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ryo_noda
弱男の正体 社会の歪みが生み出す新たな危機と処方箋 感想
読んでみて、正直なところ、心にズシリとくる内容でした。「弱男」という言葉には、揶揄や偏見が込められていることが多いですが、この本はその表面を取り払って、本質に迫っています。社会の片隅に追いやられた彼らの存在を軽視してはいけない、と改めて考えさせられました。この本の中で特に心を打たれたのは、「弱男」の心境が赤裸々に語られる部分です。ある投稿者の言葉、「生きてても何の希望も持てない人は暴れたらいいと思うよ」という一節は、胸が痛むほど印象的でした。この言葉には、彼らが感じる絶望や孤独がそのまま詰まっているように思います。もちろん、暴力が許されるわけではありません。でも、このような言葉が生まれる背景を考えると、ただ非難するだけでは何も変わらないと感じました。
この本を読んで、まず一番に思ったのは、「弱男」という存在を作り出したのは、私たちが暮らすこの社会そのものだということです。非正規雇用の増加、競争至上主義、教育や労働の仕組みの歪み…。