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【マッチレビュー】2024J1第33節 ガンバ大阪vsコンサドーレ札幌
〈システム〉
ガンバ大阪のフォーメーションは4-2-3-1。この試合では岸本が右サイドバックの先発を飾り、ダワンと美藤のダブルボランチでスタートする。2列目は山下、山田、福田の3人でワントップに坂本と、多少メンバーを入れ替えてきた。一方のコンサドーレ札幌は3-4-1-2のシステムで試合に臨んだ。
〈前半の展望〉
立ち上がりにガンバはいきなりチャンスを迎える。2分、右サイドからの攻撃をやり直して後方に戻した際に中盤の脇のスペースを取った黒川のもとにパスが入り黒川は前に抜け出す坂本へ。坂本に繋がったあとにエリア内にボールがこぼれたが上手くフィニッシュにまでは行けず。ゴールにはならなかったがサイドチェンジでの揺さぶりから好機を演出する。その後も7分のゴールキックからの場面では坂本が少し下がった後ろのスペースに福田が走りこんでいくなど序盤から狙いのある攻撃で札幌の守備の隙を突いていこうとする。
しかし、8分に札幌の背後へのボールに対して福岡がボールを回収した後に相手フォワードのプレスに捕まり処理を誤りボールを奪われ、そのままゴールに繋げられ前半の早い時間帯でガンバは先制点を許してしまった。
苦しい入りとなったガンバは札幌のマンツーマンディフェンスにやや手を焼くことに。札幌は人でマークを捕まえに行き、ガンバの選手が降りてきたり横に流れてきたりとポジションを変えるアクションを起こしても基本的には自分のマークを離さず付いていき対応してきた。また、前線からプレスをかけに来られるとパスコースを作ることができずにビルドアップが見込めずボールを捨てる状況になってしまうこともありプレスを剥がせないイメージは拭えなかった。
反撃したいガンバは17分、ダワンが相手のパスをカットし坂本のフリックを受けて自ら持ち運んでいき相手を引き付けたあとに並走する坂本へパスを送り、スペースが出来た坂本はフリーでミドルレンジからシュートを放つも相手キーパーに触られたシュートはクロスバーを叩きゴールは奪えず。ただ坂本自身のプレーは調子が良さそうでありプレスバックから中盤でボールを奪って抜け出す山下へスルーパスを通したり、少し下がって後方からのパスを引き出し受けた後も前を向いてボールを前に付けたりと攻撃の起点としての役割と担っていた。27分には良い動き出しから相手の背後に抜けてボールを引き出すシーンもあったが中々シュートを打つまでには至らない。30分過ぎには中谷の縦パスを坂本がワンタッチで落として中に入っていた岸本へ。岸本は裏に抜ける山下へとパスを送ったが相手ディフェンスに上手く対応された。
突破口は掴みつつある中で39分、ボールサイドを変えて降りてきた山田が中盤のスペースをドリブルで運んでいきそこからダワン、坂本と繋いでパスを出したあと走りこんでいた山田にボールが戻りトラップからシュートに持ち込むもバーに弾かれゴールならず。何度か良い形から守備を崩していったが同点には追いつけず1点ビハインドで前半を終える。
〈後半の展望〉
後半開始早々51分にガンバはボールを受けたダワンが空いた中盤のスペースを自ら運んで持ち上がっていき最後は坂本がシュートを放つも枠を捉えきれない。
後半の入りにガンバはまず一つフィニッシュまで行きそこからシュートチャンスを増やしていきたかったが、後半は前半よりも攻撃のペースが落ち流れを掴めない。アタッキングサードに入っても前線の枚数が足りておらず簡単に攻撃を防がれ、押し込む状況になったとしても選手の動きが上下しかなく単調となっているので相手のマークを外すことができず何も起きない状態に陥っていた。チャンスに繋がりそうな場面でもアクションを起こす選手が少なくスプリントしていないので守備を攪乱できず折角のチャンスをフイにしてしまっていた。
足が止まってきている中で84分、ガンバはコーナーキックのこぼれ球を拾って途中出場の半田がポケットに走りこんでフリーの状態からクロスを上げて中谷が飛び込むもタイミングが上手く合わずにヘディングシュートは枠を外れる。
攻め手がなく試合はアディショナルタイムに突入したが宇佐美のクロスにダワンが合わせたボールが相手のハンドとなってPKを獲得し、緊張感漂う中で宇佐美がこのPKを決めて終盤にガンバが同点に追いつく。
何とかスコアを振り出しに戻しこのまま試合が終わると思われたが、試合終了間際、半田がダワンとのパス交換で相手を外しダワンのパスが乱れたがギリギリ繋いで山田に渡り山田はダイレクトで落として宇佐美へ預ける。宇佐美はトラップで相手と入れ替わりエリア内に入りそこから鋭い切り返しで相手を躱してから右脚を振りぬき、これがゴールイン。土壇場の土壇場でガンバが逆転し、試合終了。劇的展開でガンバが2-1の逆転勝ちを収めた。
〈まとめ〉
長らく勝利から遠ざかっており、この試合も敗北濃厚だったが、終盤での宇佐美の2発で久しぶりの白星を挙げることが出来た。最後まで諦めずに戦いそれがドラマチックな形で勝利に結びついたことは良かったが、試合内容を冷静に振り返ってみると改善点は多く見受けられる。中断期間に入るが、この勝ちを無駄にしないためにもこの間に修正できる箇所はしっかりと修正し次も勝てるようにしていきたい。