東レ、尿素を9割除去可能な半導体製造向け水処理膜を開発:注目ニュース✨
発表日:2024年11月14日
東レ株式会社は、半導体製造における超純水製造プロセスに寄与する新製品「TBW-XHRシリーズ」を2024年11月から販売開始すると発表しました。
この中性分子高除去・低圧逆浸透(RO)膜エレメントは、下廃水再生水を原水とした場合の尿素除去性能を従来比2倍に高めた製品のようです。
世界の水事情と半導体産業
国連の報告によると、2050年までに世界人口の約40%が深刻な水不足に直面すると予測されています。
一方で、半導体産業は2030年までに年間1,000兆円規模に成長すると見込まれており、その製造過程で莫大な量の超純水を必要とします。実際、最先端の半導体工場では1日あたり約75,000m³の超純水を使用しており、これは一般家庭約50万世帯の1日の使用量に相当します。
このような背景から、半導体メーカー各社は水資源の有効活用に注力しています。現在、業界平均で80%の水再利用率を達成していますが、2030年までに90%以上を目指しています。さらに、従来の水道水に代わる水源として、下廃水再生水や海水の活用が検討されています。
TBW-XHRシリーズの革新性
東レの新製品「TBW-XHRシリーズ」は、従来は除去が難しかった尿素の除去性が90%近くに上り、従来比2倍に向上しています。また、同時に塩除去率99.8%、ホウ素除去率92%、シリカ除去率99.9%も達成しています。
本開発においては、株式会社東レリサーチセンターが保有する、高度分析技術を活用されました。これにより、下廃水再生水からの超純水製造において、尿素を従来比半減する等、最先端の半導体製造工場で求められる高水質な超純水の安定供給に貢献します。
まとめ
・東レの新製品「TBW-XHRシリーズ」は、尿素除去性能が従来比2倍を実現
・ナノスケールでの膜構造制御技術により、中性分子の選択的除去を可能に
・環境負荷低減効果大:水資源節約、エネルギー消費削減、CO2排出量削減
東レの革新的な水処理技術は、半導体産業の持続可能な発展と地球環境保護の両立に大きく貢献すると期待されます。
今後の技術革新と市場展開に注目です✨
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