アジャイルワーカーのリストを作る
(文:SELF編集部 かつ しんいちろう)
アジャイルワーカーって聞いたことがありますか?ありそうで、無いですよね。実は私が作った用語なのです。(たぶん)
県庁からの「問い」
「この拠点の機能であるアジャイルワーキングを実現するための活用方法を具体的に実効性の高い提案をしてください。」
SOUU(当時この名前はまだなく、県庁18階のコワーキングスペースというスポット名だった)の企画提案の際に鹿児島県から出されたテーマでした。
わたしは、大学でプロジェクトマネジメントを教えているので、プロジェクトの進め方としてアジャイル開発は知っていました。でも、「アジャイルワーキング」というのは初耳。ネットで調べても確かなことは出てこない。提案チームの中でも何だろうね?ということになりました。
アジャイル開発とは
アジャイルという言葉の元の言葉はアジリティ=「俊敏さ」です。システム開発においては、開発工程全体を小さなユニットに分け、その中で要件定義→設計→開発→実装→テストという開発工程を1つの機能として小さいサイクルで繰り返すのが最大の特徴です。例えば2週間単位で1個のユニットを仕上げるというイメージです。結果として部分部分が出来上がって、全体の完成につながるというものです。
これに対して、従来の開発手法は、全体の要件定義を仕上げ、承認を得て次の設計を終え、開発に取り掛かるというものです。この手法の弱点は、変化に弱いということです。途中で要件定義を揺るがすような事が起きると、また全体やり直しということになります。VUCAの時代と呼ばれる変化の激しい時代には、変更はあって当たり前だしスタート時点でゴールが見えていないこともある。こうしたことからアジャイル開発が注目されるようになってきました。
どちらが良いということではなく、開発テーマやメンバーのチーム編成によって手法は洗濯しなければなりません。(アジャイル開発はスキルレベルの高い少数精鋭チームの場合に最大の効果を発揮します。)
アジャイルワーカーってどんな人?
さて、話はアジャイルワーカーに戻ります。俊敏な仕事の仕方とは何でしょうか?どこにも定義が無いので、わたしが定義を作ってみました。
アジャイルワーカーの7つの条件
①返答が速い:問いかけに対してYes,No,Holdの返答が速い。物事に対する判断基準が明確であるのでスグに返答ができます。どうしようかと迷っている時間やエネルギーはロスであると認識しています。
②データはクラウドに:どのデバイスからも常時接続できるように全てのデータはクラウドに保管してあります。
③Google Apps.を使いこなす:それぞれのPCに保存されたファイルをメールに添付して送るのではなく、基本的に相手とファイルを共有して共同編集します。最新版がOne and Onlyです。
④電話はNG:電話は強制的に相手の時間を奪います。基本的にデータに残るテキストで。
⑤メインはスマホ、サブはノートPC:コミュニケーションの基本デバイスはスマホで。作業をする場合はノートPCで。デュアル・ディスプレイは効率を高めます。
⑥スケジュールは先約優先:重要度でスケジュールの入れ替えを行なうのは非常に時間をとります。基本的に先約優先で。
⑦人に任せる:作業は専門外のことでなければ自分で行なうのが一番早く、誰かに何かを依頼するということは依頼内容を決め、依頼し、出来上がりを確認するというタスクが発生します。しかし、業務量が増えた場合は自分しかできないことに集中し、後は他の人に任せることが重要です。自分で抱え込むと結果的に納期に間に合わなくなるかクオリティを落とすことになります。人を信頼していること、完璧を求めない(そもそも完璧なんてない)こともベースにあります。
書いた本人がよく分かっていなかった
わたしたちSELFは、鹿児島県に対して「SOUUに関連する人の中でアジャイルワーカーのリストを作り、その人たちのネットワークを作り、行政や企業の方がコラボできる環境を作る。」と提案しました。(のちに、「アジャイルワーカー」って誰が言い出したんですか?と県の方に質問したのですが、わたしでした。)
ちゃんと考えて書かないと、後で自分を追い詰めます。(笑)
アジャイルワーカーのリスト作ります
上に揚げた「アジャイルワーカー7つの条件」は仮の基準です。ですが、今の時代に俊敏に働く人たちの共通点であると思います。これからSOUUの個人会員、法人会員、関連自治体、企業を中心にアジャイルワーカーをリストアップしていこうと思います。
自薦他薦を問いません。以下のフォームでどしどしご応募ください。10月ごろに第1回目のリストを発表したいと思います。
以下のフォームにご記入ください。お待ちしております!