<後輩学生向け>アドリブどうでしょう
本記事はOBのおじさんがよく書く、いわゆる巻物というやつです。
コロナ禍は考慮にいれずに書いているため非現実的かもしれません。すみません。
アドリブが吹けるといいことがある?
ビッグバンドやっている学生の方は社会人になっても音楽を続けていきたいと思うだろうか。
社会人になって見知らぬ地でビッグバンドを続けていくのであれば一芸があったほうが様々なバンドに拾ってもらいやすくなります。
例えばジャズトランペッターの一芸は大きく分けて、ハイノート系(ビッグバンドでいうLead)とアドリブソロ系(ビッグバンドでいう2nd/4th)になると思っています。
絶対数でいうとLeadタイプよりもアドリブソロタイプのほうが少なく希少価値が多分あります。(個人の感想です)
自分の場合は、Nu Jazz系のバンドのソロ演奏を観た現在のバンドのコンマスからスカウトされ、長い間ビッグバンドでソロを吹かせてもらっています。
またビッグバンド以外でも、ジャムセッションでは幅広い年代の方と楽しく演奏する機会を得ることが出来、ビッグバンドと併せて途切れることなく交友関係を広げることが出来ています。
アドリブが吹ける→楽しく音楽を続けやすくなる→友達も増えて楽しい、みたいな単純な図式は今後も使えると思っています。コミュ障の部類に入る人ほど使えるパターンかなと。(自分もコミュ障なので)
上記が前置きで、アドリブが吹けるときっといいことがあるので吹けるようになりましょうという詐欺のような話です。
ただ、アドリブが吹けるようになるというためには、今までやってきたビッグバンドの譜面を吹けるようになるということとは全く違う学習をしなければならないということです。
ビッグバンドの上達
スイングとは。ダイナミクス、イントネーション、リズム、リードプレイ、セクションプレイなどについて。
アドリブソロの上達
コード進行に対してどのように音を選んでいくか。
自分はこのあたりの学習が非常に効率が悪く、長い間迷走したので、その失敗例を次に書きます。
ちなみに本記事を読んでもアドリブの技術は全く向上しません。
私のアドリブ学習の失敗事例
大学一年
・ジャズ・音楽理論に対する知識が白紙。
・現役の先輩たちはまったくアドリブソロを吹けない。教えを乞うことが出来ない。
・とにかくリズム隊がバッキングをしているときに、勇気をもってやみくもに音を出すことしか出来ず。しかし他の人はそれすらやらないのでどんどんソロを回される。打席だけはやたら多いが何をしたら正解かわからない。
大学二年
・どうやら、コードとかキーとかを知らないといけないらしい。
大学三年
・#とbが少なければなんとなくあっていそうな音を探せる。
・耳コピで局所的にジャズらしさを取り込む
大学四年
・コピーとアドリブをブレンドしながら演奏。
・キーの移り変わりは表現できるように。
大学院
・12Keyのメジャースケール、ビバップスケール練習、シンプルなコードのアルペジオを練習し続ける。(後に役に立つ)
社会人
・何人かプロのレッスンをとる。ようやく基本的な概念を知り、何を練習すべきかを理解する。
・やっとスタートラインに立つ
・仕事をしながら練習(もちろん学生時のときほど時間は取れない)
上記が私が経験した悪い学習の例です。学生時代の無駄な行いの数々が目立ちます。知識が無い状態で、何年マイナスワン音源と向き合っても、音感が若干育つ以外学習効果はあまりなかったかと思います。逆に知識を得てからは練習すればするほど演奏の内容が変わってくるので充実感が得られます。
こんなやり方はどうか
初手を誤らない
最初に正しい知識、アプローチを学ぶことができれば、無駄な練習・虚無な本番を省くことができます。このプロセスをいかに早い段階で差し込めるかが鍵かと思います。知識を与えてくれる先生を探しましょう。デキる先輩がいればその人に、そうでなければ地域周辺のプロに目を向けましょう。プロのほうが知識の精度もさることながら人に教える技術に長けている人も多いです。
楽器にこだわらない
地域によっては自分の楽器のプロがいないこともあります。そんなときは効率は落ちますが他の楽器で活躍しているプロにお願いしましょう。ラッパがいなければサックスの先生のレッスンをとるのもありですね。学ぶのは器楽奏法ではなくアドリブの手法なので。
稼ごう
プロに師事するにはお金が必要です。また単発のレッスンで全てを理解することはできません。レッスンでの知識習得→自主訓練→レッスンでのフィードバック、というサイクルが必要になるので、継続的なレッスンを一定期間は受け続ける必要があります。要はお金がまぁまぁかかります(イメージ的には1回5000円くらいから)。でも学生でも払える額だと思います、頑張ってバイトしましょう。
高価な楽器を買わない
親に借金して30万以上する楽器を買う人を沢山見ました。今は東京に出れば安くて良い楽器も沢山あるので、楽器にかけるお金を半額にしてのこり半額をレッスンやセッション代につかってみてはいかがでしょうか。
アドリブで楽しい音楽人生を
以上、こんなやり方したら、大学卒業するころには結構アドリブが取れるプレーヤーになって、社会人になっても音楽人生を楽しめるんじゃないかという私の妄想でした。ご参考まで。
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