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【婚活】婚前契約について言えること
婚活中や、いざ結婚となると、男性でも女性でも、その後の夫婦生活が不安になって、「婚前契約書とか作った方がいいのかな?」と思われる方がいます。
私も婚前契約書を作った方が安心だと思っていた時期があったので、婚前契約の是非について、ちょっと話したいと思います。
婚前契約書は極力作らない方がいい
あくまで、今の婚姻に関する法律や法制度の状況で話しますが、
婚前契約書は作らない方がいいです。
理由は3つあって
一度契約したら変更が難しい
その時は合意しても不利になることがある
契約違反があった場合、いつ、どこで、誰が罰則を実行したか判定ができない
という問題が出てきます。
1. 契約後の変更が難しい
1度決めたことについて、たとえば、1年更新で契約をすると決めた場合、「これまでの契約内容を変えたい」と思ったら、その意見と理由、意見の正当性について話す必要が出てきます。
単純にこの作業でも骨が折れますが、もし、相手がそのままの契約にメリットを感じていた場合、すぐに契約の合意ができないので、争いになります。
場合によっては些細なことかもしれませんが、「そのせいで揉めたくない」という気持ちが強い側が折れることになるので、契約書を結んでも、契約書にしなくても、非情になれる人の方が強いのです。
正義感、合理性、理性、言語や法律の理解に強い人が結局は勝つので、それなら、余計な罰則や違反として責められないように、契約はしない方が自分の不利が発生しないと言えます。
2. 合意した契約も不利になることがある
何年間の結婚をイメージしているかわかりませんが、結婚した当初の状況で決めた契約書をその後も継続して使い続けるということは、決めた内容によっては不利になる可能性が高いです。
なぜなら、女性の場合は、妊娠、出産、子育て、子育て後の生活でも変化がありますし、男性でも女性でも、いつ離職、転職、病気、怪我、介護など諸々の事情で生活が変わるかわかりません。
1で書いたように、最初の契約を変えることも、結局はお互いの合意が必要なことを考えれば、「状況が変わったから契約を変えたい」と思っても、不利な契約に耐えるか罰則に引っ掛かります。
違反した方が罪人扱いになり、上下関係ができて「あなたは〇〇に違反しているから、私の方が立場が上なの」など言われたら辛すぎますよね。
家事分担について夫婦であらかじめ決めていた方がいましたが、妻の方がきっちりしている方で非の打ちどころがなく家事などをするために、旦那さんの方が彼女に「これもできてない、これもあなたの役割なのにちゃんとできていない」と責められることが続いていて疲弊していました。
彼女がそんなふうに指摘する暇があるなら、家事もやってあげればいいのにと思いますが、彼女の中ではそれが『ルールを決める』ということになっているので、やらない相手に問題があると考えているのです。
契約書を書く場合でも、同じようなことが起こります。
どんな理由があれ、その約束を守らないということは、あなたに非があるという責める材料を与えてしまうことになります。
話し合いができないから契約書で決めておくというのは、かなり自分の首も絞めるのです。
3. 誰が罰則を客観的に実行したとみなすか
契約書なので、違反したら何らかのペナルティが発生するのが通常です。
契約内容は人それぞれなので、お金で解決するのか、謝罪や家事などの負担なのかはわかりませんが、現実的に、違反した内容でペナルティが発生した時に、またそれを実行したのかどうかを判定する人間が必要になってきます。
そもそも契約書を結ぶということは、それを守ってくれるのかわからないから書面に残すという意味合いが強いです。
約束を守らない相手が違反したからといって、そのペナルティを受け入れてくれるのかわからないのです。
お金であっても、謝罪であっても、夫婦間に介入して、その契約が実行されたかどうか、判定するような仲裁人が見つからないことがほとんどなので、弁護士などに頼むとしても、その契約書のために、離婚する気もない人同士でお金を払ってまで依頼するのか謎ではあります。
何なら、その契約書を作っていたがために、無駄に争いを引き起こしている可能性すらあります。
また、違反でお金か何か代償を払ってもらったとしても、「傷つくから違反しないでね」と約束をするのであって、違反の代償が支払われても何も気持ちはおさまりません。
法律で権利や財産を守ることはできますが、気持ちや安心は守れないのです。
婚前契約書を作る必要がある時
もし、かなりの資産のある人と結婚する場合、何年か一緒に暮らして、離婚するとなれば、その間に自分の稼いだお金の半分を財産分与として分けなければならなくなります。
それをわかっていて普通に結婚して幸せに生活している方もいますが、財産分与で揉める可能性を感じている方や、財産分与以外にも問題が発生する可能性を考えている人は、「婚前契約書を作ろう」と言ってくるかもしれません。
ということは、結婚後もそもそも民法を無視して、結婚生活を乱すこと前提だったり、過去の経験から痛い目を見ていることがあり得ます。
納得できるなら、弁護士を自分でも用意して、契約書を作成してもいいかもしれません。
それよりは、そもそも離婚しないように、普段からお相手に気を配って、円満に最後まで生活する(生き残る)ことを考えた方が懸命かもしれません
話し合いで解決できなければ結局揉める
契約書があった方が安心!ではありません。
もし、作成するなら、しっかり弁護士さんに相談して慎重に考えるべきことです。
日常のゴミ捨てのルールですら、「約束を守らない!」と怒っている状態では、いくらルールで縛っても違反されるだけのルールになります。
誰でも何の理由もないのに、一時は好きになった相手や結婚を決意した相手にイライラしたり、意地悪したいとは思っていないはずです。
責められる関係や協力しようとしない関係になるには、それなりの理由や日々の蓄積があります。
本当に「結婚後の生活を安心したものにしていきたい」と思うのであれば、夫婦関係やパートナーシップを良くしていくために、あなた自身の日々の見直しが必要でしょう。
自分が変わることが夫婦関係円満の近道です。
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