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(今日の言葉9)昭和と平成の「経営の神様」に学ぶ謙虚さの真髄

私は「謙虚さはお守りのようなものだ」と稲盛さんから教えてもらいました。

(引用)『運命をひらく生き方ノート』太田嘉仁、致知出版社、2024年、61頁


これは、京セラやKDDIの創業者で「平成の経営の神様」と呼ばれる稲盛和夫氏に約30年間お仕えした太田嘉仁氏がノートに書き記していた言葉の一つです。稲盛氏がこの言葉を言われた背景には、太田氏が稲盛氏の秘書になった最初の頃、会長室で一緒にうどんを食べた時のエピソードがあります。太田氏が近くにあった七味唐辛子をうどんにかけてそのままにしていたところ、稲盛氏は「なぜ、俺に渡さないんだ。謙虚さがなくなったんじゃないか?謙虚は魔除けだぞ」と叱られたそうです。
一方、パナソニック(旧松下電器産業)の創業者で「昭和の経営の神様」と言われた松下幸之助氏も同様のことを言われています。

「いくら地位が上がっても、謙虚さを失ってはいけないと思う。というより、むしろ地位が上がれば上がるほど、ますます謙虚にへりくだるという面が必要でないかと思う」。

(引用)『[新装版]指導者の条件』、松下幸之助、株式会社PHP研究所、2006年、59頁


では、なぜリーダーに謙虚さが必要なのでしょうか。太田氏による『運命をひらく生き方ノート』では、「謙虚さがなくなると誰も協力してくれなくなる」と書かれています。また、松下幸之助氏も書籍で述べているように、リーダーシップの役割が大きくなるほど、自我が出やすくなり、謙虚さが試される場面が増えるのです。

以下に、私が考える謙虚さが必要な理由を挙げます。

1. 権力と責任

リーダーは多くの権力と責任を持つため、自分の意見や判断が絶対的だと感じやすくなります。しかし、謙虚さを持つことで、他人の意見や助けを受け入れやすくなり、より良い決定を下すことができます。

2. 対人力

謙虚なリーダーは、チームメンバーとの良好な関係を維持しやすく、信頼と尊敬を得ることができます。これにより、チーム全体のパフォーマンスが向上します。

さらに、太田氏は書籍の中で「謙虚さの中で一番大切なことは、自分の心の弱さを素直に認めることではないでしょうか」と述べています。私も危機管理部署にいた経験から、リーダーになればなるほど孤独を感じることが多いと実感しています。しかし、一刻を争う事態のとき、常に誰かの助けや部下からの情報を求め、ともに「次の一手」を考えていけるリーダーこそ、いざという時の判断に迷わないのだと思います。

昭和と平成の「経営の神様」が口を揃えて

「指導者は地位が高くなればなるほど謙虚でありたい」

と言われます。

謙虚になることは簡単そうで難しい課題ですが、これから私も仕事の実践の中で「謙虚さ」を意識していきたいと思います。

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