アドバンスド・クリーン・トラック(Advanced Clean Trucks :ACT)基準とは?
一言で言えば…
米国カリフォルニア州大気資源委員会(California Air Resources Board、以下、CARB)が6月25日に決定した、米国カリフォルニア州で販売される全ての新車トラックを2045年までにZEV(Zero Emission Vehicle)にすることを定めた基準です。
規制内容詳細
トラック製造業者の販売に関する規制は以下の通りです。
中型車(Class 2b~3)は2024年に販売車両の5%、2035年に55%をEEV
大型車(Class 4~8)は2024年に販売車両の9%、2035年に75%をZEV
大型牽引車(Class 7~8 Tractors)は2024年に販売車両の5%、2035年に40%をZEV
ZEVとは、駆動系部品からの排気ガスや温室効果ガス排出がゼロの車を指し、バッテリー電気自動車(BEV)や燃料電池自動車が含まれます。
これに加えて、トラックの販売にもクレジット制度が導入され、ハイブリッド車の販売台数も2035年までNZEV(Near Zero Emission Vehicle)として算入可能です。
さらに、2024年からは、一定規模の事業者や政府機関に対して、事業所ごとに保有するトラックの種類や数量、走行距離などの報告義務が課されます。これにより、トラック製造業者は生産の見通しを立てやすくなります。
カリフォルニア州では、ゼロ・エミッション化を目指すZANZEFFプロジェクトの一環として、ロサンゼルス市港湾局やトヨタ自動車、ケンワースが燃料電池を使った大型無排出トラックの開発を行っています。このプロジェクトには、CARBが全体経費約8,300万ドルのうち4,100万ドルの補助を行っています。
この規制の導入に伴い、トヨタ自動車や日野自動車、本田技研工業といすゞ自動車などが燃料電池トラックの開発に向けた提携を発表しており、テスラ社もバッテリー電気トラックであるCybertruckを発表しています。
カリフォルニア州以外の7州とワシントンDCも、同様の排出規制を導入する意欲を示しています。