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【SELFの本棚】#006 家業を継ぐことになった時、最初に読むのにおススメの2冊

いろんな人の、いろんなおすすめを、目的もなくつらつらとながめてみる。

普段私たちは自分の興味にしたがって何かを調べたり、探したりすることが多いのですが、そんな文脈から外れたところに実は素敵な出会いや、思わぬヒントがあったりするものです。

誰かの好きな本と、その好きな理由を ただご紹介するこの企画。

今回は小平株式会社の代表取締役 小平 勘太 (こびら かんた)さんのオススメの本です。

家業の継承は突然やってくる

ご実家が商売をされている方は多くいるのではと思います。大きい会社から小さい会社までついて回るのは事業継承問題。突然、降りかかってくることもあるでしょう。

私もそれは28才の頃。渋谷で農業ベンチャーを仲間と立ち上げて3年目という頃でした。なんだかんだで家業の商社の小平株式会社に戻ることになり(渋谷の会社は今でも役員やってます)、帰ったらすぐ副社長。その3年後に社長になりました。今日のおすすめ本は当時の自分に教えたいなという2冊です。

ゾーンマネージメント (ジェフリームーア著)

1冊目はゾーンマネージメント。この本は「大きな社会変化の波に対して、どんな風に企業が失敗してきたのか、どう対応すれば良かったのかという本です。副題に「破壊的変化の中で生き残る策と手順」とあります。

例えば、写真フィルム屋さんのコダックがデジカメが発明されてどう失敗したか。イメージ的には「フィルム事業に固執してデジカメ事業への対応が遅れたから」と皆思うでしょ?実は「フィルム事業を削減して、デジカメ事業にリソースを突っ込んだからコダックは失敗した」とこの本には書いてます。常識的には逆じゃないか?と思うところですが、この本は本当に取るべき戦略は何なのか教えてくれる本です。答え書きませんが気になりません?

今は大きく社会が変わりつつある時期でその危機感が親にもあるから家業に呼び戻されたと思います。その時の家業が取るべき大きな方向性をこの本、ゾーンマネジメントは教えてくれます。

SHIFT:イノベーションの作法 (濱口秀司)

じゃあ、ゾーンマネジメントを読んで、大体こんな風に会社の事業をやってこうという方向性が出たとします。次に読むのにおすすめなのはUSBフラッシュメモリやイオンドライヤーのコンセプト開発などを手がけ、シリアル・イノベータ―として有名な濱口秀司さんの著作「SHIFT:イノベーションの作法」です。

本の中で、濱口さんはイノベーションにはJUMPSHIFTの2種類があると書いてます。JUMPはスタートアップなどが狙うゼロからの大きな飛躍を伴うイノベーションSHIFTは自社のリソースを使いつつ、適正に事業の方向を適正なベクトルで変化させるもう一つのイノベーションです。家業を継いだ時、ついついJUMPを狙いがちですが、狙うはべきSHIFTです。(そういや自分は会社の金でJUMPばかり狙ってきたなぁ、、)

JUMPと違い、SHIFTの場合は社内に蓄積された有象無象のリソースがすでにあり、はるかに失敗の確率が低いです。もし後輩の新任社長が相談に来たら、JUMPを狙うより小さい100万円程度予算のSHIFTのプロジェクトを複数仕掛けるという形を私は薦めてます。もともと失敗確率が低いのに3-4個しかけりゃ1個くらいは形になるもの。それで社内での存在感を増し、全社の方向性に影響を与えるような継承の進め方がオススメ。また著作の中にはプロトタイプの作り方、顧客想定の証明など現場で物を進めるのに役に立つ具体的なヒントも多くておすすめです。

アトツギの悩みは尽きないが一人でもない

私はSELFの理事とは別で、(一社)U-34ベンチャー型事業承継  という若手後継者を支える団体のメンターもしてます。オンラインサロンなどで後継者の悩み相談もしてますが大体この2冊を進めます。悩んでいるアトツギはご一読ください。




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