パワー半導体とは?:電力制御を可能とする半導体素子✨
半導体素子の中でも、一般的には1 W以上の電力制御を可能とする半導体素子をパワー半導体と呼びます。
身近なところでは、コンセントから交流(Alternating Current:AC)で流れてくる電気を家電やパソコンで使う直流(Direct Current:DC)に変換するAC/DCアダプター(パソコンの充電器にくっついている大きめの直方体)に使われています。
主な機能は直流⇔交流の変換機能ですが、より詳しく述べると以下の4つのパターンがあります。
インバータ:直流を交流に変換する
コンバータ:交流を直流に変換する
AC/ACコンバータ:交流の周波数を異なる周波数に変換する
DC/DCコンバータ:直流の電圧を異なる電圧に変換する
これらの機能を発現するために使用されている主要な半導体素子は、一方向のみに電流を流す整流機能を持ったダイオード、電流のON、OFFを制御するスイッチング機能を持つIGBT、パワーMOSFETです。
2021年の世界規模での売り上げは、1位がインフォニオンテクノロジーズ(ドイツ)、2位がオンセミコンダクター(米国)、3位がSTマイクロエレクトロニクス(スイス)となっており、日本最大手の三菱電機が4位です。最近、甲府工場を再稼働させたルネサスは9位ということでした。
電気自動車での使用が見込まれていることから、パワー半導体は今後も成長が見込まれています。2022年の世界のパワー半導体市場は約2兆円ですが、2030年には5兆円と予測されています。
シリコン以外にも、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga2O3)など様々な材料を用いたパワー半導体が開発されています。
Ankerが発売しているGaNPrimeシリーズは、その名の通りGaNを使用しており、スマホ、PC、タブレットを1つのパワー半導体で充電可能という優れものです。自分もよくお世話になっています。
発展目覚ましいパワー半導体には今後もさらなる大電流化、大電圧化に期待したいですね。
参考文献
パワー半導体とは?世界シェアと日本メーカーの強み・仕組みと用途・将来性を考察 | 製造業関連のお役立ちメディアならNikken→Tsunagu (nikken-totalsourcing.jp)
【徹底解説!】誰でもわかる、パワー半導体の基礎 (semiconductor-industry.com)