過去を検証しない政治は国民にとって害

 また政治判断という名の下の国民の理解も合意形成も為されていない事が決まった。
菅内閣は去る4月13日に東京電力福島第一原発の処理水を海洋放出する処分方針を決めた。風評被害を懸念する声は根強く、放出が終わる時期の見通しは立ってない。やく2年後には放出が始まる見通し、という事だ。
菅首相は「廃炉を進め、復興を成し遂げるためには避けて通れない課題だ。安全性を確保した上で実施する」と語っているが何をもって安全なのか、また地元の理解も充分に得られていない中突き進むのは政治判断でも何でもないだろう。
このような信じがたい事がおきるのはひとえに日本の政治が長年事が起こる度に充分な検証をせず、スゴロクの如く振り出しに戻ったかのような行為をしているのが要因だ。
実は10年前にも同じような事があった。
当時の菅直人内閣が施設内に貯まっている高濃度の放射能汚染水の貯蔵場所を空ける為に緊急措置的に1万トン以上の比較的低濃度の汚染水を海に放出した事があった。
この行為に対して周辺国が猛反発し、また日本政府の説明不足により食品の輸入規制も広がったのは記憶に新しい。
当時を振り返り菅直人氏はもっと丁寧に説明に説明を重ねてやるべきだった、と語っている。
「いつか来た道」とは言うが3.11で突きつけられたゲンパツという宿題をほったらかしにしていたツケがまた同じような過ちに舵をきる羽目になっている。

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