キャリアって一体なに?に答えます。
あなたは、「キャリア」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
なんとなく仕事に関すること? 経歴? 生き方?
キャリアアップ、キャリアチェンジなどなどいろんなところで使われているものの、バシッと「キャリアというのは〇〇だ!」と言えますか?
私ははっきりと自信を持ってこうだと言えません。同じように、「キャリアってなに?」と聞かれて迷いが生じる方。まず、「キャリア」という言葉がどういう意味で使われているかおさらいしましょう。
1.キャリアの定義とは?
まずは、役所の定義を見てみましょう。
👩⚕️厚生労働省の定義
「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳されます。
あくまで、仕事に関わる経歴ということですね。
🏃♀️文部科学省の定義
「個々人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の連鎖及びその過程における自己と働くこととの関係づけや価値付けの累積」
こちらは、生き方、送ってきた人生に近い表現です。
キャリアという言葉には、大きく分けて二つの意味があります。
📘ワークキャリア:厚生労働省の定義にあるようなキャリア=狭義のキャリア、仕事生活を中心とするキャリア
📙ライフキャリア:文部科学省の定義にあるようなキャリア=広義のキャリア、個人の人生とその生き方をあらわすキャリア
まずは、ワークキャリアについて詳しくみていきましょう。
2.ワークキャリアのステップ
ワークキャリア=仕事に関するキャリアは、大きく五つの段階に分けられます。
⏫ワークキャリア5段階
①準備期:「社会、仕事の上での自立」の基盤を作るための時期。学生時代。
②参入期:学生から職業人に移行する時期。
③発展期:ライフステージに合わせて、職業生活の見直しなどをする節目の時期。
④円熟期:リタイア後の生活を考える時期。
⑤引退期:老年への過渡期。
U25世代は準備期・参入期の人が多いでしょう。今のうちにその先を見据えたキャリア選択を行っていくことが大切です。
2−1.キャリアアップとはなにか?
「キャリアアップ」という言葉があります。私は、「一体どういう状態をもってキャリアが上がっていると考えるんだろう…?」と思ったことがありました。お金なのか、立場なのか? そういう指標が変化しているわけではない場合、「上がっている」と捉えるかどうかは個々人の価値観にもよる気がする。一体なにを意味しているのでしょうか?
⬆️キャリアアップの2つの意味
・専門的知識を身につけ、能力を向上させて経歴を高めること
・現職より収入が多い仕事をえたり、ポジションが上がるなど市場価値を高めること
能力の向上、市場価値の向上というのがキーワードになるみたいですね。
基本的には、経験がある業界や職種での能力の向上や市場価値の向上を指すようです。
キャリアチェンジという言葉も耳にしますが、これはキャリアアップという言葉と意味が異なります。
↔️キャリアチェンジの意味
未経験の業界や職種への転職(業界、職種のどちらかだけが未経験の場合も含む)
例えば、同じ業界の中で、エンジニア→コンサルタントの転職などはキャリアチェンジにあたります。転職をせず、勤務する会社の中で管理職などに昇進や昇格をするのはキャリアアップです。
2−3.ワークキャリアとお金
ワークキャリアについて考える中で、密接に関わってくるのが収入です。キャリアアップという言葉にも収入を上げるという意味が含まれていますよね。
仕事における収入アップのタイミングとは?
💰会社員の給与が増えるチャンス
・社内での昇給(基本給の上昇。ポジションが上に行くほど上がることが多い)
・社内で手当をもらう(資格取得など。基本給にプラスされるもの。)
・社外への転職のタイミング(より給与の高い職を得る)
・会社の業績が上がる(賞与などの金額が上がる)
💵フリーランスの収入が増えるチャンスは?
収入の形態が多様なため一概には言えませんが、フリーランスの収入は時間給や案件ごとにお金をもらうなどのパターンが多いです。収入を上げるためには、案件の数を増やしたり、交渉などで報酬を上げるなどの方法が考えられます。
そのほかアルバイトや起業など、いろいろな働き方があります。収入を上げるという観点では、起業した場合最終的に会社の業績を上げることが収入アップにつながるでしょう。またアルバイトなどでは、扱っている商品についての知識を高めたり、技能を高めたりすることで時給が上がるパターンがあります。
💸仕事による収入を増やすそのほかの選択肢:副業
代表的なものはライター、アフィリエイト、モニターなどなど。
現状どんどん副業自由化への流れが強まっていますが、会社によっては、競合他社での副業が禁止だったり副業自体が禁止だったりするので規約をしっかりと確認してトラブルを回避してください。
また、副業ビジネスといって登録料や高額な機材の購入を求めたり、高価な情報商材を売りつけたりといった悪質なケースもあるので、知らないプラットフォームや仲介人などを通じて副業を始める際には十分に注意してください。
資産運用など、仕事以外でお金を増やすことについてはこちらの記事を参照してください!
⚠️高い収入が欲しい人に注意して欲しいこと⚠️
「楽して高い給料をもらう」のは、今後転職を選択肢に入れている場合は危険です。転職市場における評価と給与が乖離している場合、転職をするときに収入が下がってしまう危険性が高くなってしまうのです。キャリア選択の際は給与だけを見るのではなく、仕事の中でそれに見合ったスキルを身につけられるかどうかを見極めましょう。
2−4.市場価値の高いキャリアとは?
今もらっているお金が適正なのかどうかを考える上で、転職市場において、キャリアが客観的にどう判断されるのかが気になるところです。転職市場におけるキャリアの評価基準は以下の通りです。
💯転職市場でのキャリアの評価基準
・技術、知識を示す経験
・転職回数や前職などを含めた転職履歴
・日本特有の判断基準である年齢
・人となりを表す考え方や人間性
・景況感とトレンド
これらの掛け合わせが、転職市場における評価につながるということです。あくまで客観的な見方(一例)なので、自分自身の価値観と照らし合わせつつ、うまくバランスをとると吉です。
3.ライフキャリアってなに?
人生における時間軸と役割
個人の生き方や活動全てを指すライフキャリア。キャリアの中にボランティア活動や子育て、地域活動や趣味なども含めます。
下図のライフ・キャリア・レインボーは、人生における、それぞれの人が果たす役割と時間軸をまとめた図です。
👶主な労働者以外の役割(ライフ・キャリア・レインボーによる)
・子ども
・学生
・余暇を楽しむ人
・市民
・配偶者
・親
ライフキャリアの発達段階に応じて、それぞれの役割を担う割合が異なります。
大切なのは、上の図で虹として示されているように、1人の人が時期によっては複数の役割を果たすということ、そして役割遂行に投入する時間とエネルギーは人によって大きく違うということです。上記のどれかの役割を人生の中では果たさないという選択も含めて、ライフキャリアの形成にはその人の価値観が色濃く反映されることになるのです。
ライフキャリアとは、人間の一生を通じて各種の役割を果たしながらダイナミックに変化し、長い時間をかけて形成されるというのがライフ・キャリア・レインボーの考え方です。
人生の方向性を左右する大きな課題
さらに、人生の目的や方向性を決めていくのが下記の人生設計における6つの課題です。
人生設計の中での重要な6つの課題
・グローバルな状況を変化させるための仕事を選択する
・人生を意味ある全体像の中に織り込む
・家庭と仕事の間を結ぶ
・多様性と統合性を大切にする
・個人の転機と組織変革に対処する
・精神性、人生の目的・意味を探究する
(谷内篤博,働く意味とキャリア形成,勁草書房,p181−182)
仕事は人生の中で大きなウェイトを占めますが、学習、余暇、愛など、そのほかの人生の役割とうまくバランスをとることが大切です。
そのバランスは、自分が今人生の時間軸のどこに位置しているのか、そして、人生の中でどんな課題に取り組みそれによってなにを実現したいのかによって変わってきます。
4.キャリアとは生き方そのものである
ワークキャリアとライフキャリアは統合されるものであり、それは人の生き方そのものです。そのプロセスにはそれぞれの人生哲学、価値観が強く反映されます。
ここで、キャリア・アンカーという概念を紹介します。
キャリア・アンカー:選択を迫られた時に、その人が最も放棄したがらない欲求や価値観、能力。キャリアのあり方を方向づける錨⚓️。
(谷内篤博,働く意味とキャリア形成,勁草書房,p181−182)
キャリア・アンカーは、主観的な三つの要素から成り立ちます。
⚓️キャリア・アンカー三つの要素⚓️
・自覚された才能と能力:実際の成功体験に基づき、自分はなにが得意でなにが苦手かということ。
・自覚された動機と欲求:自分が一体なにをしたいのか、なにを望んでいるのかということ。
・自覚された態度と価値:譲れない原則、誇り、社会にどのような形で役立ちたいのかなどの自分にとってのキャリアに対する価値。
(谷内篤博,働く意味とキャリア形成,勁草書房,p181−182)
キャリア・アンカーは、仕事や人生における経験を踏まえて、自己洞察や内省を増やすことで安定していきます。
それぞれがキャリアを積んでいき、自分を知ることでキャリアの根底となる価値観も定まっていく。そしてその元となる人生経験は一人一人全く違います。キャリアは十人十色。一つとして同じものはなく、キャリアを考えるということは突き詰めると自分と向き合うことでしかないのです。
この記事を読んで自分だけのキャリアをどう組み立てていくかに興味を持ってくれた方。ぜひ、来週7月20日(月)に公開される自己実現についての記事で、より深く自分自身の価値観を見直してみてください!
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