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訪問医療マッサージ集客の極意ー言語化の重要性

言語化の重要性

経営者か否かにかかわらず「言語化能力」は、ビジネスの場ではとても重要なスキルです。私が起業したのは2019年の11月ですが、その1年くらい前から営業勉強会という営業について学ぶ会を開催していました。企業の「事前準備」みたいなものです。この営業勉強会では特に、相手に伝えることにフォーカスしていました。ちょうどそのころ、注目の起業家とされていた前田裕二氏の著書『メモの魔力』(幻冬舎)が話題となっていました。その著書には言語化について詳しく記されていました。メモを取ることは、常に具体化と抽象化が付きまとうものであるのだそうです。言葉の具体化と抽象化は、私の現在の仕事であるコンサルティングでは欠かせないスキルの一つなのですが、著書の内容には「なるほど」と思わされることが多く書かれていました。

自分が伝えたいこと、相手が伝えたいことのイメージを人に伝えるのは「形」にする必要があるのですが「言葉や図」にすることが一番伝わりやすいです。相手に伝えるためにはいくつか段階がありますが、労力と時間を限りなく低く抑えることができるのは「言葉」を使うことです。言葉とは言語化できていることが前提となり、言葉を匠に使うには相手の言語レベルに合わせる必要があります。一言でいうならば「言葉のレベル感」ということです。組織内で往々にしてあるのが上司と部下のコミュニケーションの問題です。安易に言葉を選ぶ人は、対話中に相手と「言葉のレベル感」が違っていることに気付かないため、コミュニケーションにギャップが生じてくるのです。どんなに何度伝えても伝わらないのは、その言葉の捉え方が相手により異なるからなのです。言葉の捉え方、つまり言葉の価値観とは、その人のこれまでの人生の集大成なのです。伝えても伝わらないと嘆く前に、人それぞれ言葉の価値観が違うのだということを認め、伝え方を変えるほうが早いのです。

私はコンサルタントとして、これまで言葉の価値観の違いに悩まされ、経営者によってもそれぞれ伝わり方が異なることを学びました。人に伝えるためには、相手の理解力と理解できる方法を把握し、相手に合わせてさまざまなツールを使い分ける必要があるのです。これまで支援してきた会社の経営者には言葉だけで100%伝わることはほとんどありませんでした。それは相手と自分の言葉のレベル感が異なるからなのです。

さて、前述の最初で「言葉と図」で伝えるといいましたが、ここからは図での説明の仕方についてご紹介します。「図で説明する」といっても、難しく考える必要はありません。最初は、第三章の「実践営業 15のこと」で説明したリストような「表」や資料で用いるような「グラフ」の活用で十分です。

例えば「生産性の分析」をする場合、Aという経営者は数字に強いのでExcelの表で他社との比較を見せることで伝わるが、Bという経営者は数字に明るくないので視覚的に捉えられるように、グラフ化したほうが伝わりやすい、といったことなのです。グラフには、円グラフや棒グラフなどいろいろ種類があります。「売り上げ高の推移」なら折れ線グラフがわかりやすいかもしれません。伝えたい事柄には、どのグラフで見せると伝わりやすいか考えて作るようにしましょう。

「言葉で伝えるか、図で伝えるか」という話をしてきましたが、携帯やパソコンが広く普及した現在は、どのような形でアウトプットするか、ということも考えなくてはなりません。
 例えば、Aという経営者はオフィスワークの経験が長いので、パソコンの画面上でエクセルの表を見せると伝わりやすい、Bという経営者は現場の経験が主だから、プリントアウトしたほうが伝わりやすい、などです。営業経験が長い経営者なら、パワーポイントの資料を見慣れているかもしれません。このように、相手に合わせてアウトプットすることも大切です。
 ただし、すべてを相手に合わせてしまうと困ったことが起きる場合もあります。私のお客様の中で、「ホワイトボードを使った説明」が一番理解しやすいという方がいました。気付かれたかもしれませんが、「ホワイトボード」はお客様の手元に記録が残らないので後々になって「聞いていない」「〇〇だと思っていたのに……」など齟齬が多発することになってしまいました。こういったときには、本当は当日の説明を「ホワイトボード」で行い、後日学生時代に板書をノートに写したように「ホワイトボードをまとめたもの」をお届けするとよいのです。

結局は相手に合わせるということが一番重要なのですが、万能なツールなど存在しません。臨機応変に対応することで、相手の要望に応えつつ、自社の要望も伝えられるようにしていくのです。経営者や上司である皆さんにお聞きします。あなたはどのツールを活用し、どのように使い分けていますか。

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