NEDOの省エネAI半導体プロジェクト：革新的な「CMOS／スピントロニクス融合AI半導体」が従来比10倍以上の電力効率を実現：注目ニュース✨
発表日：2024年10月11日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）は、「省エネAI半導体及びシステムに関する技術開発事業」において、エッジコンピューティング向けの革新的な半導体デバイスの開発を進めています。
この度、国立大学法人東北大学と株式会社アイシンの共同研究チームが、画期的な成果を発表しました。
主な成果：
大容量MRAM（磁気抵抗メモリ）を搭載した「CMOS／スピントロニクス融合AI半導体」の開発
システム動作シミュレーションで、従来比10倍以上の電力効率を確認
起動時間が従来の10分の1以下に短縮
この新技術は、MRAMの不揮発性と広バス帯域の特性を活用し、大容量のMRAMをチップに内蔵することで、外付けメモリの合理的な内蔵化を実現しました。これにより、動作時および待機時の電力消費を大幅に削減し、起動時間も劇的に短縮することが可能となりました。
技術の詳細：
ニアメモリ・コンピューティング構造の実現
従来のファーメモリ・コンピューティング構造では、外付けFLASHメモリからの起動に時間がかかり、小規模なAIエッジシステムでも長い起動時間が課題でした。新技術では、内部メモリと重みメモリにMRAMを採用し、ニアメモリ・コンピューティング構造を実現。これにより、外付けFLASHメモリのバス帯域不足を解消し、起動プロセスを大幅に簡略化しました。低消費電力AIアクセラレータの開発
東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターが開発した低消費電力AIアクセラレータを搭載。主要メモリにMRAMを適用することで、従来のSRAMと比較して面積効率と電力効率の両面で優れた特性を実現。待機電力や動作電力を大幅に削減し、AI処理システム全体の高速起動を可能にしました。革新的なチップアーキテクチャ
アイシンが開発したチップアーキテクチャでは、世界初となる大容量MRAMを内蔵メモリとして採用。これにより、起動時間の短縮と外付けメモリ容量の削減を同時に実現し、チップの小面積化および低消費電力化を達成しました。
システム動作シミュレーションによる起動時間短縮の効果
応用と今後の展開：
車載システムやサーベイランス（監視）システムなどへの応用技術開発を進行中
2024年10月15日から18日まで幕張メッセで開催される「CEATEC2024」のNEDOブースにて本技術を展示予定
この革新的な技術は、エッジAI処理における電力効率の大幅な改善を通じて、二酸化炭素（CO2）排出量の削減に貢献することが期待されています。NEDOと各研究機関は、電力効率の詳細評価およびシステム検証を進め、早期の実用化を目指しています。
まとめ：
CMOS／スピントロニクス融合AI半導体が従来比10倍以上の電力効率を実現
大容量MRAMの内蔵により、起動時間を10分の1以下に短縮
エッジコンピューティング向けAI処理の効率化と省エネ化に大きく貢献
車載システムやサーベイランスシステムへの応用が期待される
2024年10月のCEATECで展示予定、早期実用化を目指す
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専門用語解説：
MRAM：磁気抵抗メモリ。不揮発性メモリの一種で、電源を切っても記憶を保持できる。
CMOS：相補型金属酸化膜半導体。低消費電力で高集積化が可能な半導体技術。
重みメモリ：ニューラルネットワークにおいて入力値の重要性、貢献度を数値化して表したものを格納するメモリ。
スピントロニクス：電子のスピンを利用した新しいエレクトロニクス技術。
AIアクセラレータ：AI処理を高速化するための専用ハードウェア。 エッジ
コンピューティング：データをクラウドではなく、端末側で処理する技術。
#ハッシュタグ #AI半導体 #MRAM #省エネ技術 #エッジコンピューティング #NEDO
参考文献
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