雑記|私とはひとつの現象に過ぎない
私があなたの目に映るとき
私は本当にそこに存在しているのか
たとえば
私に反射した光が
あなたの水晶体を通り、網膜に到達し、
電気エネルギーに変換され、
視神経から脳に伝達されて なんらかの像を結んだとき
私の存在は一つのイメージに過ぎない
または、あなたが私に触れるとき
あなたの中には皮膚の感触が想起されるが
その時 私の存在は一つの感覚に過ぎない
私とは常にひとつの現象に過ぎない
それは音のない空間の「沈黙」のように
色を塗る前のキャンバスの「余白」のように
記憶のけむりに映し出されるビジョン
私はあなたの中の砂丘で
永遠に吹き続ける
風そのものなのである
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?