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インテル、シャープ液晶工場を活用して半導体を開発
発表日:2024年6月7日
概要
米インテルと日系14社が、シャープの液晶工場を活用して半導体の生産技術を研究することが明らかになりました。ラピダスや三菱電機などが既存の液晶工場を再活用する動きが広がっており、コスト削減と収益化の利点があります。
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インテルはオムロンやレゾナック・ホールディングス、村田機械など14社と共に、半導体の「後工程」の研究開発を開始します。この開発の場としてシャープの液晶工場が利用され、クリーンルーム内で新たな生産手法を確立する予定です。具体的には、三重県亀山市の亀山工場や多気町の三重工場が候補とされています。
液晶工場のクリーンルームは、ゴミやホコリを限りなく減らすため、半導体の生産や開発に適しています。シャープは液晶パネルの販売不振で2024年3月期に1499億円の最終赤字を計上しました。堺工場は24年9月まで稼働停止が決まり、亀山工場と三重工場でも活用方法が模索されています。
シャープの呉柏勲・社長兼CEOは、AIや半導体分野での工場活用を目指し、KDDIと共同でアジア最大規模のAIデータセンターへの転用を協議中です。液晶パネル生産設備の償却期間は5年ですが、クリーンルームなどの工場建屋は30~40年と長いため、再活用の意向が強いです。
ラピダスは北海道千歳市で先端半導体の量産を目指し、セイコーエプソンの液晶工場の一部を利用します。エプソン側は小型液晶モジュールの生産を続けながら、空きスペースをラピダスに貸し出し賃料収入を得る予定です。
三菱電機は熊本県菊池市の液晶パネル工場の生産を停止し、次世代半導体の新工場棟を建設する計画です。電圧を調整するパワー半導体の高性能品の製造棟は2025年中に稼働します。液晶工場の水や電力インフラを活用し、効率的に運営されます。
液晶パネルと半導体の生産工程では、大量の水や電力を使用する共通点があります。日本の液晶パネル産業は過去に一時的に隆盛を極めましたが、現在は韓国や中国の競争により苦境に立たされています。
政府の半導体復権政策により、液晶工場の生産技術が次世代半導体の仕上げ工程に適用される可能性が出てきています。インテルやラピダスがこの関連技術の研究開発を進め、ガラス基板の利用が省電力や良品率向上に繋がると期待されています。
このように、日本に残る液晶生産設備と開発技術が、新たな形で再評価され、半導体産業の再興に役立つ見通しです。
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参考文献
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