視床損傷のリハビリテーション(神経システムの理解、脳画像の診方、評価項目選定、治療戦略立案、治療の具体例)
脳卒中のリハビリテーションってめっちゃ悩みませんか?
脳卒中のリハビリテーションについては
・何をどのように評価していいかわからない
・評価結果をどのようにアプローチに繋げていいかわからない
・脳機能と症状との関係を捉えにくい
・脳のリハビリなのに気がつけば身体機能的なアプローチばかりしている
・脳画像をどのように臨床に活かせばよいかわからない
などなど、キリが無いほど悩み相談を受けることがあります。
実際の臨床では、脳画像を確認し、予測される機能障害との一致度を検討し、一致していない部分はどうしてかを考察する。
そして、損傷部位に応じた病態把握を行い、適切な評価手段を用いて評価し、結果を解釈しアプローチにつなげる、という流れが必要になります。
脳卒中のリハビリがよくわからない方の最大の共通点、それは、、、
「損傷部位における神経システムが、具体的にどのような問題として現れやすいか」を理解できていない事にあるんです。
脳卒中リハビリテーションで結果を出せないでいると
まず、自分が提供するリハビリテーションに自信を持てなくなります。
すると常に不安を抱えながらリハビリを行う事になるので、対象者への態度にも自信のなさが表れます。
「なんで私はうまく動けないんですか?」
と聞かれた際に、ごまかして説明してしまいがちになります。
もう悪循環真っ只中です。負のループです。
抜け出し方がわからなくなります。
「損傷部位別リハビリのポイント解説note」の出番です
このnoteは、臨床でよく遭遇する脳卒中の損傷部位に焦点を当てています。
損傷部位の脳画像の見方、神経システムの理解により、予測される症状を確認する。
そこから必要な評価が考えられ、評価結果に応じたアプローチが組み立てられる。
そのようなことを目指して作りました。
もちろん、症状には個人差がありますが、ベーシックな考え方ができるように内容が構成されています。
患者様に、症状の出方やアプローチの考え方を説明する際にも、もちろん使える内容になっています。
マガジンでは脳卒中損傷部位別の記事を確認できます
脳卒中リハビリテーションの臨床場面でよく遭遇する
・視床
・大脳基底核
・橋
・小脳
に対するリハビリテーションの考え方と実践についてのマガジンです。
脳画像の読影ができ、神経システムとの関係性の理解が進めば、なぜその症状が出現しているのかがわかります。
すると、評価や治療で行うべきことが把握できるようになります。
マガジンを購入していただくと、4部位がセットで 1480円となっています。
専門書はお値段が高く、少しでも皆様のお手元に渡りやすいと思われる値段設定にしました。
おかげさまでマガジン購入者100部突破しました。
貴重な時間を無駄にしないために、できるだけ端的に、臨床場面に活かせるような内容にしました。
私見も含まれているため、臨床応用する場合は慎重に行ってください。
このマガジンが皆様の臨床の手助けになれば幸いです。
脳卒中や高次脳機能障害に関するマガジン
視床の概要
視床について
視床は中枢神経系で最も大きな灰白質の塊です。
視床では嗅覚以外の全ての感覚情報を処理し大脳皮質へ送る、中継核としての役割があります。
運動制御に関連する核も存在し、運動野や大脳基底核、小脳などとの連絡もあります。
その他に、情動や記憶、上行性網様体賦活系(大脳の覚醒に関連する)に働く核があります。
視床はY字型の内側髄板により、前核、内側核、外側核に分かれます。
視床は内包後脚の後内側に存在します。
視床の脳画像の診方
視床はどこにあるか
視床出血における脳画像を見る際には、視床のどの部分が損傷を受けていて、それがどのような障害を引き起こす部位なのかを理解しておく必要があります。
上図は、側脳室前角、後角が見えるスライスレベルの脳画像です。
このレベルのスライスが視床の損傷を把握するのに役立ちます。
視床核を細かく見ていくと、おおよそ上図ような配置になっています。
A:前核群(Anterior nuclei)
MD:背内側核(Medial dorsal nucleus)
VA:前腹側核(Ventral anterior nucleus)
VL:外腹側核(Ventral lateral nucleus)
VPM:後内側腹側核(Ventral posteromedial nucleus)
VPL:後外側腹側核(Ventral posterolateral nucleus)
LD:背外側核(Lateral dorsal nucleus)
LP:後外側核(Lateral posteior nucleus)
PUL:視床沈核(Pulvinar nuclei)
MG:内側膝状体(Medial geniculate body)
LG:外側膝状体(Lateral geniculate body)
視床核の役割(臨床における重要な核)
視床には、120個の核があるとも言われていますが、その中でも臨床において重要な核を見ていきます。
内側膝状体(MG:Medial geniculate body)
入力:聴神経
出力聴覚野
聴覚に関連します。
外側膝状体(LG:Lateral geniculate body)
入力:視神経
出力:視覚野
視覚に関連
背内側核(MD:Medial dorsal nucleus)
入出力:扁桃体、前頭前野
注意、情動、遂行機能に関連
前腹側核(VA:Ventral anterior nucleus)
入力:基底核、小脳
出力:運動前野、補足運動野
運動プログラム、姿勢制御に関連
外側腹側核(VL:Ventral lateral nucleus)
入力:基底核、小脳
出力:運動野
精緻運動に関連
後外側腹側核(VPL:Ventral posterolateral nucleus)、後内側腹側核(VPM:Ventral posteromedial nucleus)
入力:内側毛帯、脊髄視床路
出力:体性感覚野
四肢体幹の体性感覚、後内側腹側核は顔面感覚に関連
視床沈(PUL:Pulvinar nuclei)
入力:後頭連合野
出力:下頭頂小葉
視覚的注意、言語に関連
前核(A:Anterior nuclei)
入力:乳頭体
出力:帯状回
記憶に関連
背外側核(LD:Lateral dorsal nucleus)
入手出力:楔前部
空間認知、記憶に関連
後外側核(LP:Lateral posteior nucleus)
入出力:上頭頂小葉
空間認知に関連
内側髄板(IL)
入力:脳幹網様体
出力:大脳皮質全般
覚醒に関連
視床後外側部
入力:前庭神経
出力:前庭皮質
平衡機能に関連
視床の脳画像の具体的な見方(視床の中の中心を見つける)
視床の中に、縦横それぞれの中心線を書き込みます。
横線に近い線を中心溝だと思えば、脳においては前は運動で後ろは感覚に関する領域と捉えることができます。
すると、VA・VL核は運動に関する核で、VPL・VPMは感覚に関する核になります。
そして、内側にあるものはA(情動、記憶)、MD(情動)
後方にあるものはLG(視覚)、MG(聴覚)に関する核になります。
具体的に予測される障害を確認する
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