訪問医療マッサージ集客の極意ー営業フォローアップ
アフターフォロー
ア フターフォローの前に、確認してみてもらいたいことがあります。これまでの連携先の「紹介状況」などを整理してみましょう。お膝元である地域の居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、医療機関のうち、上位2割から毎月お問い合わせが来ているのであれば、地域連携と事業の継続の観点では問題ありません。ただし、これまで紹介された患者さんが同じ事業所、または同じ担当者からの紹介が多い場合は、注意してください。いずれ、新規問い合わせがゼロになります。紹介とは、永遠に続くものではありません。偏ったリピートに頼っているということは、新規開拓できていないので紹介元の担当者が入れ代わり、事業所が廃止した場合には売り上げの源泉を失ってしまうので、事業の継続が困難になってしまいます。逆にリピートがなく、新規の事業所からの紹介ばかりである場合も注意が必要です。営業には力をいれているけども、本業である施術に関して何らかの問題があり、リピートにつながっていないのです。これはレストランでいうならば「提供する料理がまずい」「接客態度に問題がある」という状況なので、これもまた事業継続が危ぶまれるでしょう。
ここから「アフターフォロー」について説明していきます。アフターフォローを工夫をすることで、提供するサービスの質を高め、患者満足度を高め、紹介元である居宅や包括、医療機関よりリピートをもらえるようになるのです。患者さんにとって、地域に唯一の訪問医療マッサージ事業所であることをめざすには、このアフターフォローが重要な役割を果たすのです。
さて、そもそもアフターフォローというのは誰に対して行うものなのでしょうか。一つは紹介された顧客、つまり患者さんです。もう一つは紹介元である居宅介護支援事業所、地域包括支援センター・医療機関です。私たちは、この二つに対して細かく、そして丁寧にアフターフォローをする必要があります。後述で、アフターフォローを行うタイミングを六つご紹介したいと思います。
①新規問い合わせ
これは何度もお伝えしている通りですが、新規問い合わせがあったら必ず御礼をしなければなりません。問い合わせの内容にかかわらず、信用して連絡をいただいているのですから、それに対して感謝を伝える必要があります。問い合わせに対してはしっかりと電話で対応しその後、訪問することで再度感謝を伝えに行きます。相談内容がより具体的なものであれば、訪問することにより、細かい情報収集をすることができるのです。
また患者さんの情報をやり取りすることを通して、ケアマネジャーや相談員と比較的長い時間を共に過ごすことで、より信頼関係を構築することもできます。新規問い合わせにおけるタイミングのアフターフォローは、相手が必要としていることもあり、どの営業のタイミングよりも警戒心が薄く、効率のよい営業活動にもなるのです。
②事前面談
事前面談の重要性をお伝えしたと思いますが、事前面談ではより細かい患者情報を取得することができます。私たちは訪問医療マッサージの施術において、事前面談を実施していますが、その中には身体の不調を訴えるだけではなく、生活環境、家族関係、ケアマネジャーとの関係性、今後の人生相談、老人ホーム相談、お金の問題などこれまで誰かに相談したかったであろう悩みや不安を聞くことがあります。個人的な内容を聞くことに抵抗があるかもしれませんが、この悩みや不安を聞くことが介護の本質なのです。
本音を話してくれているということは、患者さんとご家族とのような信頼関係性を築けているという証拠にもなります。事前面談の内容は、月1度程度しか訪問の機会が取れない担当のケアマネジャーにとっては本当に得難い情報なので、しっかりと情報共有しましょう。
③お試し施術
「お試し施術」には、稀に担当のケアマネジャーが同席することがあります。それはより患者さんのことを大切に思っているケアマネジャーであり、お互いの信頼関係が築けていると考えてよいでしょう。私たちは、双方に満足してもらえるように施術し会話を交えながらコミュニケーションを図る必要があります。お試し施術時というものはケアマネジャーへのアピールタイムでもあるので、わかりやすい表現で身体状況や施術方法について説明してください。そうすれば、ケアマネジャーも施術について学ぶことができ、理解と納得、そして信用を得られれば次のリピートにもつながります。お試し施術に同席がなかった場合は、施術報告書を作成し持参するようにしましょう。より細かいアフターフォローは、相手の信頼を得るチャンスでもあるのです。
④初回施術後
「初回の施術後」はしっかりと報告書を作成して報告に出向きましょう。丁寧なフォローは、相手との信頼関係の構築の基本です。初めて訪問医療マッサージを利用するケアマネジャーは、大切なご利用者を預けることに多少なりとも不安を感じているものです。さまざまな医療・介護サービスを利用し、利用者の生活の質を向上させるのがケアマネジャーの役割です。中には、訪問医療マッサージを受けることで体調が悪くなる患者さんもいます。お試し施術時からの施術者と患者さんとのコミュニケーションが図れていなければ、精神面から身体の不調を訴えるケースも出てきます。どんな結果であろうとも、正直に報告することが誠実な対応といえるのです。
⑤サービス継続中
訪問医療マッサージは、患者さんによっては5年以上も長く利用する人もいます。身体状況が改善されていないということではあるのですが、季節により入院される場合や亡くなる場合もある中で、長く利用してもらえることは施術者にとって、ほっとすることでもあります。また、長く継続して利用してもらえるということは、満足してもらえている証拠でもあるのです。
日ごろ、私たちは毎月の報告書を提出していますが、提出するときというのは、ケアマネジャーや相談員との関係性を深めるチャンスでもあります。サービス継続中というのはリピートをもらいやすい状態にあるので、毎月の報告書を手紙で郵送するだけではなく、手紙では書けないような細かな要素もまとめ、訪問して直接伝えるようにしましょう。ケアマネジャーは基本的には月1回程度、利用者宅を訪問しますが、それだけでは中々コミュニケーションが図れないのが現実です。私たちのような訪問系サービスを提供している事業所が訪問することで得られる患者さん情報は多く、その提供をケアマネジャーは待っているともいえるのです。
⑥サービス終了後
患者さんが入院、逝去、またはクレームなど何らかの理由でサービスが終了することがあります。昨今のコロナ禍では、一時的にストップすることもよくあります。一時的でも完全にサービスが終了しても、その報告と理由については正確に伝えなければなりません。
入院や逝去といったどうしようもない理由は防ぐことができませんが、報告を躊躇することはないでしょう。しかし、クレームや身体不調などは報告を躊躇う気持ちが出てしまうかもしれません。「自分たちが悪かった」という点を、何となくぼかしていい繕ってしまうこともあるかもしれません。このような態度は、担当ケアマネジャーには嘘を見抜かれていると思って間違いありません。相手に嘘をつくフォローはフォローではありません。関係悪化を招くだけなので、正直に伝えることを心がけてください。
クレームや身体不調などは、事前に防ぐことができます。そのためには、いかに営業担当者と施術者が日ごろからコミュニケーションをとっているか、情報共有をしているかが鍵になります。多くの事業所は、クレームや身体不調について正直に担当ケアマネジャーへ報告していないように思えます。
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