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10月になってそろそろ来週ぐらいから、新しいドラマが始まりますが、前季ドラマについて私見を述べてみたいと思います。

いわゆる「月9」としての枠はここ数作重たい内容のものが多いですが、「海のはじまり」もやはり重たい内容で、2回目ぐらいを見た時はもう、リタイアしようかと思ったのですが、脚本家が「Silent」「いちばん好きな花」などの生方美久さんだったので、単に重たいだけのドラマではないはずだと思って最後まで観てしまいました。

学生時代に付き合っていた彼女が突然妊娠して堕ろすので同意書を書いてくれと言ってそのまま別れて大学もやめて音信不通になったのに、7年経って
その彼女が亡くなって、なんと堕ろしたはずの子供を一人で産んでいて、7歳になった娘が突然現れるという内容そのものが普通はありえないのですが、ひとえに主人公が目黒蓮さんだったので、目黒さんのファンにとっては主人公に目黒さんを投影してしまい、「夏(役名)つまり目黒さんがかわいそう」という感情を抱いたようで、この、付き合っていて勝手に別れて勝手に子供を産んで勝手に死んでしまって、遺された娘を「はい、あなたの子です」と逢わせた元彼女役の古川琴音さんがまた演技がうまいせいもあり、一種のホラーのようですらあって、目黒さんファンには非常に嫌われていたのがビックリしました。
私は冷静にドラマを見ていたのもあって、古川さん演じた「水季」は確かに少し破天荒だし勝手なところはありますが、魅力的な女性だと思いました。
むしろ、有村架純さん演じる「弥生さん」(と夏も言ってました)は年上のしっかり者の彼女さんですが、自分の本心を隠して生きているような、絶対に長女だろうというようなタイプの女性で、健気と言えばそうですが、親に冷たくされて一人でしっかりするしかなかったようなタイプで、もともと夏とは合わないような性格の設定だし、あまり魅力を感じませんでした。ひとえにかわいそうな役と思われていたようで、かなり同情票が入っていて、有村さん人気がアップしただろうとは思いますが・・・。
要するにこのドラマは「亡くなった人には勝てない」というのがすべてで、
水季の母親役の大竹しのぶさんの名演技もさすがだと思いましたし、人間くささがいやらしいぐらいに出ていたのもまた、夏(目黒さん)と弥生さんがひとえにかわいそうだと思われるようなエッセンスになっていた気もします。誰かが「寄ってたかって夏君をいじめるドラマ」と書いていましたが、
夏君の家庭はとてもあたたかい家庭です。なので夏君自身は無邪気で少し天然なところがあるけれど、成長したと思うし、その、伸びしろを感じていたからこそ、水季は娘を託したのではないかと思います。
弥生さんも夏とは別れる決断をしますし、前を向いて生きていくし、結果的に誰も不幸にはなっていないと思います。不思議な設定ではありましたが私的には「Silent」と同じく脇役のほうに惹かれるドラマでした。子役の泉谷星奈ちゃんがどこから見ても愛くるしいタイプだったというのもまた、エッセンスだったでしょうけど、この役をもし別の子役が演じていたら何とも変な子だと感じたかもしれません。実際は、小学生の娘は、いきなり父親と暮らすのではなく、祖父母の下である程度の年齢までは過ごすだろうと思われますので・・・。
古川さんと彼女に片思いしていた池松壮亮さんの演技が秀逸だったというのだけが心に残ったドラマでした。

当たりはずれのあるクドカン作品ですが、その意味ではどちらかというとハズレのほうに当たるのかもですが「新宿野戦病院」は私的には今季最も好きな作品でした。ちょっと前の「不適切にもほどがある」があまりにも面白かったので対比するとこちらはちょっと内容がとっ散らかっていましたが、小池栄子さんはカッコいい!前から好きでしたが余計大好きになったし、ヨウコ先生にはまた登場してほしいです。小池さんは将来天海祐希さんのような女優さんになれるんじゃないかという気がしています。バラエティでも平気で体を張れるし、面白い人ですが足がものすごくきれいですしスタイル抜群です。難を言えばちょっと登場人物が多すぎてどの人も全てが個性的すぎてしまったような・・・。

あとは、「スカイキャッスル」は登場人物がみんな性格が悪いのでは?というぐらい最初は虚勢の張り合いみたいでしたが、原作が韓国ドラマでかなり長いものだということで、原作も観たのですが、もう、原作はものすごくよかったので、日本版はそれをまとめてしまったため、端折り過ぎだし、ちょっとあり得ないような話だったなという感想しか持てなかったです。主な登場人物の主婦4人が、原作だとみんなそれぞれドラマがあるのですが、日本版は主に主人公の松下奈緒さんと木村文乃さんしか目立ったドラマがなく、
木村さんが中学生のお母さんっていう設定があまりにも不似合いで、彼女の前髪がチリチリになっていたのばかり気になってしまいました。原作でこのお母さんの役を演じた女優さんが素敵な人だったのもあってギャップが・・・。ただ、悪役の小雪さんはイメージにピッタリでしたが、もっと原作だとどうして悪女になってしまったのかという心の機微が詳しく描かれていたので、日本版では下手するとコメディにも思えてしまうような設定になっていましたが・・・。まあ、韓国のお受験事情とは日本は異なるので実際には日本ではさすがに受験のためにコーディネーターに2000万も支払うなどありえないですが。まあ、ネタとして面白かったので見てましたが・・・。

前季は、あまり感動したドラマや心に残るものはなかったですが、それなりにドラマとして楽しみました。
ちなみに、「笑うマトリョーシカ」も最初はワクワクしたのですが徐々に尻すぼみになりました。脚本が今一つでした。櫻井翔さんがまるでサイコパスのように見えてちょっと怖かったですが。
「ブラックペアン2」も、主題歌聴きたさに見ましたが、前回のほうが良かったですね。最終回だけはちょっと切なかったですが。
意外とよかったのが何の期待もせず、竹内まりやさんの主題歌聴きたさに見た「素晴らしき哉、先生」でした。生田絵梨花さんの良さが前面に出ていて自然で良かったし、終わり方が余韻を残してよかったなと思いました。

今季はなかなか面白そうなのがたくさんあるし、最近NHKのドラマがなかなか面白いので録画に忙しくなりそうです。

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