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OIST、エネルギー効率を飛躍的に高めるEUVリソグラフィー技術を発表✨
発表日:2024年7月29日
概要
沖縄科学技術大学院大学(OIST)の新竹積教授が、先端半導体製造の常識を覆すEUVリソグラフィー(極端紫外線露光技術)を提案しました✨。
本技術の利点
このEUVリソグラフィーは、小型のEUV光源で動作し、コストを削減しつつ、信頼性と寿命を飛躍的に向上させます。また、消費電力は従来の10分の1以下となり、半導体業界のSDGs目標達成にも貢献します。
新技術は、以下の2つの課題を克服しました:
たった2枚のミラーで構成されるプロジェクター光学系
平面ミラー上のロジックパターンに光路を遮ることなくEUV光を照射する新手法
この技術の実現により、AIサーバー用GPUやモバイル機器に使われる低消費電力チップ、高密度DRAMメモリなどの製造がより効率的になります📱💻。
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具体的な利点
1. 消費電力の大幅削減
EUVエネルギーはミラーでの反射ごとに40%ずつ減衰するため従来技術ではウェハに到達できるエネルギーはわずか1%程度となってしまいます。しかし、この新技術ではEUV光源からウェハまでわずか4枚のミラーしか使用せず、ウェハに10%以上のエネルギーが到達します。
これにより、小型EUV光源でも動作し、消費電力の大幅な削減が可能になります⚡。
2. 克服された課題
EUVリソグラフィーのプロジェクターは、わずか2枚の反射ミラーで構成され、天体望遠鏡に似た構成です。この技術は、光学の収差補正理論を慎重に見直すことで可能となりました。
新竹教授は「詳細な性能は光学シミュレーション・ソフトウェア(OpTaliX)を使って検証されており、先端半導体の製造に十分な性能が保証されています」と述べています🧑🔬。
新技術「二重露光フィールド」
この新技術では、二重露光フィールドという新方式の照明光学系を採用。平面ミラーのフォトマスクに光路を邪魔せずに正面からEUV光を照射します。このアイデアは「コロンブスの卵」のような発想で、問題を解決しました。
例えるなら、2つの懐中電灯を左右の手に持ち、正面の鏡に向かって斜めから光を当てます。この方法では、懐中電灯の光が反対側の懐中電灯に当たることなく通過できるのです✨。
![](https://assets.st-note.com/img/1722465777283-tNx3Z0jVO8.jpg?width=1200)
今後の展望
OISTが特許出願済みのこの技術は、今後、実証実験を経て産業界での実用化が見込まれています。新竹教授は、「世界のEUVリソグラフィー市場は、2024年の89億米ドルから2030年には174億米ドルに成長すると予測されており、この特許は莫大な経済効果をもたらす可能性があります」と述べています📈。
OIST首席副学長であるギル・グラノットマイヤーも「この技術が半導体業界に変革をもたらし、エネルギー消費や脱炭素化の課題解決に貢献することを期待しています」と述べています🌍。
まとめ
新技術は小型EUV光源で動作
信頼性と寿命が向上
消費電力は10分の1以下
2枚のミラーで構成されたプロジェクター光学系
二重露光フィールド技術で問題解決
専門用語の説明
EUVリソグラフィー: 極端紫外線を用いた露光技術
SDGs: 持続可能な開発目標
AIサーバー用GPU: 人工知能処理用のグラフィックスプロセッシングユニット
OpTaliX: 光学シミュレーション・ソフトウェア
二重露光フィールド: 平面ミラーのフォトマスクに正面からEUV光を照射する技術
ハッシュタグ
#EUVリソグラフィー #半導体 #消費電力削減 #新技術 #OIST
参考文献
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