HouseをHomeにする技。
途上国を数年刻みに転々とする「開発ワーカー」という仕事。
この20年で、私は住居を11回(9カ国・3カ月未満の短期滞在を除く)替えています。いつかは何処かに落ち着き、自分の好きなものに囲まれて暮らしたいと思いつつ、毎回国際引越しの度に断捨離をし、家具付きの賃貸住居であれこれ妥協をしながら、「あとxxカ月の辛抱だから」と自分に言い聞かせるのも日常の一部だったりします。
そんな「借り物暮らし」が長らく続く人生ですが、どこの国のどこの街に住んでも、借りたHouseを自分のHomeにする術もわかってきました。私の場合は音楽と花と部屋の匂い。全く自分の生活に馴染んでいない家具の部屋でも、好きな花を活けることでちょっと落ち着く場所になります。最近はiTunesのおかげで沢山の音楽も気軽に国境を越えてもっていけるようになった(昔はCDだけで段ボール1箱分国際便で送っていた!)ので、これも自分の落ち着く空間を作るにはBluetoothのスピーカーを一つ持っていくだけで良くなりました。
新しい国に着任したばかりの時期は、知人・友人もなく、生活必需品もどこで何を買えば良いのかもわからず、そもそも自分の選んだ新しい住まいが安全で快適になるかどうかもわからない、とてもストレスが溜まりやすい日々です。せめてもの快適さ向上のために、自分の気持ちが落ち着いたり上がったりする花と匂いと音楽を知っておくことオススメします!
ちなみに、パキスタンでの私の「Homeにする花」は夏なら月下香と呼ばれるTuberose。冬の間は日本よりずっと香りの強い水仙に彩をもらっていました。東京にいると枝もの(梅とか柳とか)に魅かれるのに面白いものです。