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というのはもちろんネガティヴとポジティヴのことなんですが、写真のネガとポジは両方なければ写真としては成立しないように、どちらか一方だけでは成立しない考え方でもあると思います。

ちょっとでもネガティヴなことを言うとすぐに
「そんなにネガティヴな言葉を使わない方がいいよ」とか
「ネガティヴなワードを発すると運気が下がるよ」
という人がいますが、そういう「ポジティヴの押し付け」みたいなポジティヴ信仰はとても嫌いです。

ネガティブという言葉だけ聞くとマイナスのイメージしかないのですが、言い換えると慎重であるからこそそういった自己弁護的に使われるネガティヴワードというのがあると思うのです。
いわば「転ばぬ先の杖」みたいな感じでそのネガの裏には「そうならなかったときの喜び」というポジが隠されているのです。

もちろん、聞いている相手がうんざりするようなネガティヴな「空気」を伴う言語は良くありませんが、誰だってネガティヴなことを言いたい時もあります。
愚痴などがいい例で、それのオンパレードになってしまったらもちろんいけないのですが、言い方や表情でむしろ場の空気を和ませるネガもあるのです。
私はもともと決してスーパーポジティヴではないし、心配性なので、失敗を恐れるがあまり「~なったらどうしよう~」ということが良くあります。でも、その都度家族から「ネガティヴすぎる」とダメ出しを食らうことが多かったので、かえってポジティヴワードを使いたくないと思うことがあります。
そういう家族も、こちらのすること成すことすべてを「でも」「だって」と否定しにかかるので、それこそ不快なネガティヴワードだと思います。
たまにポジティヴなことを言うと否定されたらもう、何も言うまいとなるわけで、人にネガティヴだという人に限って自分自身もネガティヴな言葉を発していることに気づかないケースは家族間だけでも結構あるのです。

ポジティヴなことにつながるためのネガティヴな言葉は決して悪いものではないと思います。

テレビ番組を見ていてある人が決して「でも」「だって」「それは」というように相手の言葉を否定する言葉を使わなかったのです。
例えば意見が違うなと思ってもまずは「そうですね」と受け入れてから、
「僕はね、発想を変えてみるとこう思うんですよ」
と否定的なワードを使わずに反対意見を言っていました。
これ、ものすごく聞いていて自然でしたし、言われた側も自分の意見を真っ向から否定されていないというのがわかるので、場の空気がとても自然でした。
「なるほど、そういう考えもありますね」
「ただ、僕はこう考えています」
という感じでつなぐわけで、否定語は一切入りませんが、言っていることは真逆なんです。
これこそ最大の気配りだなと思いました。

私自身、カウンセリングをしているので、なるべくクライアントさんの言うことが「ちょっと違うな」と思っても真っ向から否定せずにとりあえず「そうかぁ~」と言いつつ、「じゃあ、そう感じた時どんな気持ちになった?」と聞き返したりしてクライアントさんが自分でネガティヴだと気づくように促すようにはしています。
逆にこちらのアドバイスに対して「でも」「だって」と繰り返すクライアントさんが時にいるのですが、これはいささかイラっとするのは否めないのです。こういうネガティヴさはあまり心地よいものではないですね。
例えば相手の服装をほめたときのリアクションで「いえ、そんなことないです」というようなことを一度ぐらいならいいのですが、ご本人は謙遜のつもりだと思いますが何度も言われてしまうとこちらがほめていること自体が否定されてしまった感じになってしまい、あまり気持ちの良いものではないですが、即座に「ありがとうございます!」と明るく受け答えされるともう、爽やかでとてもいい気分になりますので、こういうポジティヴな返し方は非常にコミュニケーションの場で有効だと思うのです。

あまりに否定が強い場合には「それはあなたの考え方ね」
「ちなみに私はこう思うんだけどね」というように否定語は挟まずに言い換えることも時々します。
ポジティヴというのはこういうことだと思うのです。
ネガティヴになっている人の気持ちを全否定せず、違う考え方もあるよ、発想を転換すると楽になるのではないかなというように提案するということだと思うのです。
ネガティヴワードを言っている人はなぜそうなってしまうのかということに気づかない場合があるのでそれに気づいたらハッとするはずです。
私も、いろんな場面でネガティヴな事ばかり言っていた時期があって、やはりプライベートでしんどかった時期ですが、言われる側の気持ちを考えたらそのような事ばかり言っていたら確かに受け答えに困るでしょうし、それでもどうしても愚痴を言いたいときは最近は「ちょっと愚痴言うけどいい?」と相手に確認を取ってから言うようにはしています。

昨今、ネットでの会話が増え、特にLINEなどでこういったネガティヴワードを並べられてしまうと確かにきついものです。
会って話していたら笑顔で話したりできるし、「ちょっと聞いて~」的な雰囲気になるのでしょうけど、書き言葉だけだとネガティヴワードは誤解のもとになります。
相手とは環境も立場も異なるのですから、すべてを受け止めるわけにはいかないと思います。
そういったとき
「こういうことを言ったら相手はどんな気持ちになるかな」
と考えながら言えるようにはなりたいものです。
普段ポジティヴな人ほどネガティヴになった時の落差が激しいため、そんな時も無理やりポジティヴワードを使おうとしますが、そんな無理をすること自体がしんどいと思うので、時には思い切りネガティヴになったっていいと思います。
私自身、スーパーポジティヴな人には占いなど必要ないと思っているので、ついネガティヴになってしまう人、そんな自分が嫌で仕方ないというような人のほうが好きだったりします。

今年の春はどうも雨が多くそれだけでもネガティヴな気持ちになってしまうものですが、雨も永遠に降り続きませんし、雨の後の晴れはものすごく爽快です。
やはり物事にはネガとポジがあるからこそ、メリハリがあるのだと思います。

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