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リメイクのあるべき姿 ロマサガ2リメイクは本当に楽しかった
「本当に久しぶりに二週目を遊びたいと思うRPGでした。」
こんばんは、セレステです(書いているのが夜のため)。
1月初めに買ってから週末毎に遊んでいたRPGをやっと先日クリアしました。それが「ロマンシングサガ2 リベンジオブザセブン」、いわゆる「ロマサガ2 リメイク」です。
「ロマサガ2リメイク」を終えた今、このゲームについていろいろと思うところがあったため、今回はそれについて書いていきたいと思います。内容には多少のネタバレも含まれますので、「ロマサガ2リメイク」を未プレイの方はそれをご理解のうえで読み進めてもらえたらと思います。
こういうリメイクは大歓迎
まずこのゲームはとにかくプレイしていて面白かったです。
昨年末に「HD2D版 ドラクエIII」をプレイしたときも「紛うことなきドラクエIII、やっぱりドラクエは面白い!」と思ったものですが、この「ロマサガ2リメイク」はそれを超えてくる面白さでした。
(※発売された順序はロマサガ2リメイクの方が先でしたが)
正直言うとプレイする前は、「なんか戦闘シーンの見た目、だいぶ変わっちゃったな~。味方のキャラクターも一人ずつしか表示されないみたいだし……ん~、どうかな~」なんて思っていたのですが、プレイし始めてみるとそんなこと全く気にならずに遊んでいました。
陣形による戦略、戦闘中の閃きによる喜び、いろんなクラスから皇帝を選んだりパーティーメンバーを組む楽しさ。「旧ロマサガ2」が持っていた良い部分はしっかりと感じられました。それに加え、この令和の時代に「リメイク」されたことをしっかりと味わえるような“進化”も感じられたのです。
ロマサガ2リメイクならではの進化
七英雄の掘り下げ
ロマサガ2リメイクの基本的なストーリーは、旧版と変わっていません。そのため主人公(プレイヤー)の適役となる七英雄の扱いも従来通りではあったのですが、今回は七英雄というキャラについて、その成り立ちからなぜ人間たちに害を及ぼす存在になったか等が「これでもか」とばかりに掘り下げられています。
実はこのあたりの話は、旧版でも町の人たちの会話の中でサラッと語られてはいたのです。ですが、やはりビジュアルが無く文章だけで断片的に話されていても「ふーん、そうなんだ」というくらいにしか感じられず、“倒すべき敵”という枠組みから外に出ることはほぼありませんでした。
ですが今回、「七英雄の記憶」という形で過去に七英雄たちに起きたことをじっくりとセリフ付きで見せられると、七英雄達を憐れむ……というよりもういっそ七英雄達の味方をしたくなる、くらいに思えてくるほどなのです。
ほんとアイツと戦わせてほしかった……。
(未プレイの方はぜひ本編を遊んでみてください)
なんか、外伝を出してほしいですね。七英雄達の。
「アビリティ」があることによるやり込み要素
旧版になかった要素として「アビリティ」というものが今作にはあります。これはクラス毎に持っている常時発動型スキル、ゲーム用語的には「パッシブスキル」と呼ばれるものですが、これがあることでより一層クラス選択に幅が出てくるのです。
「お気に入りはあのクラスなんだけど、アビリティを考えるとコイツも捨てがたい」とか、「コイツをあえてパーティに入れないことで、このアビリティをこっちと組み合わせられるよなぁ(※1)」とか。
(※1 パーティに入れているクラスの固有アビリティを外すことは出来ませんが、パーティに入れていないクラスのアビリティは皇帝や仲間につけることができます)
またアビリティを他のキャラに付けるには「極意化」しなければいけないので、全てを自由に付け替えられるようにしようと思うと、全クラスを一度はパーティに入れてそれぞれ60回は戦闘しないといけない(※2)のです。
(※2 まず固有アビリティを閃くのに30回、その後極意化するのに30回で計60回の戦闘が必要になります)
でもこれが楽しいのだからしょうがない。
時代が進んでパーティメンバーが変わると、装備や技以外にこのアビリティというものがあるせいで、パーティの準備にかなり時間がかかってしまいます。それでもいい加減に組んだりせず、ちゃんと整えてから次のシナリオに向かうんですけどね。
全く困った(嬉しい?)追加をしてくれたものですよ。
閃きやすくなってストレスが無い
今回紹介する最後のものになるのですが、これは賛否あるかもしれません。それは旧版に比べると技が格段に閃きやすくなっている、ということです。
どの技を使っていれば次の技を閃くのか、ということを視覚的に教えてくれ、しかもいつになるか分からないくらい戦闘をしなくてもある程度のところでちゃんと閃いてくれるのです。
このおかげで旧版では「もう閃くの無理なんじゃないか」と思うような技も諦めずに閃くことができ、全ての技をコンプリートするのもそんなに苦労することはありませんでした。
個人的にはとても良かったのですが、人によっては「あの一生かかっても閃きそうにない!というところから閃くことがあるから貴重なんじゃないか!」と言う人もいるでしょうね。
まぁライト層にも優しいってことです。
「ロマサガ2」に関しては、SFC版の他に「ロマサガ2リマスター」を遊んだこともあります。これも追加要素があり十分楽しかったのですが、今回の「ロマサガ2リメイク」はそれを大きく超えてきました。
旧版のイメージを壊すことなく、それでいて現代風のつくりをスッと楽しませてくれる。こういうリメイクをもっともっとやって欲しいと思いましたね。
スクエニは新規で作るものはなかなかヒットを飛ばせず、評価も低い傾向があり厳しい状況にあると思います。それは「過去作でやっていないことを新作ではやる」という昔からの理念のようなものでゲームを作っているのがマイナスに働いてしまっているからではないか、と思ってしまうのです。
「常に新しいものを生み出していく」、という考えは確かに立派ではあるのですが、ユーザーは本当にそんなところばかりを求めているでしょうか。
1に0.5を足して1.5になったものくらいがちょうど良いのではないかな、と思うときもあります。シリーズものの新作を楽しみにするというのは、そういうものを求めるからではないですかね。
1の次にBにしてみたりΣ(シグマ)にしてみたりするというのは、新しいものを生み出しているというより、もはや「奇をてらっている」ようにしか見えないのです。
リメイク物の成功は今後の方針を変えていく良い一歩ではないかと思います。
スクエニだけでなく他の会社もそうですが、もう一度JRPGが輝いていたあの頃を思い出し、そのうえで日本人が本当に楽しめる新作を出してみて欲しいと思います。
結果的にそれこそが世界に受け入れられると思うので。
「ロマサガ2リメイク」は本当に良いゲームでした。心の底から「楽しかった」と思えたのは久しぶりです。