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水木一郎さんがアニソン界に残したもの

昨日少し休憩がてらSNSを見ていて、水木一郎さんが亡くなられたことを知ってやっぱりショックでした。昔からアニソンを中心に歌っておられて、もうそれなりに高齢だということは分かっていました。しかし、たまにテレビなどに出て歌っている姿を見ると、

「ゼエェェェット!!」

と、昔から変わらないシャウトを聞かせてくれていて、「この人はいつまでも元気なんだ」と思ってしまっていました。

74歳だそうです。まだ若いですよね。

肺がんに侵された結果での死ということなのですが、俳優とかタレントさんとかも含めて、どうもエンタテインメントに関わる職業の人は若くして亡くなっている印象がありますね。報道されやすいために目立っているだけ、なのかもしれませんが。


思えば、「アニソン」というものが脚光を浴びるようになってきたのはいつ頃からでしょうか。

普通にJ-POPSとかを歌っている有名アーティストがアニメの歌を歌う、ということは昔からありました。しかしそういうのはあくまで、「その有名アーティストがたくさん歌っている中の一つ」として存在しているのであって、いわゆる「アニソン」というくくりで見られてはいなかったと思います。

それが今では「アニソン」だけでコンサートやライブが開かれるようになり、「アニメ・ゲーム関連の歌をよく歌っている」ということで有名になるアーティストも多くなってきました。

「アニソン」がここまでのものとなり、周りから認められるようになってきたのも、水木一郎さんたち「昔からアニソンを歌っていた人たち」の地道な活動があればこそ、だと思います。


「マジンガーZ」「仮面ライダー」「ダイターン3」……思えばアニキ(水木さんの愛称)が歌っていたアニソンは“ザ・アニソン”とでも言うべきものでした。歌詞の中に主人公の名前やロボットの名前がそのまま出てくるようなちょっとバタくさいもの。でもだからこそ、その作品との一体感があったんですよね。「この歌はまさにこの作品のもの」という。

こういった歌は90年代頃からどんどんと失われていました。アニメの作品内容と歌詞の内容とが全然かみ合っていないような「とりあえず取ってつけただけ」のようなアニソンが大量生産されました。そこにはアーティストを売りたい音楽会社なんかの思惑が多分に入っていたのだとは思いますが。

しかし最近のアニメの歌には、歌詞の中に作品のタイトルが出てきたりはしなくても、「その作品との一体感」が感じられるものが多くなってきているような気がします。水木一郎さんたちが歌っていたのとは違いますが、その“熱さ”のようなものは今しっかりと「アニソン」として受け継がれているように思うのです。


水木一郎さんは亡くなりました。しかし「アニソン」界に残したその種はちゃんと芽吹き、育っている。そう思うとやはり「ありがとう」という気持ちになりますね。



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