日本人で良かったか?
(写真はYobab via Getty Imagesを拝借)
海外に長く住んでいると聞かれる、「日本人で良かったことは何ですか?」という問い。 私はたいてい「特にありませんが、ビザを取る必要のある国が少ないパスポートなのが利点です。」と答えているような気がします。 前職では国連パスポートUNLPの出ない国際機関に勤めていて、とにかく途上国への出張が多かったので、ビザが必要ない国が多い日本のパスポートをもっていることは、とても便利だったのです。例えば、急な出張依頼にも他国の人ではビザが間に合わずに対応できないけれど、私はすぐに飛べる人材なので、途上国出身者多めの多国籍チームではかなり重宝されました。
Global Passport Power Rankを見ると、2017年9月現在、日本のパスポートでビザなし入国できるのは156か国で世界第3位の「パスポートが強い」国。 私が昔働いていた国々の中では、カンボジアがビザなし入国できるのは49か国、ザンビアは63か国、ボツワナは72か国。スイスは日本とほぼ同じ155か国。そして今いるパキスタンは、世界でワースト2位(アフガニスタンに続き、イラクと同位)の26か国のみ。 個人としてそれぞれの国の人の信用度に大きな差が無い(どこの国の人も同じぐらい信用度が低いという意味で)ことは実際に住んでいた私が保証しますが、やはり国としての信頼というものは別の話であるということですね。そういった意味では、これまで他国からの信頼を沢山もらっている日本のパスポートを持つ日本人で良かったと言えるのかもしれません。 普段は国籍なんてただの記号か、国際機関でのポスト争いのときのアピールポイント(日本人はどの組織でもUnder-representedなので、採用ポイント高くなる)でしかないと思っていますけれど。。。
蛇足ですがザンビアで生まれて、日本に帰化し、スイスでペットパスポートを取得した私の愛猫は、EUとスイスに出入り自由なので29カ国をビザなし(検疫や書類提出の必要なし)入国できるお猫さまでもあります。 ザンビア人の友人はいつも海外に出張に行くためのビザ申請で現地大使館の領事部に並んでいるとき、「あなたの猫だってスイスパスポートで出入り自由なのに、私は毎回長蛇の列に並ばなきゃならないなんてひどいよー」とメールを送ってきます。 前にも書きましたが、人生は不公平なのです、やっぱり。(苦笑)