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なるほどの面白さ『涼宮ハルヒの消失』【読書ログ#123】

『涼宮ハルヒの消失』(谷川流)

やってきました四巻目。アンドロイドは学園ドラマの夢をみるか。時をかける少女たち。この「消失」をして1本の良作ラノベとしても良さそうな出来。

正直なところ、本作といわずこのシリーズ、設定とキャラクターに頼った書き方で、そのせいでスラップスティックな雰囲気から頭が一つ出ないし、深みも無い。SFとしても、ミステリーとしても、特に目新しい事もない。凝った仕掛けもない。なによりもご都合主義が過ぎて、例の宇宙人がチート過ぎて興ざめだ。

だが、今回の「消失」では何者かがおこした世界の改変により、そのチートキャラはすべての力を失い、ウブで、主人公にぞっこんなメガネっ子になってしまう。完全無欠の童貞ホイホイみたいなキャラクタになっている。

宇宙人の次に頼れそうな未来人は、未来の力を失いタダのミニマムグラマーに。あんまり役に立たない超能力者は、超能力を失い、にやけたメッシー君(なつかしい)に。そんな世界で、唯一改変前の記憶を残した主人公は、ある意味では理想的とも言える、平穏で平和なもう一つの世界で、揺るぎないヒロインへの愛を自覚する。そして、改変前の世界に戻そうと躍起になる。

皆さま、「消失」までを読めと教えてくれてありがとうございました。

涼宮ハルヒシリーズはテレビアニメで火が付いたそうだけど、映画化されたときは、この「消失」が映画になったそうな。それくらい、この「消失」は本シリーズの面白さが詰まったエピソードなのだろう。

さて、この先はどうしようかな。今回は特に書かれていないエピソードへの示唆が多いので、そのあたりの回収に期待しながらこのまま読み続けるのもアリかなと思いつつ、シリーズが完結してから一気に読みたいとも思いつつ。(終わらないのではないかという声も)

他のラノベに手を出してみるのもまた面白いかもしれない。

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マエダヒデキ
「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。