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TSMC、台中ゼロウェイスト製造センターを正式開設:注目ニュース✨

2024年11月13日、TSMC(台湾積体電路製造会社) は、台湾・台中市において「台中ゼロウェイスト製造センター」の開設式を行いました。このセンターは、廃棄物削減と資源リサイクルの新しいモデルを示し、循環型経済(Circular Economy)を推進する施設として注目されています。

さらに、TSMCは台湾環境省とカーボンキャプチャ技術の共同開発に関する覚書(MOU)を締結し、半導体産業における持続可能性の拡大を目指します。MOUについてはこちらの記事で説明しています👇


🌟 センターの概要と先進的な技術

台中ゼロウェイスト製造センターは、半導体業界においてリソースリサイクルの統合施設として世界初の試みです。施設の特徴は以下の通りです:

🔄 4つの主要リサイクル施設

  1. フッ化物リサイクル施設
    半導体製造で使用されるフッ化物を浄化し、再利用可能な資源として再生。

  2. シリカリサイクル施設
    廃棄されたシリカ資材を処理し、他産業への転用を実現。

  3. 溶剤熱回収施設
    使用済み溶剤を分解・再生成し、再利用可能な溶剤として復元。

  4. イソプロパノール(IPA)回収施設
    精密洗浄に使用されるIPAを高純度でリサイクルし、電子グレード品質へ再生。

📊 環境への具体的な貢献

廃棄物処理とコスト削減

このセンターがフル稼働することで、年間13万トン以上の廃棄物処理を削減。これは、TSMCの中台湾科学園区における廃棄物の85%以上を占めます。
さらに、環境利益損益(EP&L)会計によれば、この廃棄物削減は年間約15億台湾ドル(約60億円)の環境コスト削減効果をもたらし、40,000トンの二酸化炭素排出削減に寄与します。これは、台北市の大安森林公園110個分のカーボンオフセットに相当します。

カーボンキャプチャ技術の導入

台湾環境省との連携により、膜技術を用いたカーボンキャプチャ技術が導入されます。この技術は、廃棄物焼却施設での二酸化炭素排出を効果的に削減し、ゼロエミッション達成への重要な一歩となると期待されています。

🏗 エコデザインとSDGsへの貢献

施設には、以下のエコフレンドリー設計が採用されています:

  • 雨水リサイクルシステム:自然の水資源を活用し、工場内の水使用効率を向上。

  • ソーラーパネル設置:再生可能エネルギーを活用し、施設運営時の電力需要を補助。

これらの取り組みは、国連の持続可能な開発目標(SDG)12「つくる責任つかう責任」の達成にも寄与しており、TSMCのESG(環境・社会・ガバナンス)戦略において重要な柱となっています。

🎙 経営陣の見解

TSMCの上級副社長兼共同COO、陳耀寧氏は次のように述べています:
循環型経済の推進は責任であると同時に、持続可能な成長を目指す業界全体にとっての大きな機会です。台中ゼロウェイスト製造センターを通じて、地球に優しい未来を築き、次世代の産業を牽引したいと考えています。」

また、ESG委員会の主席を務めるLora Ho氏も以下のようにコメントしました:
「COP28での脱炭素への決議に応じ、TSMCは技術革新と持続可能性を統合した取り組みを進めています。このセンターは、産業界の成長と環境保護の両立を目指す象徴的なプロジェクトです。」

🌐 今後の展開と影響

TSMCはこの成功モデルを他の国内外施設にも展開する計画です。これにより、台湾のみならず世界的な持続可能な半導体製造のリーダーとしての地位を強化し、業界全体に革新の波をもたらすことが期待されています。

💡 まとめ

台中ゼロウェイスト製造センターの開設は、環境保護と産業発展を両立させる新しい基準を示しています。TSMCは、循環型経済を通じて持続可能な未来をリードし、次世代の地球環境に配慮した産業モデルを推進する役割を果たしています。

#循環型経済 #ゼロウェイスト #持続可能な開発 #半導体

参考文献

https://pr.tsmc.com/japanese/news/3189


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