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天然石の魅力と旅の記憶を紡ぐ - オーダーメイドの特別なジュエリー
私たちは日常、さまざまな選択を迫られます。どんな服を着るか、何を食べるか、どんな趣味を持つかなど・・・しかし、自分だけの特別なアイテムを選ぶ機会はそう多くありません。
天然石を選んだり、ジュエリーをオーダーすることはそんな特別な機会の一つです。今回は、私が最近オーダーで作ってもらったジュエリーの制作秘話を通して、その背景にある情熱と旅の記憶を紐解きながら、自分自身と向き合う旅の物語をお届けします。ぜひ最後まで読んで頂けたら嬉しいです(^-^)
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「自分に合った天然石を見つける」
天然石を選ぶ際、多くの人はその美しさや輝きに注目します。しかし、私にとって重要なのは、その石が語る物語と、それが自分の内面や経験とどのように共鳴するかです。私が運営している天然石ショップ SELSHAでは沢山の天然石を扱いますが、その中でも私の大好きな石の一つが、『プラチナルチル』です。銀色の金属光沢が魅力のブルッカイトインクォーツは、通称その容姿から『プラチナルチル』と呼ばれています。
一般的にルチルクォーツは金色の石として知られているので、その華やかな印象や、金運、強運といったイメージを持つ人が多く、銀色のプラチナルチルは、それに比べると一見地味にも思えてしまいますが、そのクールな表情からは無限の可能性を感じ、自分の探求心が刺激されます。
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銀のルチルと金のルチルの関係はなんだか『月と太陽』のみたいですよね。静と動、陰と陽、正反対でありながらお互い切ってもきれない関係。そんな風に考えると、途端にプラチナルチルに自分だけの物語が重なって見えてきます。
私はずっとこの石で自分に合うジュエリーが欲しいという願望を心に秘めていました。ですが、プラチナルチルならなんでも良い訳ではなく、自分が気に入ってずっと大切にできるものに出会えるまで、その思いを何年も温めて待っていたのです。
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思いを形にしてくれる作家選び
そんな私の思いと共鳴したのが、 ジュエリー作家の前田さんが手掛けている 『bondlamp』の新作グラナダのシリーズです。bondlampさんは数年前にミネラルショーで SELSHAのブースに立ち寄ってくださったのがきっかけで仲良くなったブランドさんです。
実は私は大学生時代にクラシックギターを弾いていました。サークルの定期演奏会で、「アルハンブラの思い出」という名曲に挑戦しましたが、その大部分は「トレモロ奏法」でかなり苦戦した思い出の曲です。これはスペインのグラナダにあるアルハンブラ宮殿からインスピレーションを得て作曲したとされ、メロディーを聞く度に「一度でいいから宮殿を見てみたい」とその時からずっと憧れの気持ちを抱いていました。それから10年の月日が経ち、当時お付き合いしていた人(今の妻)と一緒にアルハンブラ宮殿へ行ってようやく願いを叶えたのです。
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今回オーダーをお願いした『グラナダ』というデザインのペンダントに重ねたは私の過去の思い出そのもの。私のアルハンブラ宮殿への憧れがジュエリーへ昇華したように、このペンダントは過去と現在、そして未来をつなぐ橋渡しとなり、私の心に新たなインスピレーションをもたらしてくれました。
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ジュエリーを選ぶ(作る)際、私はただお洒落なアクセサリーを求めているわけではありません。せっかくなら作品を通じて、作家の哲学や技術、情熱を感じ取りたいのです。皆さんはどうですか?安いからといって飛びついてませんか(笑)
彼の作品からは強いメッセージと独創性を感じました。
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実はこのペンダントの前にも、黒翡翠を使った指輪の制作をお願いしたことがありました。黒翡翠も一見地味な黒い石に見えますが、光を透かすと緑色が浮かび上がる魅力的な石です。ミャンマーでこのヒスイを仕入れてから5年が経っていましたが、何か特別なジュエリーにしたいという思いがあって、その間ずっとこの石の魅力を引き出してくれる作家さんを探していました。
そして必ずや素敵な指輪にしてくれるだろうと確信したbondlampさんに完全お任せでオーダーをして出来上がったのが写真のリングです。この指輪は洋彫りの職人さんも協力してくれていて、息子の名前にある龍という文字から龍の鱗と、私の名前由来の「蓮の花」を彫ってくれました。お任せなのに本当に凄いというより、お任せだったからこそ、私が身につけるのに相応しい指輪に仕立ててくれたんだと思います。
技術も感性も素晴らしい2人の職人の手によってこの指輪は一層特別な意味を持つものになりました。私にとっては、ただの装飾品を超えた、物語を紡ぐための媒体と言ってもいいです。ジュエリーは、単に美を追求するだけではなく、私たちの人生の中で重要な瞬間を刻み、記憶を形に残す方法の一つなのです。
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話は少し長くなりましたらが、一番言いたいことは、私たちの人生は自らの選択の積み重ねによって形作られます。石選びもジュエリー選びもまた、自己表現の一形態であり、自分自身に合った価値あるものを見つける旅だと思うのです。
この「旅」を通じて、私たちは自分たちの深い部分、自分だけの物語と向き合う機会を持つことができます。大げさに聞こえるかもしれませんが、自分の生き方や幸せを考える時、ジュエリー選びという「旅」も自己理解や自己表現のプロセスになるということです。
「天然石の魅力と旅の記憶を紡ぐ」というテーマで書いたこのブログを通じて、天然石やジュエリーはただの装飾品ではなく、ジュエリーを通じて自分自身と向き合い、新たな発見をするきっかけにもなる、ということがお伝えできたなら幸いです。皆さんも心に響く天然石やジュエリーを見つけ、自分だけの物語を紡ぎましょう!!
このブログが公開される6/29(土) はオンラインショップに久々にプラチナルチルを掲載します。今回は人気の大城かん奈さんカットや、SELSHA の石で作っていただいた甲州貴石切子も登場しますのでお見逃しなく!
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