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【市場予測】2025年 半導体生産見通し
エレクトロニクス関連企業が加盟する業界団体である電子情報技術産業協会(JEITA)は昨年末、電子情報産業の世界生産見通しを発表した。この世界生産見通しは、薄型テレビやパソコン、カーAVC機器などの電子機器から半導体、電子部品、ディスプレイ、ソリューションサービスなどに分け、各製品別の世界生産見通しを予測している。今回は、半導体の世界生産見通しについてまとめる。
24年における半導体の世界生産は前年比19%増となる6,269億ドルと見込む。生成AI(人工知能)の普及拡大により、AIサーバーを中心とするデータセンター(DC)向けにメモリー、ロジックデバイスが伸びたことが大きな要因。その一方、これまで半導体市場をけん引してきた車載向けは、コロナ下での過剰発注による在庫調整とEV化の減速により需要が低迷した。インフレや中国市場の低迷などの影響で設備投資は冷え込み、前年比でプラス成長は見込むものの、やや勢いに欠ける市況であった。
PC・スマホへのAI搭載で需要増
25年の半導体世界生産額は前年比11%増の6,972億ドルと予測する。パソコンやスマホへのAI搭載が進み、買い替え需要が高まることや車載市場の在庫調整が終わり、需要が回復すると見込み、25年も二桁成長の見通しとなった。
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アプリケーション別に見ると24年に急拡大したサーバーやネットワークストレージは引き続き生産金額は増加するものの、伸び率はやや鈍化する見通し。スマホやPCの買い替え需要とともに、カーボンニュートラル関連は政府投資の後押しもあり好調が続くと見込まれる。23~27年の年間平均成長率は、半導体全体で10%、メモリーで21%、ロジックで12%と予想する。
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引き続きけん引役はAI
半導体の世界生産見通しを取りまとめた半導体統括委員会の近森謙志郎委員(ローム)は「半導体市場は当面、AIおよびDC関連がけん引していくだろう。周辺機器でもAI機能が搭載されるなどし、買い替え需要の刺激となると期待する」と話す。
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AIがけん引役となり、25年の半導体市場は堅調に推移すると見られる。WSTS(世界半導体市場統計)では、2025年の半導体市場は前年比11.2%増となり100兆円(対米ドル148.9円換算)に到達する可能性もあると予想される。