見出し画像

【SELF アクション】CN分科会スピンオフ企画 「新しい"家”を作ろう」#001

(書き手 SELF編集部 小平)

※日曜までは無料で公開されます。

【SELF アクション】#003 カーボンニュートラル分科会活動報告 2021年9月 の記事で「プロジェクト②オフグリッド型資源循環コンテナハウスの開発」プロジェクトがスタートすると発表しました。この記事はその「コンテナハウス開発」改め「新しい“家“を開発する」プロジェクトをコンセプト作りから実際に建築が出来るまで、連載形式で追っていきます(コンテナハウスを辞めた経緯は後で出てきます)。

1.参加者紹介

小平株式会社 SELF理事 小平勘太

家プロジェクトの参加者は3名。設計から大工までなんでも出来る37design の味園くん、一級建築士で住宅エネルギーのスペシャリストおりなす設計室 の田渕くん、お二人はくらしとエネルギー社と言う設計事務所も共同で経営されてます。私、小平(こびら)はエネルギー商社の小平株式会社の代表をしています。

小平は7月にオープンした日置市東市来町湯之元と言う温泉街にあるハマオカポケットパークのシェアカフェ(写真下)を建設を味園くん、田渕くんにお願いして今年7月にオープンしました。炭化コルクという自然由来の素材を外壁に使い、斬新ながらも古い湯之元の街中に溶け込むデザインがオーナーとしてとても気に入っています。

画像2

小平の本業はLPGや電気を売っているのですが、カーボンニュートラルや再生エネルギーの普及など社会の変化に対応する新しいビジネスのあり方にチャレンジ中で、家を作る取り組みは自社ビジネスのイノベーションにも繋がる取り組みです。

また味園君は「自分の村」を作る野望を持ってます。里山に建坪率20%くらいの家がポツポツある宮崎駿のトトロに出てくるイメージで、若い人から人生の終着駅にいる人まで多年齢の人たちが共に助けあい生活するような村を作りたいそうです。

そんなことを味園くんと一緒に話していて、「それなら新しい概念の家を作っちゃおう」と小平が言い出したことからこのプロジェクトが始まりました。

2. 「新しい家」を作りたい3個の理由

画像3

今回、小平が新しい家を作りたい理由は3個あります。課題に対応する家を作ることでライフスタイルに新しい選択肢を与えることが出来るのではと考えています。

理由① 数十年ローンを払い続けないといけない「家と人の付き合い方」が時代にあってないように思えること

例えば今は、ADDressやHaufといった定額多拠点で住めるサービスがありますし、テレワークの浸透など働き方も広がっています。人生を豊かにするために作った家の長期ローンが人生の選択肢を縛りチャレンジを出来なくなった人もいるでしょう。それでも良い人はそれでいいのですが、それが嫌な方向けに、数百万程度で購入できたり、サブスクで住める家の形も選択肢としてあった方が面白い世の中になりそうです。

理由② CO2排出の16%が家庭から出ている。カーボンニュートラルに貢献でき、エネルギーを自給自足できる家が必要

エネルギー屋的には売り上げ減るので言いづらくもあるのですが、地球温暖化もあり、もっと効率的で環境負荷が低い住居が必要とされています。エネルギーも資源も循環する家は社会に求められており、少しワクワクします。

理由③ 多くの課題を抱える地方課題の解決に「新しい家」の住む人のライフスタイルは貢献できるののではないか?

固定額で多拠点居住ができるサービスを展開するaddress社の池田さんと話したときに、「ADDressのサービスを通じて地方の課題解決に参加することで人はその自治体の(本当の意味での)関係人口になれる」と仰ってました(池田さんのインタビューは後日公開!お楽しみに)。関係人口という言葉が使われ始めて久しいですが、人口も都市部と地方でシェアする時代になってきており、住んだ人が地元に関われるコミュニケーションデザインが内包されている家も面白そうです。

3.「新しい家」の必要条件 

画像4

議論の中で「そもそも家の必要条件ってなんなの?」という問いに田渕さんは「快適性・機能性」「拡張性」、「暮らしのワクワク感」と答えました。既存の家のアンチテーゼとして空き家改修などが昨今盛んですが、コスト面から快適性・機能性を犠牲にしてるケースが多いそう。気密性が低いために却ってランニングのエネルギーコストがかかったり、新築するより環境負荷がかかっているケースもあるそうです。また暮らしの豊かさやワクワク感は機能性や快適性が前提条件としてあってのもの。今回のプロジェクトでは、快適性や機能性を犠牲にせずに環境負荷も低く、デザインやライフスタイルも提案できる家を作っていきたいと方向性が一つ決まりました。

4.エネルギーを意識させる Neutral Gridという提案

小平株式会社 SELF理事 小平勘太-2

また、環境負荷を考えたときにオフグリッド(外部からのエネルギー供給を得ずに完全にエネルギー自給自足する)は良く採用されるコンセプトです。コンテナハウスで実現しているものもいくつかすでにあります。ただ、雨が続くと太陽光発電が出来なくて暖房つけられないとか冷房止まるとか、オフグリッドは住んでる人に我慢を強いるケースが想定され、「機能性・快適性」が担保できず、土地によっては生命にも関わる場合が出てきます。

そこで今回は「ゆるめのオフグリッド」=「Neutral Grid (仮称)」でいく事にしました。基本的にはエネルギーは自給する、でも足りなくなったら、なんとかできる仕組みがあり、機能性や快適性は損なうことはなく滞在できるようにします(例えばEVから給電できたり、LPGからエネファームで発電できたり、薪があったり)。またエネルギーの残量を可視化して、普段意識しないエネルギーの存在を意識してもらうエネルギーの可視化体験もいいのではないかと思いました。

5.今後の進め方

今回は、新しい住み方への対応と地域課題参加への体験フローに繋げるため、長い滞在ではなく1−2週間くらい多拠点居住サービスを利用して滞在してもらえる住居を想定した開発を進めます(多拠点居住サービスと地域課題との連携は後日、address池田さんの別記事で紹介します)。それと、コンテナハウスはもう先行事例もあるしデザイン的にワクワクしないので、今回は1から作ることになりました(3Dプリンターで作ろうという話もありましたが、コンテナと合わせて以後のプロジェクトで採用していきたいです)。

今後はまずはコンセプトを詰めるのと設計を行い、コンセプトと商品のwebサイトを作るところまで来年4月を目指して行っていきます。進捗ありましたらまたこちらの記事で公開しますのでお楽しみに。


いいなと思ったら応援しよう!

SELF Transformation Academy note
「あ、鹿児島っておもしろい」そう感じたら、ぜひサポートをお願いします^^ おもしろい鹿児島を、もっと面白くするための活動費として使わせていただきます。