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アニメのOPはなぜワンパターンが多いのか 「バトル系アニメのOPあるある」という記事を見て
新海誠監督作品の新作が約1か月後に公開ということで、TVCM・ネットCMをバンバンやったりと少しずつ盛り上がってきています。そんなわけで新海誠監督作品についてのことを少し書こうかと思ったのですが……。それよりも興味を惹かれた話題がSNS上に上がっていたので、今回はそちらを取り上げようと思います。
まずそのSNS上に上がっていた記事、「バトル系アニメのOPあるある」について。
バトル系アニメのオープニングでよく見るパターンをいらすとやの素材を使って、実際にオープニング形式にして動画を公開しています。
もう動画を見てもらえればすぐに分かると思うのですが、「あ~確かに」と思うことばかり。最初にタイトルロゴが微妙に揺れているところからして「それそれ!」といった感じでした。
何でこういうことになってしまったかと言うと、ひとえにアニメ業界・ゲーム業界がいかに「それっぽい歌」に乗せてワンパターンな映像を作ってきたか、ということになるのですが、ではこれが「悪いのか」というと必ずしも「悪い」とも言えません。
何と言うか、ワンパターンであるがゆえに見ている側も「安心する」映像なんですよね。オープニングを見ているだけで登場人物の関係とかが「大体なんとなく分かる」ので、「集中して作品を見ないと話が理解できないかも……」と、見る前から身構える必要があまりなくなるのです。
また、作り手側にも「こういう感じの映像にせざるを得なかった」という事情があります。
例えば原作ありの作品であれば、アニメにする際に事前に大体のストーリーは分かっているので、ネタバレにならないようにうま~く登場人物たちを使って一つの映像にすることもできるのですが、原作のないもの、つまりオリジナルアニメ作品の場合はこれが難しくなってきます。
事前にキャラクター一覧や大まかなストーリー展開は決まってから企画はスタートするものの、オープニングアニメを作る時点でははっきり分かっていることは「こいつらが主人公とその仲間!」「こいつら敵!」「物語の舞台はこんな世界!」とこんな程度です。キャラクターの性格なんて、それが登場するときになってやっと決まるなんてことも多いです。
そんな中でオープニングアニメーションを作るのですから、当たり障りのない感じ、つまりワンパターンなものになってもしょうがないのです。オープニングでは「元気ハツラツ系なキャラ」に見えたのが、ストーリーが進んでキャラが登場してみると全然そんな性格じゃなかった、というのをたまに見るのはそういう理由です。
そういったことを理解してアニメのオープニングを見てみると、けっこう新しく気付くこともあってなかなか楽しいですよ。