出張編集部の話
前置き
2月25日のコミティア147に初めてサークル参加しました。
そもそもずっと二次創作ばかりで一次創作はほぼしないオタクだったんですが、昨年友人に良いきっかけをもらい、一次創作でBLを描いてみたいという気持ちになり人生初めての一次創作での個人誌を出しました。
平均16ページくらいの短い漫画しか描けない自分が今回、56ページの創作を描き切ったのでせっかくなので出張編集部に行って人に評価してもらおう…と思い向かった次第です。
出張編集部に初めて行ったのは昨年の夏頃。
最初はどんな蹴落とされ方するんだろう…とか相当ビビッてたんですが、想像していた以上に創作のヒントがもらえるというか、良くも悪くも知り合いや既に自分を知ってくれている人以外の他人から評価されるってすごく面白いな~と思い始めてその後イベントがある毎に行くようになりました。
アドバイスや対応は本当に人による(言う側も言われる側も)のですべて良い!とは言い切れませんが、自分の課題を明確に言語化してもらえるので創作のモチベはかなり上がります。
今回のコミティアでは4回目の出張編集部となります。
自分の今後の課題含め、大まかに振り返っていきたいと思います。
ちなみに今回見てもらった本はこちら↓
1社目:S社
総評:絵・コマ割り、カメラワークや見せる表情はできている。
強いていうなら「演出」部分が惜しいといったところ。
アドバイス:ストーリーの流れとして、先にオチが分かる・結末が見えてしまっているのが残念。
受けが「男」のことを好きなのは「恋」なのか「人間」として好きなのか、
攻めが分かる瞬間を作ってあげるともっとストーリーに盛り上がりがあったかも。または切ない場面を増やす…など。
例えばこのシーン
攻め(左)が受け(右)に対して「ほんとかっこよくなったよな」というセリフ、これを受けが(でもその気(恋愛感情的な意味で)言ってないよね)と感じるようなワンシーンを挟むと良い
↓
あとは3~4段割が多いのでここぞというときはもっと大きくコマを使ってメリハリを!
2社目:K社
総評:漫画の基本はできている。が、伏線的な部分(攻めが受けを好きになった瞬間)がちょっとよくわからなかったので演出のメリハリをつけるといい。
アドバイス:絵柄がとてもかわいいのでタコピーとかメイドインアビスみたいな少しゾッとするようなエッジの効かせた作品のほうが作家としての持ち味は上がると思う。あと漫画っぽくするならフォントのサイズ調整もう少し気にかけた方がいい。
3社目:C社
総評:最後のページのセリフ位置がちゃんとオチだと分かる場所に配置されていて良い、セリフの視線誘導が全体的にちゃんとできている。
絵が可愛いのでただ単に可愛いだけの話だと、オチが見えてしまって優等生的になってしまっている。
アドバイス:時代に合わせたキャラクター作りと、話作りが重要ポイント。
こうなるだろうな~という予想された展開であっても予想を上回るような話にする必要がある。(例:花束みたいな恋をした とか)
絵が可愛いので、逆に超シリアスな話は相性良いと思う。
生きてて感じる仕事の悩みや、恋愛の悩みをめちゃくちゃ解像度高く描く…とか。
また同性愛を扱うのであれば同性同士だから分かり合える~ではなく、その2人じゃないと分かり合えない関係性を作る、など…。時代的にもそういった作品の方が増えてきているので。
4社目:S社
総評:絵が綺麗でところどころの演出もうまい。
ただし、キャラの詳細が分かりづらく盛り上がりに欠けてしまうので
話作りの前にもっとカッチリ決め込んでおいた方が良い。
アドバイス:キャラクターのスペック的なところ(攻め:背が低い、受け:背が高くてモテる)はわかるが性格的なところがイマイチわかりづらいので
どういうところが長所なのか、どういうところが好きなのか、または惚れ込んだのか、をちゃんと決め込んでワンシーンで性格が説明できるように描写する。
全体を通しての所感
全体的に話作りや話の盛り上がりに対する演出の指摘がほとんどだったので圧倒的にそこができていないんだろうな~という力不足を感じた。反省。
特に大きなトラブルなく進むストレスフリーな話の展開と、ハッピーエンドが一番好きなので、そのまんますぎて面白みに欠けるんだろうな。
今まで通りの王道的な話が描きたいのであれば、どういう演出が一番盛り上がるのか?を考える必要があるし、そのキャラクターの特徴は何なのか?キャラクターにとって何がピンチなのか?をちゃんと詰めないとなあと感じた。
逆に話作りを起点としてキャラクターを作っていってもいいのかも。
また、こういう作風(シリアス)がいいかも~というところについては今まで言われたことないタイプのアドバイスだったので目から鱗だった。2社連続で全く同じこと言われてちょっと面白かった。今回の出張編集部で一番印象に残るアドバイスだったと思う。
読む側の作風としてはかなり好きな部類ではあるし、言いたいことはとてもわかるが自分が描けるかどうかはわからない…。漫画の中でぐらいご都合主義な明るいハッピーエンド描かせてくれや…。
ちなみにフォント変更は最低限のところはできていたが、サイズ調整まで気が回っていなかった…。今度から気をつける。
絵やコマ割りやモノローグ量についてはほぼ全社で「漫画の基礎はできています」的なことを言われたので漫画に対して苦手意識が強かった自分にしては昨年よりかなり成長している…と思う…!!
※1回目の出張編集部を振り返ると「線がぼやけている」「背景もっと描く」「見せる場面をちゃんと作る」とアドバイス受けたのが基本事項ばかりだった。
◆次回に向けての課題
・キャラクター作りをしっかり!詳細にわかりやすく作る。
→性格や属性(年下攻め~みたいな)を一言で説明できるような要素をもっと最初から決めこんでおく。自分の性格的にはキャラクターのキャッチコピーをはじめに決めておくと良いかも。
・起承転結を意識して作る。「●●な話」で説明できるように。
→二次創作同人の頃からの悪い癖なんですが、「こういう話が描きたい!」というより、「このシーンが見たい!表情が見たい!」から話作りを始めるタイプなので(今回の話で言うと、「2人が付き合うまで」をテーマにしていた)読み切り感覚で●●な話!で話を決めて描き切った方が良いと思った。王道的な話が多いので、オチの見せ場をちゃんと作ることを意識する。
最後の展開を雑に持って行かない。
◆今後の個人的目標
・自然なポーズと無機物の練習
→ワンシーンでキャラクターが何をしているか分かるような日常動作・自然な動き(例:椅子にもたれかかる、早歩き、普通に歩く姿など)と日常で使う無機物が苦手すぎるので合わせて描けるようになりたい。
クロッキーとかがいいのかな…。
・引きゴマで見せる演出
→表情は描けているが、それだけに頼りがちでメリハリがないので
引きゴマで見せる演出ができるようになりたい。
背景の練習をしましょう。はい。
一次創作で描きたい話がまた出てきたので、本にするなら秋頃のイベントを目標に今回の反省を生かして書き出していきたいですね。
あとは次回3月10日のJ庭に参加予定なので、そちらでもまた出張編集部に持っていこうと思います。新たな発見があるといいな…!