『次世代BASE』など、みなさんもSNSなどでぜひ調べてみてください。

ふちの家のInstagram https://www.instagram.com/fuchi_niigata?igsh=MXZmczhrcGl6NGc5aQ==
次世代BASEのInstagram https://www.instagram.com/zisedaibase?igsh=ZmtpbTNsbThtb3pt


文:新潟大学経済科学部2年(掲載時) 峯田彩羽 
執筆:2025.1.13