【注目ニュース】SKハイニックス 旺盛なAI需要に応えるために2.3兆円投資で半導体新工場
発表日:2024年4月24日
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概要
韓国の半導体大手であるSKハイニックスは、およそ20兆ウォン(約2兆2600億円)をかけて、同国内に新しい半導体メモリー製造拠点を立ち上げる計画を進めています。
この新施設の建設は、人工知能(AI)開発に伴う需要の増加に対応し、生産能力を大幅に拡大することを目的としています。
SKハイニックスは、当初段階で5兆3000億ウォンを投資し、4月末ごろに新しい工場または製造施設の建設を開始する予定です。完成は来年11月を目指しており、施設は長期的に拡張される見通しです。したがって、投資総額は20兆ウォンを超えると予想されています。
この新施設の建設は、SKハイニックスがAI向けの高帯域幅メモリー(HBM)供給を迅速に行い、ライバルのサムスン電子をリードすることを目指しています。HBMは、エヌビディアのAIアクセラレーターとの互換性が高いことでも知られています。
また、SKハイニックスは25日に1-3月(第1四半期)決算を発表する予定です。
解説
韓国に本社を置く SK hynix Inc. は、DRAM、NAND フラッシュ、および CMOS イメージ センサー (CIS) を幅広い製品に提供しているメーカーです。今回の新たな生産拠点は主にDRAM用ということで、最近急激に発展中のAI需要を取り込むためのものです。
ここで、一度現在の市場の状況を整理しておきましょう。現在のNANDフラッシュメモリとDRAMのシェアランキングは以下のようになっています。
NANDフラッシュメモリにおいてSKは4位の13.2%、DRAMは2位で28.6%となっています。現状では、いずれにおいても1位のサムスン電子が大幅なシェアを持っている状態です。
今回の新工場への投資金額20兆ウォンは2024年4月25日現在の為替だと、約2兆2,461億円になります。SKはこのほかにも龍仁半導体クラスターにも120兆ウォン(13兆円以上)など韓国国内での大型投資を進めています。
最近、ラピダスがNEDOから採択された金額が5900億円で注目を集めていましたが、今回のSKの投資金額が数兆円~数十兆円規模ということを加味すれば、それほど大きな金額にはなっていません。半導体産業はそれだけの規模の投資が必要ということを理解しておく必要があります。
今回の新工場の完成が2025年11月とのですので、今後のAI需要に応える生産能力と技術について今後の発表にも注目しましょう。
参考文献
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/joho/conference/semicon_digital/0009/4hontai.pdf
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