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【SELFの本棚】#003 SXの時代 ~究極の生き残り戦略としてのサステナビリティ経営

いろんな人の、いろんなおすすめを、目的もなくつらつらとながめてみる。

普段私たちは自分の興味にしたがって何かを調べたり、探したりすることが多いのですが、そんな文脈から外れたところに実は素敵な出会いや、思わぬヒントがあったりするものです。

誰かの好きな本と、その好きな理由を ただご紹介するこの企画。

今回は鹿児島で色んな事業の経営されてる小平勘太(こびらかんた)さんのオススメの本です。

SXの時代

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この本は"SX" = "Sustainability Transformation"(企業の社会の持続性に貢献しつつ利益も出す経営への変革)についてコンサルティングファームのPwCが書いた実務的な本です。


今まで「このまま対応しないと世界的な気候変動とか起こってあなたのビジネスやばくなるよ」と煽る本はたくさんあったのですが、経営者の行動を変える程、リアルに刺さらなった。また、“SDGsウォッシュ“と呼ばれる企業の貢献を過大にPRしたり、なんちゃっての取り組みに終わって逆にブランドを毀損する事例も出てきた。そこで経営者には利益とSDGsの接点をどうするかという指針が必要になってきています。


この”SXの時代”が面白いのはSDGsへの企業の貢献を"どう将来的な財務諸表の改善に寄与させるか"という実務的なノウハウと道筋が書いていることです。ガイドラインとして明確なので「この本の通り、事業にSDGsを入れ込んでも良いな」と経営者も思えるのではないかと思います。一例で具体的に自分がこの本の影響を受けてアクション起こしたのは以下の通り。(太字はこの本の内容の一部を要約)

①持続性への貢献自体を企業のミッションにするのは理想だが、できないなら段階をつけてやればいい。→自分の会社の例①:事業内容(エネルギー、IT、貿易、農業)が多岐に渡るので全事業部で統一した具体的なミッションの作成が難しかった。そこで会社の大きなミッションでなく各事業部のバリューにそれぞれの事業内容に沿った持続性への貢献入れることにして制作中。
②SDGs項目ごとに将来の財務諸表へのインパクトファクターを洗い出して優先度をつけて、高いやつだけやればいい。→自分の会社の例②: 社会貢献活動の中でSDGs全てに貢献するのは難しいと思ったので将来的な顧客数に繋がる「11.住み続けられるまちづくりを」に絞って社内を説得。ハマポケのプロジェクトを開始できた。
③掛け声だけでは誰も動かないので役員報酬の20%を持続可能性への達成度で図るのは有効だ。→自分の会社の例③: SDGs的なビジネス(カーボンニュートラルやアップサイクリング商品の取り扱い)を3年間の実行目標に入れ、KPIとして管理。

など参考に取り入れて行っています。また、ソーシャル分野から企業をどう口説くかにも有効。感情よりもビジネス脳の理屈に訴えるおすすめの本です。



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