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なにもなくないじゃん~古町を若者の力で活性化
「新潟古町でインターンする女子大生@nice_meets_furumachi_intern」というインスタのアカウントを作成し、古町の魅力発信に取り組む新潟大学経済科学部3年の早坂妃麻里さん。彼女がインターンとして活動する中で得た経験や古町への思いを、同プログラム所属の2年の佐藤惇矢との対談形式で語っていただきました。大学生ならではの活動をしている早坂さん、この記事を読むだけで、あなたの大学生活がより充実したものになるでしょう。
人物紹介
早坂妃麻里さん
新潟大学経済科学部3年地域リーダープログラム所属
自分の名前で活躍できる人材を目指す
佐藤: 早坂さんが新潟大学に入学した理由を教えてください。
早坂: 一番の理由は、マーケティングを学びたかったからです。新潟大学には経営学プログラムがあって、いろいろ調べていくうちに特に伊藤先生がマーケティング分野ですごいと聞いたので、ここならしっかり学べると思いました。他には、距離的にも地元である宮城から近いというのがありました。
佐藤: はじめは経営学プログラムだったのですね。
早坂:そうです。入学後に「地域リーダープログラム」の紹介で中東先生の話のなかの「自分の名前で活躍できる人材を目指す」という言葉にひかれ、そちらを選択しました。また、人前で話すのが苦手だったので、プレゼンの機会が多いという、あえて挑戦できる環境に飛び込みました。
新潟古町でインターンする女子大生
佐藤: 現在、古町でインターン活動をしていると伺いましたが、いつから始められたのですか、またきっかけは何だったのでしょう?
早坂: 3年生の4月から始めました。2023度(早坂さんが2年次)の授業で編集者の金澤李花子さんという方からお話を聞いたことが最初のきっかけです。金澤さんからzoomで、「編集という仕事」について話してもらいました。新潟に編集者はあまりいないので話を聞けば聞くほど面白いなと思いました。その時は話を聞くだけで終わりましたが3年の4月にTwitterで金澤さんが「新潟・古町を拠点に活動する編集者のインターン募集」と投稿しているのを見て、「この人だ!」と思い応募しました。インターンの内容は、私のやりたいことを優先させてくれるとのことだったので、大学生が少ないという町の課題を発見したこともあり、インスタを使って古町に特化した広報活動をしてみたいとご相談をし、インスタ運営を任されました。「新潟古町でインターンする女子大生」という名前で活動していて、週3日を目安に記事を投稿しています。古町の飲食店を中心に素敵なお店を紹介しています。
佐藤: ありがとうございます。インターンの活動としては、主に取材と編集作業の2つに分かれると思います。はじめに取材の際に意識している点はありますか?
早坂: 取材で訪れた飲食店でいただくメニューは、場所にもよりますが基本的には学生でも手を出せる値段のものを頼むようにしています。それはこのアカウントの意義である、「古町初心者の女子大生が魅力を伝える」にあわせているためです。例えば、1500円のメニューと1300円のメニューと1000円のメニューがあるとしたら、もう迷わず1000円のメニューを選びます。あとは、1日で3店舗くらいのお店を巡るようにしています。胃袋のキャパシティがあまりないときはパン屋さんに行ったりして次の日の朝ご飯を買うこともあります。
佐藤:そこを工夫されているのですね。インスタの投稿、運営は順調ですか?
早坂: 最初は写真の明るさや文字配置など、細かいところで悩むことが多かったです。ですが、ロールモデルに設定しているアカウントから直接アドバイスをもらい、今では60投稿以上(2024年12月時点)を積み重ねてきました。あとは自分で調べたりとか、金澤さんに相談したりして、トライ&エラーで見ている人にストレスを与えない投稿を心がけています。
取材の日の1日のスケジュール(例)
10:00 新潟大学前駅発
10:30 白山駅
徒歩
11:00 古町到着 1店舗目
散歩
13:00 2店舗目
13:30 3店舗目
15:00 上古町の百年長屋SANでの作業(インターン先の金澤さんがいる場所)
なにもなくないじゃん
佐藤: 古町にはどんなイメージを持っていましたか?
早坂: 正直、最初は古着屋しかないイメージが強くて「お洒落な人しか入れない街」という印象がありました。また、「昔は良かった」という声を聞くことも多かったです。でも、実際に活動してみると、未来を真剣に考えている方がたくさんいて、生き生きした街だと思いました。それこそ商店街などですれ違う人とかとあいさつとかもする、その距離の近さ的なことも魅力だと思います。活動を通じて、古町の方から「生活している場所にこんな素敵なお店があったなんて知らなかった」と言ってもらえることもありました。自分の古町の魅力を広める活動が、大学生への影響だけでなく地域の人たちの前向きな気持ちにもつながっていると感じ、うれしかったです。
佐藤:そのようなイメージの変化があったのですね。
早坂:はい。活動していてよく頭に浮かぶのは、「なにもなくないじゃん」という言葉です。なんであるもので楽しもうとしないのか、古町には首都・東京にはないものがたくさんあると思っています。
人と人とがつながった安心感
佐藤: 今の活動を踏まえて、将来のビジョンはありますか?
早坂: 現段階では、こういった活動に通じたものを将来したいとかはあまり考えていないです。ただこの活動を通して、人と人のつながりが地域を豊かにする原動力になると感じています。例えば上古町の百年長屋SANでは、学生がふらっと訪れてカウンターでたまたま隣になった人と交流する光景が広がっていて、そこから安心感やワクワク感が生まれるのです。そんなつながりを大切にする仕事をしていきたいですね。
まず古町に一度足を運んでみてほしい
佐藤: 最後に、古町を訪れたことがない人たちにメッセージをお願いします。
早坂: まずは一度足を運んでみてほしいです。自分のアカウントを見てほしいとは言いません。古町は小さなお店が集まっていて、街全体が温かい雰囲気に包まれています。「寂れた街」という印象を持っている人もいるかもしれませんが、だからこそ今、どう生き残ろうかと考えているお店がたくさんあって活気に満ちています。きっとそのエネルギーに魅了されると思いますよ。
佐藤: 自分も一度古町に行ってみようと思います。本日はありがとうございました!
■編集・執筆:佐藤 惇矢
■インタビュー:佐藤 惇矢
【新潟大学経済科学部地域リーダープログラム所属2年】(掲載時)
作成日 2025.1.28