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日本政府がAI・半導体産業に1.5兆円もの予算を配分することを閣議決定。
日本政府は2024年11月29日に、一般会計総額13兆9000億円となる2024年度の補正予算案を閣議決定しました。この補正予算案では、AI・半導体産業の強化に対する約1兆5000億円もの予算が割り当てられました。
この記事では、閣議決定された補正予算案の中身について具体的に詳細を説明していきたいと思います💡
補正予算の内訳
今回の補正予算は以下の3つの枠組みで策定されています。
1. 日本経済・地方経済の成長 【2.8 兆円】
2. 物価高の克服 【1.6 兆円程度】
3. 国土強靱化、防災・減災など国民の安全・安心を確保 【1,800 億円程度】
この1の中には、されに3つのサブカテゴリが存在しています。
(1)賃上げ環境の整備【5,114 億円】
(2)新たな地方創生施策の展開【736 億円】
(3)投資立国の実現【2 兆 2,614 億円】
この中で最も大きな予算を占めているのが、(3)投資立国の実現であり、2兆円以上が配分されています。
この中で、さらにサブサブカテゴリが存在しており、
【3-1:半導体・AI 等デジタル産業基盤強化】
という形で、冒頭の約1.5兆円もの大規模な予算が配分されました。
半導体・AI 等デジタル産業基盤強化の詳細
本予算も大きく2つに分かれています。1つが、ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業等であり、10,514 億円が配分されています。
もう1つは、先端半導体の国内生産拠点の確保であり、4,714 億円が配分されています。ここでは、その詳細について見ていきましょう👇
ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業等
本事業は、以下のように説明されています。
ポスト5G情報通信システム(量子コンピュータなどの計算資源やロボティク ス分野の生成AIに関する基盤モデル等)や先端半導体等の設計・製造技 術等の開発、実証に取り組む。
これだけだとよくわからないので、委託先であるNEDOのHPを読んでみましょう。事業・プロジェクト概要の部分には、以下のように記載があります。
第4世代移動通信システム(4G)と比べてより高度な第5世代移動通信システム(5G)は、現在各国で商用サービスが始まりつつありますが、さらに超低遅延や多数同時接続といった機能が強化された5G(以下、「ポスト5G」)は、今後、工場や自動運転といった多様な産業用途への活用が見込まれており、我が国の競争力の核となり得る技術と期待されます。また、こうした技術には、デジタル社会と脱炭素化の両立に不可欠なものも存在します。
本事業では、ポスト5Gに対応した情報通信システム(以下、「ポスト5G情報通信システム」)の中核となる技術を開発することで、我が国のポスト5G情報通信システムの開発・製造基盤強化を目的とします。
具体的には、ポスト5G情報通信システムや当該システムで用いられる半導体を開発するとともに、ポスト5Gで必要となる先端半導体の製造技術の開発に取り組みます。
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先端半導体の国内生産拠点の確保
こちらもまずは経産省の資料を見てみましょう。
産業基盤の強靱化や戦略的自律性・不可欠性の向上の観点で、先端半 導体の国内生産拠点整備への支援を行うことで、事業者による投資判断を後押しし、安定供給の確保等を目指す。
これはまず間違いなく、ラピダス支援の予算であると考えてよいでしょう。以前は、ポスト5Gの中の②先端半導体製造技術の開発という形で予算が配分されていましたが、今回は別で予算付けしているということは何か意味があるのかもしれません。
https://www.nedo.go.jp/content/100964301.pdf
なお、政府は2024年11月22日に、2024年~2030年までの7年間で半導体・AI分野に10兆円規模の公的支援を実施することを閣議決定しており、今回の補正予算案での半導体・AI分野への支援はこの長期的な目標の一環とみられています。
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まとめ
日本政府は2024年11月29日に、一般会計総額13兆9000億円となる2024年度の補正予算案を閣議決定
この補正予算案では、AI・半導体産業の強化に対する約1兆5000億円もの予算が割り当て
その内訳は、ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業等に10,514 億円、先端半導体の国内生産拠点の確保に4,714 億円
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#補正予算 #AI・半導体産業 #ポスト5G #ラピダス #日本政府
参考文献
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2024/hosei/pdf/r6_point.pdf
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