【SELFアクション】CN分科会 ローカルの木質材でビルを建てるプロジェクト
カーボンニュートラル分科会の内村です。今日の更新はSELFのオンラインコミュニティ内にあるカーボンニュートラル分科会で行われている木質材でビルを建てようというプロジェクトをご紹介します。
建築とカーボンニュートラル
普段は建築施工の会社を経営していまして、カーボンニュートラルを実現するために建築の周辺でやれることもかなりあります。
書籍「ドローダウン」から引用する中でも、地球温暖化を逆転させる100の方法、第1位はエアコンなどの冷媒の管理や破壊ですし、普段の暮らしでもなじみのあるLED照明や、ZEB(Net Zero Energy Building 使用するエネルギーの収支をゼロにするビル)や断熱といった建物の性能にまつわるもの、セメントの代替品といった材料に関するもの、産業廃棄物のリサイクルなど、非常に多岐にわたります。
木造建築の可能性
そんな中で注目されているのが、日本でも古くから建てられている木造建築です。森林が国土のが70%近くある森林大国の日本ですので、ふんだんに木材を使い断熱性能の高い建物を建て、炭素が排出されないよう解体処分の時も気を付けて、さらに新しく木を植えて炭素を吸収してもらう。
描くサイクルは至ってシンプルですが、なかなかそう簡単ではありません。長らく国内の木は一般の方が建てる建築向けに多くは使われていませんでしたので、価格が高く、はるばる海外から運んできた木材が使われるケースが多くを占めますし、ビルを建てようとすると色々な制限もあり、コンクリートや鉄骨からの置き換えも容易ではありません。とはいえ、国内や世界中でも木造建築の実験も行われており、今後の大きな流れの一つと考えています。
鹿児島で木製のサッシを作る課題
そんな建物の木質化の流れの中で、注目しているのは木製のサッシ(窓枠です)の開発です(写真の木製サッシは別メーカーのもの)。作っているメーカーのひとつが長野県にありまして、性能が非常に高く、見た目もカッコイイということで、分科会メンバーをはじめ数名で工場を見学させてもらいました。木製品というと、手作り感を感じる方も多いかもしれませんが、イタリア製のCNC(コンピューター数値制御)工作機械を使って自動化し、工業製品として高品質に製造されていました。
また、地元のカラマツや木曽ひのきなども使用していて、材料の地産地消という面でもとてもステキです。ならば、鹿児島で一番生えている杉ではどうか?と聞いてみたところ、杉は空気層が多すぎて柔らかく、サッシには不向きとのことでしたが、世の中には色々な木材の処理方法があったり、杉といっても種類も色々とありそう。SELFのカーボンニュートラル分科会でも引き続き、地産地消での木質ビル建設に向け、一つ一つのパーツの開発可能性を探ってみたいと思います。
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