東レ、シリコンフォトニクスの拡大に貢献する光半導体高速実装技術を開発:注目ニュース✨
発表日:2024年10月21日
東レ株式会社は、データセンターの電力効率化に向けた画期的な技術開発を発表しました。シリコンフォトニクスに使用される光半導体の高速実装を可能にする新技術により、データセンター内の通信方式に革新をもたらすことが期待されています。
背景と技術的意義
近年のAI技術の急速な発展により、データセンターの需要は著しく増加しています。しかし、従来の電気通信方式では電力消費が大きな課題となっていました。
この問題を解決するため、より効率的な光通信技術の開発が求められていました。特にデータセンター内の短距離通信(1m未満)における光通信の実現は、業界全体の重要課題として認識されていました。
東レは、この課題に対して革新的なアプローチを提案しました。InP(インジウムリン)などの光半導体をシリコン基板上に実装する新技術の開発です。この技術は、従来のフリップチップボンダーと比較して、驚異的な処理速度の向上を実現しています。
技術的ブレークスルー
今回東レは3つの新技術を発表しました。それが、転写材料、キャッチ材料、そしてプロセス技術です。ここでは、その技術について詳しく見ていきましょう。
1.転写材料(耐衝撃性制御)
2.キャッチ材料(耐熱性・耐薬品性向上)
3.プロセス技術(レーザー転写~直接接合までを実証)
最も注目すべき点は、実装速度が従来の約4個/分から驚異的な6000個/分へと向上したことです。これは、データセンターにおける光通信技術の実用化を大きく加速させる可能性を秘めています。
実用化への道筋
東レは2025年までに実デバイスを用いた技術確立を目指しています。同社は東レエンジニアリング株式会社と連携し、半導体実装用のボンダーおよびレーザーマストランスファーの設備技術を活用して開発を進めています。
さらに、この技術を他の異種材料チップやより大きなサイズの半導体チップへと応用範囲を広げることも検討しています。
将来への展望
この技術開発は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業の支援を受けており、次世代通信インフラの発展に大きく貢献することが期待されています。
東レは、「有機合成化学」「高分子化学」「バイオテクノロジー」「ナノテクノロジー」というコア技術を活用し、社会に貢献する新しい価値の創造を継続的に推進していく方針です。
まとめ
東レが開発した光半導体高速実装技術は、データセンターの電力効率を劇的に改善し、次世代通信インフラの基盤となる可能性を秘めています。高速かつ高精度な実装技術の確立により、環境負荷の低減と通信技術の革新的な進化が期待されています。
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専門用語解説
シリコンフォトニクス:シリコン基板上に光デバイスを集積する技術
光半導体:光と電気を相互変換する半導体デバイス
InP:インジウムとリンからなる化合物半導体
Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体:特殊な電子素子に使用される高性能半導体
マストランスファー:多数のチップを一括して転写する技術
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