SK hynix、業界初の1c DDR5を開発 :注目ニュース✨
発表日:2024年8月29日
SKハイニックスが、次世代のDRAM(Dynamic Random Access Memory)技術である「1cノード」を発表しました。この新技術は、10nmプロセスの第6世代となり、メモリ業界に革新をもたらす可能性があります。
1cノード技術の特徴
業界初の16Gb DDR5開発 SKハイニックスは、1cノードを使用して業界初となる16Gb DDR5を開発しました。これは、メモリプロセス技術において10nmに近いレベルへの極端なスケーリングの始まりを示しています。
高度な製造プロセス 1cノードの開発には、EUV(極端紫外線)技術が活用されています。特定工程に新素材を採用し、EUV適用工程全体を最適化することで、前世代に比べてコスト競争力が向上しました。
性能向上 新しい1c DDR5の動作速度は、前世代より11%向上し、8Gbpsとなっています。これにより、高性能データセンターでの採用が期待されています。
電力効率の改善 電力効率も9%以上向上しており、AIの時代における増加する電力消費に対応。データセンターの電力コストを最大30%削減できる可能性があります。
ちなみに、EUV技術はリソグラフィ工程の中でも、レジストと呼ばれる感光材料に光を当てて材料を変質化させる露光工程で用いられる光源です。
リソグラフィ工程、露光工程についてはこちらの記事で詳しく説明しているので、良ければ読んでみて下さい👇
技術開発の背景
10nm級DRAM技術の微細化工程は、世代を重ねるごとに難度が高まってきました。SKハイニックスは、業界をリードする10nm工程の第5世代である1b技術により、設計完成度を高め、技術的限界を克服しました。
1cノードの開発では、1b DRAMのプラットフォームを拡張し、プロセスを進める過程で生じる潜在的なエラーを減らすことに成功しています。これにより、最高の性能を持つDRAMとして広く評価されている1bの利点を、最も効率的に新世代に移転することができました。
今後の展開
SKハイニックスは、1c DDR5の量産準備を年内に整え、2025年から量産出荷を開始する予定です。さらに、この新技術を以下の製品に適用していく計画です:
LPDDR6(Low Power Double Data Rate 6)
これらの製品に1c技術を適用することで、顧客に差別化された価値を提供することを目指しています。
業界への影響
1cノード技術の登場は、メモリ業界全体に大きな影響を与える可能性があります。特に、以下の点で注目されています:
AI時代への対応 電力効率の向上により、増加するデータセンターの電力需要に対応できます。
コスト競争力の向上 新素材の採用とEUVプロセスの最適化により、製造コストの削減が期待されます。
高性能化 動作速度の向上により、データ処理能力が飛躍的に向上します。
まとめ
SKハイニックスが10nmプロセスの第6世代「1cノード」技術を発表
業界初の16Gb DDR5を開発、8Gbpsの高速動作を実現
電力効率が9%以上向上、データセンターの電力コスト削減に貢献
2025年から量産出荷開始予定、HBMやLPDDR6、GDDR7にも適用予定
AI時代のメモリ需要に対応し、業界のリーダーシップを強化
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専門用語解説
DRAM:Dynamic Random Access Memory、コンピュータの主記憶装置として使用される揮発性メモリ
EUV:Extreme Ultraviolet、極端紫外線。半導体製造プロセスで使用される最先端の露光技術
DDR5:Double Data Rate 5、第5世代のDDRAMインターフェース規格
HBM:High Bandwidth Memory、高帯域幅メモリ。主にグラフィックス処理やAI用途で使用
LPDDR6:Low Power Double Data Rate 6、低消費電力型の高速メモリ規格
GDDR7:Graphics Double Data Rate 7、グラフィックス処理用の高速メモリ規格
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参考文献
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