【薩摩会議 : Transformation x スタートアップ】 地域という起業の土壌を柔らかくするために
この記事は薩摩会議Day2に行われるTransformation x スタートアップの事前記事です。薩摩会議のセッションで議論の前提となる現状と課題について書いてみました。ここにある問題の回答となるどんなアクションが生み出されるかは当日のセッションをお楽しみに!(文責 小平)
ウェルビーイングと成長戦略
どこの県も起業支援をやっています。いわゆるスタートアップ(※革新的な技術を用いて短期間で爆発的に成長する新興起業、株式発行による増資の手法で資金調達をすることが多い)を育てたいというのがその目的です。またそのためのコワーキング施設は鹿児島でも急に増えました。なぜ、地域はスタートアップを生み出す起業支援を行う必要があるのでしょう。参考になるのは富山県の成長戦略です。
富山県成長戦略では「県民の真の幸せ(ウェルビーイング)を増やすため」に成長が必要だと書かれています。ウェルビーイングは単に収入が多いとか、健康だというだけでなく、「心身的、精神的、社会的に満ち足りていて、調和が取れている状況」を指します。
富山成長戦略のスタートアップ支援
引用元: 富山県成長戦略HP
富山県成長戦略ではウェルビーイングのために上記の6個の手段を挙げており、5個目にスタートアップの支援をあげています。
つまり、新しい企業、産業が生まれないとその地域の稼ぐ力がなくなります。また、挑戦する人たちを応援する風土でないと、その土地の魅力もなくなって幸せな未来が保てなくなるからスタートアップを支援しないといけないということです。そのために「固くなっている土地を耕し、挑戦を応援する土壌を築いていきましょう。」と書いていまし。
鹿児島の起業の土壌の状況は
引用元: 2021年 Japan Startup Finance 〜国内スタートアップ資金調達動向決定版〜
翻って、鹿児島はどうかというと、2021年、全国で1900社が約7500億円の資金調達を行なったのにも関わらず、鹿児島で資金調達を行なった会社は0件という調査結果があります(2021年 Japan Startup Finance 〜国内スタートアップ資金調達動向決定版〜)。つまり、鹿児島のスタートアップが育つ土壌はカチカチで空気もないし、ミミズもいない痩せた土壌です。
若く優秀な人間がそんな痩せた土地に根を張ろうと思うでしょうか?鹿児島の未来を豊かにする植物がそんなカチコチの土地から育つでしょうか?それには悲観的にならざるを得ないです。じゃあどうする?
誰が土地を耕すか?誰が種を蒔いて根をはるか?
4/23(土)に行われる薩摩会議。そのなかのTransformation x スタートアップのセッションの目的は議論をすること自体ではなく、議論を通じて具体的なアクションを生み出すことにあります。
【鹿児島のスタートアップエコシステムの芽生え】
スタートアップ文化のない鹿児島でようやくスタートアップを産み、育む生態系(エコシステム)が産まれようとしています。鹿児島銀行に勤務しつつ起業家育成プロジェクトを行うSMASH山内さん、九州全土でスタートアップ育成プロジェクトを仕掛けるデロイトベンチャーサポート香月さん、鹿児島を代表する医療IoTスタートアップのAMI社の小川さんの3名が「鹿児島のスタートアップエコシステムの芽生え」をテーマに鹿児島で挑戦を支えるエコシステムを産み出すために必要なこと、これから行いたいことを議論します。
東京から有名な投資家をお呼びするという選択肢もあるのですが、このスタートアップセッションでは、実際に鹿児島の九州のスタートアップが育つ土壌に関わる3名をお呼びしました。鹿児島で耕し続けている山内さん、九州全域で耕している香月さん、痩せた大地に大きな花を咲かせようとしている小川さんの3名が、どう耕し、どう種を蒔き、育った芽を大きく育てるのかを議論する予定です。司会の私もどうなるか予想ができない当日の議論をお楽しみに!
薩摩会議のチケットの購入方法は以下の記事をご覧ください。リアル参加チケットはあとわずかなので、お早めに!