178万円の壁 年収アップの新常識 パート・主婦・学生必見! 税金・社会保険のカラクリを完全解説 感想
心を動かされたのは、第1章で「年収の壁」がもたらす不利益について、丁寧に数字で解説していた箇所です。例えば、年収100万円のパート主婦が103万円を超えると、税金や配偶者控除の変化で手取りが減るという現実。さらに、106万円を超えた瞬間に社会保険料の負担が急増し、手取りが激減する仕組みには驚きを隠せませんでした。「働けば働くほど損をする」という現状に、筆者は「この矛盾が人々の労働意欲を奪い、社会全体の損失を生んでいる」と指摘します。この問題を日常的に考える機会がなかった自分にとって、具体的な数字を通じてその深刻さを体感できたことは大きな収穫でした!
また、178万円という数字の背景も興味深かったです。
30年前の最低賃金を考慮し、現代の賃金水準に合わせて控除額を引き上げるという考え方は合理的で、これにより多くの労働者が自由に働けるようになる可能性が示されています。
特に第6章の「新たな働き方の可能性」の章では、178万円の壁が導入されることで、ギグエコノミーや副業の推進につながる点に共感しました。柔軟な働き方を許容する制度設計が、人生100年時代におけるキャリアの多様性を支える基盤となると感じました。
個人的には、この本を読んで「働く意欲を奪う税制や制度が、本当に公平なのか?」という問いが浮かびました。また、「社会保障制度を維持しながら、労働者が自由に働ける環境を作るためには何が必要か」を深く考えるきっかけをもらいました!