Dolby Audio, Atoms, Visionとは?
一言で言えば…
ドルビーアトモス、ドルビーオーディオ、ドルビービジョンは、いずれもDolby Laboratories社が提供する音声圧縮技術および動画高画質化技術です。
Dolby Audio, Atoms, Visionの違い
ドルビーオーディオ (Dolby Audio)
用途: 音声の処理と圧縮
特徴: ドルビーオーディオは、音質を向上させるための一連の技術を指します。これには、ダイナミックレンジの拡大、ノイズリダクション、サラウンドサウンドのエンコードなどが含まれます。テレビ、スマートフォン、タブレットなどの多くのデバイスに対応しており、クリアな音声と臨場感のあるサウンドを提供します 。
ドルビーアトモス (Dolby Atmos)
用途: 主に音響システム
特徴: ドルビーアトモスは、立体音響技術を提供します。従来のサラウンドサウンドシステムが水平面上の音の配置に限定されているのに対し、ドルビーアトモスは高さ方向の音も再現します。
これにより、音が上から降ってくるような効果を得られます。例えば、映画や音楽で、上空を飛ぶヘリコプターや雨音がリアルに再現されます 。
鍵になるポイントは、平面/立体という部分です。
Dolby Audioはスピーカーやサブウーファーが前後左右などの平面上に配置されている前提で、そのどこから音を出すかを制御することによって、まるで物体が横切るかのようなサウンド体験が可能です。
一方で、Dolby Atomsは前後左右の平面的な音声だけではなく、上下左右に移動したり、上から降り注ぐ音声なども表現することができるため、より臨場感のある音声を楽しむことができます。
ドルビービジョン (Dolby Vision)
用途: ビデオの高画質化
特徴: ドルビービジョンは、HDR(ハイダイナミックレンジ)技術を利用して、映像の明るさ、コントラスト、色の再現性を向上させます。これにより、映像の明暗差や細部がより鮮明に表現され、よりリアルでダイナミックな映像体験を提供します。
ドルビービジョン対応のコンテンツは、特に4K UHDテレビやストリーミングサービスで見ることができます。
Dolby Visionは映像を美しく表現するための技術であり、前述のDolby AtomsやDolby Audioとは全く異なる技術です。
まずは、以下の2枚の画像を見比べてみて下さい。
上の画像では、室内が暗くなりすぎており、良く見えませんが、下の画像は屋外と屋内がバランスよく映っています。
室内と外のように、明るさのバランスが大きく違う映像の場合は、暗くなったり、白飛びしてしまいます。これを防止するための技術がHigh Dynamic Range(HDR)と呼ばれる技術です。HDRには、いくつか規格がありますが、現在最も美しく明暗を表現できるHDR規格がDolby Visionです。
まとめ
この記事では、Dolby Laboratoty社の3つの技術について紹介しました。簡単に内容をまとめたいと思います。
Dolby Audio: 音声処理技術。ダイナミックレンジの拡大やノイズリダクションを含む。
Dolby Atoms: 立体音響技術。音の配置に高さ方向も含める。
Dolby Vision: 映像の高画質化技術。HDRを利用し、明暗差や色の再現性を向上。
これらの技術は、それぞれ音や映像の品質を向上させるために異なる方法で貢献しており、映画鑑賞や音楽視聴、テレビ視聴などのエンターテイメント体験を大幅に向上させます。
参考文献
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