【SELFの本棚】#023 業務プロセス改革/平山賢二
(文:SELF編集部 かつ しんいちろう)
著者の平山賢二さんとの出会いは、1998年なのでもう24年近く前のこと。当時私が勤めていた会社がグローバル体制で組織を強化しようと、ミッションマネジメントの採用を考え、その導入コンサルティングに当時のアーサーアンダーセン ビジネスコンサルティングを選んだ。その時のトップが平山さんだった。
当時、私は本社の経営企画部にいて、ミッションマネジメント導入の担当。国内20社、海外10社くらいの大きなグループだったので、統一したミッション、ヴィジョン、バリューの構成をどのように削ぎ出し、表現し、伝達・浸透するか?こちら側のスタッフ、部門長、役員と、アンダーセン側とで作戦を練りに練った。(昔のこと過ぎて、「練りに練った」くらいの表現しか出てこない。)
その企業のミッションマネジメントの展開は、グローバル展開を3年ほどかけて浸透させ、2022年の今でも進化しながら続いている。
平山さんと一緒に製造業のコンサルティングの仕事をさせていただくようになったのは、私が、その企業を退職してから1年ほどしてからのこと。お声掛けをいただき、数社の業務改革をお手伝いした。
優れたコンサルタントは、自ら技術開発を行う。コンサルティング技術の開発だ。そうでもないコンサルタントは、その技術を使うだけにとどまる。もっとそうでもないコンサルタントは、誤った技術の使い方をする。
平山さんは、その中でもグルのレベルのコンサルタントで、私の業務コンサルティングの師匠だ。
その師匠の製造業における業務改革推進のノウハウが詰まった、しかも実務の現場で使える事例もクライアントの協力で含まれた書が、この本だ。(この時の技術開発は私も一緒に手伝わせていただいたので、私の名前もチロッと出てくる、弟子冥利に尽きる。)
グローバル企業の業務プロセス改革を、業務、管理、戦略について組織横断的に可視化し、スピーディに現状把握し、分析を行い、経営計画や経営戦略とバランスのとれた変革を実践するコンサルティング手法の手引きとして読んで欲しい。